地上には悲喜交々が三十三

朝からテレビが映らない。
ネットが繋がらない。
どっちもケーブルだから、そちらの問題っぽい。

故障連絡先の電話番号を探していたら、
テレビが点いた。
気がかりのペルーの救出ニュースが映った。
いきなり耳に飛び込んだ言葉が

　　「地下にいた間の給与の受け取りで揉めている」

？？？うん？

待つ家族には愛人が来ていて、
妻の姿なし。
揉めているのは会社とではなく、
夫から渡される給与は妻か？愛人か？
ってことらしい。

赤ちゃんが産まれた人もあり。
３３人分の人生が地上には待っているらしい。

救出はスピードアップ。
今日中に全員上がってこれそう。
３３人がひしめいた長い穴倉生活から、やっと解放される。
頼りなさげな小さなカプセルが最後の人まで機能しますように。

途中経過の救出劇を見届けて散歩に出る。

遅れ彼岸花が終わり、
金木犀が香る。
ミゾソバが咲く。
　　

ケーブルは工事だった。
早朝に地域のメンテナンスをしていたと
電柱したの交通警備の方から聞いた。
原因がはっきりすれば、すっきり。

思えば、人の事はなんだって、
あちらを立てればこちらが立たず。

しかし、
いきなり愛人問題から取材するミーハー感覚は民放らしいか？