のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

オペラみたいなKA

2010-10-26 | KA
 昨日寝過ぎたので、今日は九時に起きました。さわやかな日。パンを一つだけ焼きました。
 MGMに着いた途端にステイシィに会い、
「何でこんな早くに居るの。」
 と訊かれました。彼女が毎日の予定を立てているのかと思い、少し笑いながら
「一時から練習が入っています。」
 と言うと、
「ああ、私達の撮影が、単に始まっていなかっただけなのね…。」
 楽屋にはシェリーとジェニファーが居ました。
「十時半から来ているのだけど、いろいろと遅れて、何も出来ないで待っているのよ…。」
 お化粧をしているので外に出られないジェニファーに代わり、サンドイッチを買いに行きました。
 表面加工の剥がれたフルートをプロップスに持って行き、新しいフルートを頂きました。
 練習を始めると、少し右膝の位置が悪い感じがしました。でも、気になっていた右足首の具合がとても良く、何も感じないくらいでした。休日にゆっくり休んだのが良かったのでしょうか。
 昼食時は、お腹が空き過ぎていて、夕食にと持って行ったものも食べました。
 週頭のミーティングで、日本からの学生さん達にお会いしたことにお礼を言われました。また、影絵の時の演技が良くなっていると言われました。そのようなことを、みなを目の前にして言われるのは珍しいことです。影絵のことは、ご指摘があった時に、すぐに「はい。」とは言えずに、自分の意見などを言ったので、お心遣い頂いてのことかもしれません。
 楽屋に戻り、そこに居たジェニファーに、
「さっき『舞台裏を走らないように。』とミーティングで言われたのは、私に向けられた言葉だと思う。」
 と言うと、
「私だって走っているわ。シェリーもね。」
 と。ここの三人、それぞれ舞台裏を走っているようでした。シェリーが影絵の前に走っているのは、手を温める為ということを聞き、なるほど、それであのしなやかなで表情豊かな影絵が生まれるのかと、感心しました。
 一回目のショーが始まった頃からか、右脚付け根が少しおかしい感じがしました。膝の違和感はそのためだったのでしょうか。そして今日は、感情の起伏があまりありません。さらに、回転の速いフルートが見えません。先週でしたでしょうか、そのようなことがありました。こんなことが続いたら、辞めないといけないかもしれないと思いました。それにしても、この平たい感情…。私はこのような状態でしたが、たくさんのお客様がお立ちになって拍手を送って下さいました。
 二回目は、丁寧に踊っていました。ご覧下さっているバトンの先生方のことを思いながらが、踊っていました。温かく見守って下さっていたのでしょう、気持ち良く踊れました。「辞めないと。」と簡単に片付けた自分を反省。だって、やれば出来るのです。
 終わってからみなさんにお会いしました。喜んで頂けて良かったです。その内のお一人は、選手として一緒に世界大会に行ったことがあり、懐かしくいろいろなことが思い出されました。
 舞台裏のご案内後、KAのテクニカルディレクターと、先日映画館で観たオペラの話をしました。彼は、以前オペラに携わっていたそうです。そして、
「KAはオペラみたいなんだよ。」
 と言いました。歌と大掛かりな舞台装置にシンプルなストーリー、アクロバットと大掛かりな舞台装置にシンプルなストーリー、それから、静かにソロが行われている時に、大きな物を動かさなくてはならないところ、などとおっしゃっていました。とても楽しいお話でした。次のオペラは五月。今度は四時間。どうでしょう、観切れるでしょうか。
 帰りはとても寒く、いつもの白いジャケットだけでは足りませんでした。自転車を漕ぐと、身体は温まりましたが、手は最後まで冷たかったです。耳元でシャラシャラと聞こえる音が、余計に寒さを感じさせます。華氏五十二度でした。