気の向くままに

終着はいつ、どこでもいい 気の向くままに書き記す

それぞれの年代、それぞれの「高倉健」

2014-11-20 11:41:35 | 日記

♪義理と人情を はかりにかけりゃ 義理が重たい男の世界…ドスを効かせたつもりのダミ声で必ずカラオケで歌うんです。義理も人情のカケラもない上司が…。その不釣り合いな“高倉健”を決め込んで歌うのを我慢して「イヨッ、健さん!待ってましたッ」という人生の並木路。私めはいつも思ってました。“高倉健なんかいるもんか”ってね。

 だけど時々、出くわすんです。だから人生は面白いし、捨てたもんじゃない。

 今、読者の皆様はそれぞれの年代、それぞれの「高倉健」を自分に重ねあわせて、今朝はちょっと肩をいからせてご出勤、職場では無口をきめこんでたと思います。

 まず文化報道部のゴリラ部長稲見誠が言うのです。「残念や。俺は健さんに一度でいいから会いたかったんや。記者に言うとったんや。チャンスがあったらぜひ会わせろ…と」。なにしろゴリラは明大に入学したのは高倉健と星野仙一に憧れたからである。こういっちゃあなんだが、明大の気風は高倉健、星野仙一…はまぁわかる。高校の頃に稲見家には鏡はなかったのかカガミは…。

 そしてプロ野球記者となり中日担当となり星野仙一にたどりついて「これぞ男ぞ」と思った。残るはもう1人…トラ番キャップ-デスクからゴリラは文化報道部長になっていよいよ高倉健が手に届くセクションになって…。「ああ、もうちょいだったのに…」。なにしろゴリラ部長は毎週CS放送で必ず高倉健映画をみる。その日は一日中、編集局でも唐獅子牡丹を決め込むのであります。
1977年「幸福の黄色いハンカチ」のストイックな演技…。私めも行きましたがな、夕張炭鉱のあの黄色いハンカチがはためいているあばら家に…。そして92年『ミスター・ベースボール』…男・仙一が第1次中日監督を降りて1年後に公開された。高倉健が演じる中日の監督内山(星野仙一がモデル)がメジャー崩れの、鼻持ちならないスター選手をしごき倒し、やがて人間味に触れて2人は力をあわせてジャイアンツを追い詰めていくという試合の最終回満塁…誰もがホームランを期待するが元メジャーの大スターはチームの勝利のためにスクイズバントで決勝点! 監督内山は黙って握手をする…男がプンプンしてた。

 実はこの日の野球面担当の当番デスクは大沢謙一郎で「僕はその映画を見てかっこエエなぁ…と憧れました。よもやその実物の星野監督が阪神にやってきて虎を優勝させるなんて…」とシミジミ。

 編集委員上田雅昭は「ブラック・レインが公開された頃やった。近鉄の仰木彬監督と東筑高の先輩後輩の関係で宿舎に監督に会いにきてはってな、仰木さんに『特別に会わせたる』と紹介されたんや。ナマ高倉健を見たのは俺ぐらいのもんやろ! どや」と電話で自慢してきたのです。

 安芸キャンプは今日も暗くなるまで練習々々でした。昭和の男死す…和田監督の心境はどうだったか。人それぞれに背中の唐獅子牡丹♪やがて夜明けの来るそれまでは 意地で支える夢ひとつ…。

高倉健さんが演じたミスター・ベースボールの監督のモデルになった星野監督。男らしさが重なった

 

(サンケイスポーツより)

 

<memo> サザンカが咲き始めた。百日草、 菊、ツワブキなどは終わりつつある。ナンテンやセンリョウが赤い実をつけている。