リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

コロナによる選挙の延期は許される?

2020-07-31 | 政治
アメリカのトランプ大統領が大統領選の延期を示唆するツイートをし(その権限はないのだが)(BBC 2020-7-31)、自らの支持率が回復するまで延期したいのだろうとの観測を呼んでいる(ABEMA news (YouTube))。他の外国でもコロナで選挙を延期する例があるようだ。
日本はどうか。自公政権はコロナ対策で迷走を続けており、受け皿となる野党さえあればとても選挙を戦える状態ではない。これで来年の東京五輪が(決行にしても中止にしても)混乱を生めば、10月の衆院任期満了に伴う総選挙での与党の苦戦も予想される。だから麻生副総理あたりは今秋に総選挙をすませようなどと発言をしているようだ(Web東奥2020-7-2)。だがさすがに、来年の東京五輪に向けて(もちろん、五輪がなくても)コロナに打ち勝とうと国民が耐え忍んでいるさなかに党利党略の解散総選挙は許されないだろう。
一方、内閣支持率がどん底の状態で任期切れに伴う総選挙をしなければならなくなったとき、安倍首相がコロナを理由に選挙を延期するということは可能なのだろうか。それができるのであれば、安倍首相は法律の期限に縛られることなく、最悪のタイミングを避けて選挙をしかけることができてしまう。
そもそも解散権は首相の都合で自由に行使できる「伝家の宝刀」ではない、という議論がされている(過去ブログ)が、「選挙の延期」は法律的にどうなっているのだろう。

公職選挙法第57条第1項には、「天災その他避けることのできない事故により、投票所において、投票を行うことができないとき、又は更に投票を行う必要があるときは、都道府県の選挙管理委員会…は、更に期日を定めて投票を行わせなければならない。」として繰り延べ投票の規定をしている。過去には台風の影響で投票が延期されたこともあるそうだが、コロナは「その他避けることのできない事故により、投票所において、投票を行うことができないとき」に該当するのだろうか。よほどのパンデミックになれば可能性はあるというくらいらしい(選挙ドットコム)。
そのほか、阪神・淡路大震災(1995)、東日本大震災(2011)などの際には、公職選挙法に規定される選挙期日を変更するための特別措置法が制定されたという(ウィキペディア)。こちらは立法が必要なのでハードルが高いが、行政を私物化する安倍政権なら国会の多数にものを言わせて踏み切らないとも限らない。

政府の延命策とは逆に、野党が延期を望むこともあるかもしれない。コロナの渦中にあって日本でも地方選や補欠選挙は行なわれてきたが、選挙運動が自由にできず不公平だとの指摘もあった。選挙運動ができず、投票の出足も鈍るとなると、組織票をもつ与党が有利になることも考えられる。(3月22日に行なわれた熊本県知事選では、大勝した現職の関係者は「街頭活動ができない中、組織力が効いた」という(西日本新聞2020-3-24)。)

今春の段階では政府は選挙は「不要不急」ではないとして、イベント中止要請などの対象外としていた(asahi.com 2020-4-4など)。よほどのことがない限り、コロナの渦中であっても、選挙は行なうべきだろう。期日前投票を利用すれば、それほど密にならずに投票することもできるはずだ。3密を避けて開票作業の人数を減らすことで時間がかかるようになるが、そもそも即日開票にこだわらなくてもいいのではないか(京都新聞2020-4-17)。
とはいえ、コロナ抑制に失敗して大流行となり、ワクチンもできていなかったとすれば、延期も考えなければならなくなる可能性はある。事態が切迫していない今のうちに、どのような場合に選挙の延期が認められるか、与野党で話し合っておく必要があるのではないか。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自公政権迷走の今、野党の不... | トップ | 人気スマホアプリが、不許可... »
最新の画像もっと見る

政治」カテゴリの最新記事