のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

四軒回って

2007-06-10 | 日記
 ここのところ涼しい日が続いていたラスベガスですが、今日は暑いと感じました。しかしながら、買い物へはいつものように自転車で。
 一軒目。ずっと出しそこなっていたインスタントカメラを現像に。いつの写真が出来上がることか。
 二軒目。テレビの台を作るのにホームセンターへ。買いたいものは自転車で運ぶのに重すぎて見送り。
 三軒目。新しくできたと広告が入っていたスーパーマーケット視察と特売品目当て。ところがスーパーは以前そこにあったものの名前が変わっただけで、特売品は思ったよりも大きすぎて持参の手提げ袋に入らず、見送り。
 四軒目。先週欲しいと思いながら見送ったものを求めに。売り切れ。
 今日の物の収穫はなし。軽い運動と情報を得て帰宅。明日、車で回り直しです。

ジャニンとズラの誕生会

2007-06-09 | 仲間
 従者役のアナトリが2回目のショーのジャグリングまでして、モントリオールに向かいました。その後は代役が入ってつなぎました。彼は東京で始まるショーに参加することになるかもしれず、そのワークショップに行きました。
 
 さて、今晩はイベントあり。6日が誕生日だったズラと、ショーが終わって日にちが変わったら誕生日のジャニンの誕生会を居酒屋で開きました。居酒屋でするパーティーは大体私がアレンジすることになります。ラスベガスに来てからは、ほとんど人の誘いにのるだけの楽な暮らしをしているので、この時ばかりは稀のシャキッとするときです。
 ズラは21歳に、お酒が飲める歳になりました。ジャニンは44歳。ズラの歳を知ったジャニンは「私の娘といってもおかしくない歳なのね。ということはお腹にいる赤ちゃんは、孫か…。」みなで笑いました。
 今日はさまざまな国籍の20人が集まりました。ショーが始まった頃からみなで通っているこの居酒屋、毎回のように居酒屋デビューのアーティストを加え、日本人以外にとっては、得体の知れないものを勧めては楽しんでいます。
 みなの笑顔が集まって、幸せな週末の始まりでした。

出会って間もない人に言われたこと

2007-06-08 | KA
 2回目のショーの前、準備にトレーニングルームに行くと、いつもウエイトトレーニングをしているアーティストがいます。彼はトレーニングをしながら、いろいろな楽しい話を分かりやすくしてくれます。
 今日は珍しく元気のない彼の姿がありました。そして「僕、もうこの会社で働きたくない。」と。
 そろそろ来年の契約の話が出る時期で、その前にその人に対する評価を言い渡されます。今年は面談の前日に評価の書いた紙をいただくことになりました。明日が面談の彼は、その紙が入った封筒を受け取り、目を通した後のようでした。

 彼はクリエイションからいるアーティスト。
 -クリエイション時の意気込みが感じられない。
 評価をする人のうち何人が自分のクリエイションのときのことを知っているというのか。今新しい動きを求められてないところで何をしろというのか。

 中国武術もする彼。
 -中国武術に進歩が見られない。
 自分は専門ではないので、どうしても彼らと同じようには見えず、器械体操の人が中国武術をしているように見えてしまう。だから自分はなるべくそのシーンには出ないで、人が足りない時だけ出るようにしている。

 チームの場面に出ている彼。
 -舞台で目立っていない。
 新しいアーティスティックコーディネイターには、「この三ヶ月で私はあなたの存在が分からなかった。」と。チームの動きで自分だけ目立っていいものか。

 以前、体力的に大変なシーンに立て続けに出ていた彼。
 -やる気がみられない。
 あまりにも大変で、出る場面を減らしてもらってから少し楽になったが、その時と今を比較されて、やる気がないと。

 私は彼から話を聞いて、自分が終えた面談を思い出しました。
 「あなたみたいな人があと50人欲しい。」といい評価はいただきましたが、ちょっと気に掛かったことがありました。「あなたはバトンを回してばかりいるけれど、もっと違うことに興味を持って、何か違うことを学んだり感じたりする必要があるのではないか。」その時、そういう風に見られているのか、と思える余裕はありました。そして今日、彼が得た彼に対する評価を聞いたら、私に言われたことなど些細なことだと思いました。
 物差しでははかれないものを評価することは難しいことです。

クレベーフと走る

2007-06-07 | KA
 ジェスター役が最後、上にあがった舞台からお辞儀をしなくなり約一週間が経ちます。彼はスレイヴケイジというシーンでリフト5が一番下まで降りて行った後、下から上に上がる舞台にのるために、そのままそこで待機していました。しかし、今度はミュージシャンがお辞儀をするところに出て行くことになったので、1階まで上がってこなければいけなくなりました。
 ある日、スレイヴケイジが終わり、私はいつものように階段の扉を開けると、その日ジェスター役のクレベーフがすぐ後ろにいました。私はいつものように階段を駆け上がり始めると
「いつもこうしているの。」
 と。
「じゃあ僕もついていこう。」
 と走り始めました。ひとつ階を上がり舞台裏を走りながら、
「ここではジャンプをしたりするんだけど。」 
 と言うと
「わお。」 
 と。そしてまた次の階段の扉を開け駆け上がりました。
「毎日しているの。だからノリコの脚は細いんだ。」
 私の脚は決して細くはないのですが、彼の素晴らしい筋肉がついた足に比べたら細いでしょう。
「僕も毎日一緒に走ることにしよう。」
 ハアハア言っている彼と、彼の性格を考えて、私は続くかどうかと実際のところ思っていました。ところが彼は毎日走っています。彼が前を行く時は彼の素晴らしいジャンプを見ることもできます。

 今日私はこのシーンの前に衣装の一部を忘れて、3階まで行ったのに下に取りに戻り、それから4階に行って用事をすませ、1階に行って待機をしていました。そして短いスレイヴケイジを終えて、また地下から1階まで15メートル分上がってきました。上に下によく走る日です。今日の身体は少し硬かったのでこれで少しはほぐれることでしょう。

 ジェスター役が上でお辞儀をする演出はとても好きでした。いつの日か彼が上に戻ることを願っています。

呼び出し、呼び出し、呼び出し

2007-06-06 | KA
 一回目のショーが終わって何気なくモニターを見ると、二回目のショーの準備が遅れているようでした。それは、一回目のショーで下りていった鳥を、ショーが終わったあとに上に戻す作業が進んでいないことで分かりました。その後、通りかかるたびにモニターを見てもそのままです。そのうちに、リガーの人がバタバタしているのを見かけ、ステージマネージメント周辺でも、「キャンセル。」と言う言葉を口にしているのが聞かれました。

 「どうなるのだろう…。」

 まずは山の人達をするアーティスト二人が呼び出されました。
 それから、鳥が飛んだ後のシーン、キャプティビティに出る人の中のバイグーと私。
 ステージマネージメントに走ると、「鳥を飛ばすことができないので、ブリザードとリフュージのシーンをなくします。クライムの後、舞台転換だけしてすぐにキャプティビティーに入ります。」と言われました。またまた私が踊る前でショーが一時停止することになりました。そして今度は準備に掛けられる時間が短くなるというおまけつき。
 戻って次のショーに出る準備をしていると、次々にアーティストが呼び出されていました。一度全員を集めてお知らせしたほうがいいのではないかと思うぐらい。
 私も少しバタバタしながら二回目のショーに出る支度を終え、トレーニングルームに向かいました。すると、先程よりももっとたくさんの人がステージマネージメントに集まっていて、ステージテクニシャンと最終の打ち合わせをしていました。騒然とする中、私も少し落ち着かない感じでトレーニングルームに入りました。

 「ちょっと待って、ショーの始まりは同じなのだから…。」

 トレーニングルームの端に横になり、いつもより速い心臓の鼓動を感じ、大きく呼吸をしました。そのうちに安らいだ状態になっていきました。 


 みなさんの打ち合わせがうまくいったようで、ショーの中断もほんの少しで再開できました。そして私は、あの激しいクライムを終えたアーティストが、さらに階段を駆け上がって急いで次の森のシーンの支度をしなければいけない姿を見たとき、自分に掛かる影響なんてたいしたことないと思えました。
 完全なショーはご覧いただけませんでしたが、今日、その時出来る一番いいものをみなの力でできたと思います。

従者役、危機

2007-06-05 | KA
 舞台の側面でお化粧をし終え、舞台の中に入り、お化粧道具を片付けているとき、従者役のジェイソンが「ガンバッテ、ノリコサン。」といつも言ってくれます。今日は声が聞こえないので振り返ってみると、何かが起きたよう、その後舞台上に上がるはずの彼がまだそこにいました。リガーの人とが何かしているので、私は彼の安全ベルトが上手く外せずに、舞台上に上がれなかったのかと思っていました。
 そして、その舞台が下がり、舞台の中から出ると、頭に包帯を巻いたジェイソンがいました。舞台上で舟を漕いでいる櫂に、血が出るほどに頭をぶつけてしまったそうです。
 先週途中から背が高い従者役がアウトで、従者役は二人でしていました。そこへきてジェイソンががアウトになると、クライム、ぐるぐる回る舞台で追いかけっこをするシーン、で追いかけられる動きができる従者がいなくなります。急遽、その代役をしたことのあるマットが、ジェイソンの役に入ることになりました。
 その時点から、ボート、ディープ、アーチャーズデン、と三つのシーンをする中で彼は着替え、お化粧を少し変えて、次の出番であるビーチのシーンに間に合いました。そして何事もなかったかのように、その後その役をこなしていました。

 ジェイソンは何針か縫うことになりそうです。マットはこの役があまりにも大変で代役を降りたと聞いていました。今日は急場凌ぎに出てくれたのかもしれません。今まで一度も休んだことがない従者役のアナトリは、近いうちにモントリオールに行かなければならない用事があるそうです。明日からどうなることでしょう…。

アナトリのクック

2007-06-04 | 日記
 アナトリは3人いる従者役の中の、本でジャグリングをするアーティストです。もともとクラウンの彼は、いつもいろいろなアイディアを浮かべています。
 彼が友達の家で何かをするというので、真夜中過ぎに始まるパフォーマンスを観に行きました。
 家の広いリビングルームの半分には、クッションやソファーや椅子を並べて客席に、半分には赤いカーテンを囲ませて舞台にと、上手く作ってあります。台所からダイニングルーム、庭へのつながりには、ル・レーヴのアーティストを中心にいろいろなショーから人が集まっていて、お酒を片手にスナックをつまんで、みな楽しんでいました。
 アナトリは「こんなに人が集まると思わなかったからなんだか緊張してきたよ。」と言い、「お化粧したほうがいいかな。しないとね…。」と、いつもに増しておどおどしたような動きをしていました。
 ショーは予定の午前1時を過ぎて始まりました。アナトリの一人芝居。鳩時計の鳩のアナトリが時間が来て「クック。」と鳴く、その裏の出来事、思いを芝居にしていました。表情や動きが明らかで、思いがとても伝わってきました。
 終わってから彼に会うと、やり遂げたことの満足感に満ちた顔で「凄く心配だったけど無事終わったよ。できたよ。」と自信に溢れていました。
 もうひとりLOVEのアーティストも一人芝居をしました。彼もとてもおもしろかったです。
 席をたくさん用意できないからあまり人を呼べないと言う中、私のことを誘ってくれたアナトリに感謝します。週末の一番最後に私も充実した時間を過ごせました。

暑さの中スカッと

2007-06-03 | 日記
 今日はとても暑いので、買い物に出たついでに、スケート場に行きました。するとKAのステージテクニシャンがホッケーをしていました。彼のプレイを見るのは約一年ぶり。あの時も上手いと思いましたが、本当に上手でした。一人での動きは素早く、周りも見えていてパスも瞬時に出せます。また、チームのメンバーがいいところに必ずいて、パスのまわりが確実です。観ていてスカッとします。彼のチームはプレイが出来るぎりぎりの人数しか揃っておらず、交代ができないのに、みなさん動きの質が落ちることなく、最後まで激しく動いていました。もちろん勝利。

 暑いので温度計を見たら夜中の12時で33度。日中は40度あったようです。それを知ってほっとしました。これで日中が36度であったとしたならば、40度以上になる7月、8月は恐怖です。

ローラの作品初参加

2007-06-02 | 日記
 一週間ほど前に、ローラが“若者達のためのコンサート”の出演に興味があるか訊いてきました。彼女はよくKAのアーティストを中心にダンスの振り付けをして、何かに出演しています。私は良くそれを観に行っていました。いつ彼らが練習しているのかも知らず、突然本番の日にちを知らされて、いつも良くやっているな、と驚いて観ていました。私は今まで声を掛けてもらったことはありませんでしたが、どういう訳か今回は声を掛けてもらい、リハーサルの日時を見て、これなら大丈夫、と参加させてもらうことにしました。丁度自分でも少し余裕ができてきたところなので、いいときに声を掛けてもらえ、うまくできているなと思ったものです。
 今日はリハーサルの初日。全員が顔を揃えなくても、遅れてきても、彼女は慣れているのか、そこに現れた人を順に使いながらどんどん振り付けをしていきました。久しぶりの作品作りへの参加はワクワクして、また、複数でするということが新鮮で楽しめました。
 45秒。今日の振り付けが出来た時間。あと2回のリハーサルで4分の作品を完成させるのはどういう過程になるのか、楽しみです。

彼らしいご意見でございます

2007-06-01 | KA
 一回目のショーはなんとなく緊張していました。その証拠に、双子の男の子をケイジから出してあげるときに、いつもと違うことをしてしまいました。「違うことをしている…。」と思いながら、「もしかしてこういう表現もありかな。いや、この方がいいかな。」とも思いました。

 二回目のショーのソロのシーンが終わり、乳母役のゲイルに会いました。「今日は久しぶりに観られたのだけど、とっても優雅で良かったわよ。」と。私は「ありがとう。実は一回目はとても緊張していて、それを今日は受け入れられたから良かったのだけど、緊張と闘ってしまうときは優雅には見えないでしょうね…。」などと話していたら、隣にいたバイグーが「僕が見ている限り、いつも同じようにきれいに踊っているから、お客さんにだってそんなこと見えないだろうから、何も気にしないで、考えすぎないでやったほうがいいんじゃないの。」と。彼らしいご意見でございます。「あなたのようになりたい。」と思いながら、「いや、私はこの繊細さを楽しんでいるのかもしれないから、このままでいいのかな。」とも思いました。