リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

攻撃されて記述を変える教科書,変えない教科書

2017-08-25 | 政治
8月19日に続いて教科書問題を取り上げる.
8月23日の朝日新聞神奈川版に「来年度教科書採択」の記事があった.気になったのは実教出版の「高校日本史B」.国旗掲揚や国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との記述があったことから2013年,採択を希望した高校に県教委が再考させたというものだ.来年度では8校で採択になったというが,県教委に問題視された記述がなくなっていたという.
「つくる会」系の教科書はどんな「激しい不採択運動」があっても改めないのに,国旗・国歌が一部の教育現場で強制されていることに触れた教科書は検定に通っても県教委の営業妨害に遭い,あっさり記述をなくしてしまう.この違いは何なのだろう.
私の個人的な印象論になってしまうが,やはり「つくる会」系の教科書は確固たるイデオロギーの基づいて作られているからどんなに批判されようと主張を変えない.一方,第二次大戦での日本の加害責任や内心の自由を侵そうとする近年の動きに警鐘を鳴らそうとする人は単に良心に基づいてやっているので,戦ってまで記述を守ろうとはしない.もちろんそうした記述をかたくなに守ってくれている教科書もあるのだろうけど,攻撃すれば良心的な記述ばかりがどんどん消えていくのではないかと気がかりでならない.

追記:12月1日の朝日新聞を見てはっとしたのだが,「つくる会」系の教科書は採択されなくても,一連の騒動のおかげで従軍慰安婦に関する記述がなくなるなど,実際に教科書を変えている.トラブルになりたくない教科書会社の事情はわかるが,彼らは「大きな成果」を上げているのだ.
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