映画『サンダーバード55/GO GO』予告編
サンダーバード放送55周年を記念し、本国イギリスでクラウド・ファウンディングで資金を集めて制作された、ファンによるファンのための作品。まあ見事なくらい、「昔」のままです。
物語は新作ではなく、音声ドラマとしてレコードに録音されていた音源をベースにして、音源にあわせるかたちで映像を新撮したものらしい。
この映像がスゴイんです。なにがスゴイって、あの60年代に作られていた一連のオリジナル作品そのまま。
ホントにそのまま。
忠実に再現されたマリオネットやミニチュア、そしてセット。特撮技術も当時のやり方を忠実に再現していて、CG等は一切使っていない。当時の技術そのまま。
イマドキはCGの方がよっぽど安上がりです。ミニチュアセットを組んでミニチュアのロケットやら車やらを作って用意して、マリオネットを実際にセットに入れて撮影する、なんてことは手間も暇もかかるし、なにより製作費がメッチャ嵩みます。最近の映画がCGに流れるのは、なにより安上がりだからなんです。安上がりでそれなりの映像がつくれちゃう。だから最近は特撮だけじゃなく、アクション映画なんかでもCGが使われる頻度が増えてきて、役者が体を張って危険なスタントをする、なんてのはメッキリ減ってしまった。
でもさ、面白さって、そういうことじゃないよね。
いかにお金が掛かろうと、ミニチュアだとはっきりわかろうと、それでも
そっちの方が断然面白いってこと
あるんだよねえ。
60年代のあの映像を、現代にまんま再現した、究極のリスペクトに満ちた作品。
リスペクトをもって作られた作品って
美しいね。
ストーリーはいかにもサンダーバードな内容で、特別な真新しさはない。でもこの作品を観る方々は、敢えて新しさなんて求めてないと思う。そうではなくて、あのサンダーバードを
子供の頃にワクワクしながら観た
あのままのサンダーバードを
新撮で作ったという、その精神性にこそ、価値があるので、それが理解できる方々だけが観ればいい、そんな作品です。
そんな作品が成立してしまうなんて、サンダーバードって
素敵だ。
なんだかちょっと、羨ましいぜ。
広上淳一指揮「サンダーバード・マーチ」
テンション上がるぜ!