白石和彌監督が『仮面ライダーBLACK SUN』の監督をするということで、どんな感じだろうかと、観てみました。
私は基本、ヤクザものは観ません。性に合わないんですな。例外は『仁義なき戦い』最初の5部作くらいです。
まあこれは、ヤクザ映画というより、堅気の人たちを守るために、ヤクザ以上に怖い人になった刑事の話で、刑事ものの変形だと思えば、面白く観られる、かな。
バイオレンス描写や性的描写はギリギリの節度を守っている感じ。この辺りの印象は人に寄りけりだろうけどね。
観ていて思わず顔が歪んでしまう「痛い」シ―ン多々あり。
そうねえ、「正義と悪の狭間」というテ―マは、割と仮面ライダーにはハマるんじゃないかなという印象。
ただここまでのバイオレンス描写はやらないだろうなと思いつつ、でも仮面ライダーって、実は結構バイオレンスなんですよね。テ―マ的にハマりさえすれば、仮面ライダーにおける暴力的シ―ンはありだなと、
個人的には思います。
それは、『仮面ライダークウガ』によってすでに証明されていると言って良いかも知れない。
わかる人にはわかる(笑)
少し映画の話もしましょうか(笑)。役所広司さんはやっぱり凄いね。怖いようでどこか愛嬌のある、何か憎めない主人公を見事に演じてます。
今や日本映画を支えているのは、役所広司か佐藤浩市かというくらいで、逆に言えばそれだけ層が薄いのかなと。
ちょっと複雑。
松坂桃李はやはり目だね。狂気を孕んだ目の演技がよくハマる。
竹野内豊や中村倫也がヤクザってのはどうだろう?中村倫也は頑張ってたけど、竹野内豊は今一つハマってなかった印象。
ピエール瀧さん演じる右翼団体の長が面白いです。この方は役者としてはホントに良いバイプレーヤーですねえ。
江口洋介はカッコ良すぎ。あんなカッコいいヤクザいるか?ダメだよ。ヤクザに憧れちゃう人が出てくるだろ!?(笑)
中村獅童さんがほんのちょっとしか出てない。贅沢な使い方してます。
ヤクザと警察との付かず離れずの関係は、この国では昔からあること。正義と悪は常に表裏一体。
とはいえ、何か釈然としないものが残る。
そこがこの映画の狙い、かな。
正義と悪の狭間で、綱渡りをしながら庶民のために生きた一人の刑事の物語。これは仮面ライダーにも使えるね。
この監督が撮る仮面ライダーに、期待感。
映画『孤狼の血』なかなか見応えありです。
好き嫌いはあるだろうけど。