陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

虹の架かる空模様

2009-11-02 22:40:27 | Weblog
今日は寒かった。
空は晴れの部分と雲厚い部分と複雑な様相で雨もぱらぱら落ちた。
氷雨と言っても良かったかもしれない。
車を走らせていると
大きな虹の端が見え、だんだんアーチの形がになり、さらに色濃くくっりり見えてきた。
しかも下にうっすら二重に架かっている。
ダブルの虹に出会うとはなんという幸運だろうとウキウキ。
職場の駐車場に着いて写メを撮ろうと見えそうな所へダッシュでしたら、もう消えて仕舞っていた。
虹は儚い。
事務所に入ったとたん虹自慢をした。

 『虹が出てましたよ。それもダブルレインボー。』

嬉しそうに話した直後、外から一人帰ってきた。

 『虹 見ました?』

 『見た、見た。気持ち悪い虹が立ってたね。不気味な空模様だったよね?』

虹に出会った高揚感がポシャった。
一緒に笑顔だった周りもしら~~っと暗くなった。
むかし、むかしに詠んだ稚歌を思い出した。

    泣いた後の
    こちょこちょかしかしらん?
    雨あがりに
    でっかい
    虹のアーチ
  
見え方は人それぞれらしいけれど、虹はいつも私をわくわくさせる。
おかしな天気だからこそ虹はかかるのだ
  

発達障害当事者研究  綾屋 紗月,熊谷 晋一郎

2009-11-02 07:10:15 | 
発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく)
綾屋 紗月,熊谷 晋一郎
医学書院

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読みながらものすごいショックに見舞われた。
息子はここまで辛い一時一時を過ごしているのだろうか?
私にはスッスッスと自然に入ってくる刺激、自然な反応動作が
意識レベルから自分で正しく反応する動作を組み立てるまで意識して行われているらしい。
まとめあげ困難がフリーズやパニックを誘発するらしい。

同執筆者の熊谷晋一郎さんは脳性まひ。
昔の電動車いすは悪という時代に、意識して筋肉を動かすリハビリを受け続けた。
ついに自分が消えたくなる状態に陥った経験を持つ。
アスペルガーの困難さと自分の困難さとをすり合わせて共書になったという。
「おいてけぼり同士」という言葉が使ってある。
おなじ場面で電動車いすというビジュアルが人の助けを容易にしている事が
アスペルガーの人はパワーポイントを用意して30分くらいかけてプレゼンしないと分かってもらえない。
それをしても分かってもらえるかどうか不明と
学食の発見売り場のエピソードが書かれていた。

最後の最後に
『できるけれどもものすごく負担な事』を『できるけれど出来ません』と言う必要が説かれている。
2時間かけて自分でお風呂に入る要介護者を私は担当している。
どうしても人の手が借りたくないプライドが『無理だけど出来る』に固執させている。
高齢者はまだ周りから助けの手がでやすい。
若い息子の様な場合、周りから『怠けている』としか取ってもらえない。
そして当事者も困難さに打ち勝つ努力から、
ちょっと『お願い 助けて』が言えるようになると楽になれるとしみじみ思う。

息子は常に『勝つ』『普通以上に』を口に出す。力んで苦しんでいる。
脱力こそが解決の道ではないかと傍観者でしかない立場ではそう見える。

本書は『怠けていない』ことを知ってもらうために書かれたように思う。
シリーズ『ケアをひらく』の一冊で、
『ゆっくりていねいにつながりたい』のやさしいひらがなが題字の真ん中に入っている。

『つながる』
コミュニケーションとは双方性のあるのも。
不全とは多数派の傲慢が言わせている言葉のように思う。

まだレンタル中の『音符と昆布』が今もBGM状態で再生している。
息子の困難を分かち合えないまでも、知り得たいと切望する。
医者にきっぱり息子が言っていた。

 『母は本なんか読んで努力しているみたいですが、僕の事はまるで分かっていません。』