さよならの扉平 安寿子中央公論新社このアイテムの詳細を見る |
夫を亡くした社会経験まるでなし妻とできる独身OL愛人の奇妙な交流。
と、帯封にある。
社会経験まるでなしの妻は子供がそのままんまおばちゃんになた感じで
べたべたと厚かましく、愛人がどういう気持ちで居るか推し量る想像力もない。
ただ「同じ男を愛した者同士、お友達になりましょう」と言う
自分の大きな穴を埋める方法に相手の迷惑を顧みず自分で酔っている。
はっきりとNOを言えないでズルズルとアメリカ旅行へまで出かけてしまう愛人も奇妙。
若くしてガン治療ししないて逝ってしまう張本人の夫と
愛人の散々な放蕩で妻に愛想をつかされた寝たきりの父親の終末と、
死と残された人の処し方と
いろいろと身につまされるたテーマが散りばめられている。
確かに近いし人の死、直後、しばらく頭がおかしい。
思えば私も妙にハイテンションだった。
ドタバタと笑えるイライラ感が最後に上手い言葉で締めてあった。
さよならの扉に鍵はない。
どうしようもなく絡み合った人生は死をもっても切り離せず、
扉を開けて何度も出入りを繰り返す。
死をわかつまで、なんて、キリスト教のケチくさいこと。
残された者同士の関係まできっぱり切れないで、どうしてもウダウダ続く。
しみったれでケチくさいまるで好きでない夫の母を見捨てられずに、
距離を保ちつつ、しかたなく関わるっきゃない。
死んでもあんたが関係してんのよと、そこらに千の風になって居るかもしれない夫に毒付く。