中国で共産党員の宗教禁止を徹底する動きが出ていることを16日付で報じました。神に救いを求める行為が党への求心力を弱めるという懸念が背景にあるとされ、「政治」が「宗教」を押しつぶす印象を持ちました。
それが気になったのは、中東地域で猛威を振るうイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」とは対照的な事象に映ったからです。唯一の神への絶対的な帰依を守りつつ世界の常識を破るという行為は「宗教」が「政治」を壊すように見えます。
逆行する2つの力がいまの世界で働いているというのは異様なことでしょう。ともに上からの力であれば、イスラム国の場合、指導者層を排除することで内部から組織を崩壊させることができるかもしれません。
ただ、どちらも一向に見えてこない「自由」を守るのは至難です。厳しい闘いはなお続きます。(編集長 蔭山実)
2014.11.15 産経 【編集日誌】