拝宮和紙 中村 功展 初日。
四国徳島県で拝宮和紙を漉く、中村功さんの展示がはじまりました。
遠方からの出展なので、先日行われた 横浜三渓園での「日本の夏じたく」と合わせ、関東で続けて展示できる会期にさせていただきました。
和紙の原料としては、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)の3種類の植物があります。
中村さんの漉く和紙は、99.7%(100%ととは言わない)楮を原料としています。繊維が長く強靭で、しっかりとした和紙になります。
紙漉きと言えば、原料を溶かした船の中で簀桁(すけた)を前後に動かしているイメージがあると思いますが、実際に漉くまでに原料の加工にも10以上の工程があります。そんな大変な、楮の栽培から収穫、加工、販売まで家族だけで行います。
埼玉県にも和紙はあります。とても良い和紙です。そんな和紙を知っている埼玉の皆様に、中村さんの拝宮和紙を見て、感じてもらいたいです。
会期は短く6月1日までです。宜しくお願い致します。
拝宮和紙
中村 功
2015年5月27日(水)~6月1日(月)
11:00 ~18:00(最終日16:00まで)
作家在廊日 5/27・6/1
四国の南東部を流れる那賀川の支流に沿って徳島県那賀町拝宮(はいぎゅう)という地区がある。
かつて多くの住人たちが、良質な障子紙「拝宮和紙」を漉いていた。中村さんがこの地で紙漉きを始めた頃は、親が大反対するほど衰退していた。最後のひとりになった中村さんは伝統を守るためでなく、拝宮和紙で生活するために和紙を漉き、意匠を凝らし、現代の暮らしに寄り添える和紙を漉き続けた。近年、拝宮和紙を守ろうと活動している団体もある。でも私の中で思う拝宮和紙は、中村さんの漉いた和紙だ。そして息子へ引き継がれると信じている。