リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

北朝鮮のおかげで息を吹き返した安倍首相

2017-09-15 | 政治
安倍政権の支持率が持ち直していることを9月14日の朝刊社説で知った(朝日新聞).都議選(7月3日のブログ)前の支持率急落は森友学園・加計学園でのスキャンダルが原因らしいから,野党が6月から要求している臨時国会召集を,憲法が招集しなければならないと規定しつつも期限を定めていないのをいいことに拒み続けているのが奏功しているのではないか.ほとぼりが冷めれば忘れてしまう国民も問題だが.
そしてもちろん,批判の受け皿どころか政党の体すらなしていないのではないかと思われる民主党の惨状も自民党を利している(9月15日の朝日新聞社説).7月28日のブログで書いたコアな民主党員で再出発する再編が進んでいるならいいが,どうもそうは思えない.
そして緊張の度を増す北朝鮮情勢.今朝もミサイルが発射され,鉄道が一時運転を見合わせるなど,生活にも影響が出ている.内政で批判が高まると外敵を作って国民の気をそらすというのは為政者の常套手段だが,安倍政権がわざわざ動くまでもなく,北朝鮮のほうが勝手に悪役を演じている.冒頭で紹介した社説でも指摘されているように,安倍首相が都議選での惨敗後に「スケジュールありきではない」と後退させた改憲も,支持率が持ち直したことで持ち出している.6月28日のブログで書いたように,私自身は軍備に関してはとっくに持論を捨てて「リベラルくずれ」となっているが,ミサイル危機が現実的になると「先制攻撃してミサイル基地をたたけない憲法はおかしい」という論調に反論しにくくなる.自民党が目指す憲法改正は自衛隊だけではなく国民主権という現行憲法の大原則を大きく後退させるものだ.北朝鮮は危機をあおることで,日本の平和・民主主義を破壊する動きに力を貸していることになる.(日本が先制攻撃も辞さないようになるのは,北朝鮮にとっても得にはならないはずだ.)
北朝鮮のミサイルの脅威が杞憂だと言うことはできない(9月9日のブログにも関連記事を書いた).警戒や警報はある程度必要だろう.だが必要以上に危機をあおって改憲に向けて利用する動きが出ないよう,そちらにも警戒したい.

(追記)朝日新聞9月16日にはもう少し詳しい記事があった.やはり自民党関係者も,臨時国会召集を遅らせてきたことに関し,「今は内閣支持率が上がり始めており,『しっかり北朝鮮対応していますよ』と見せることが大切だ」と指摘しているという.自民党には「国会を閉じておけば,支持率は上がるもんだ」との声もあるという.
朝日新聞9月19日には,閣僚経験者が「選挙期間中に弾道ミサイルが発射されれば、『自民党頑張れ』の世論になるのではないか」と語ったことを紹介している.

我々国民も,国民の声をひたすら無視して時間がたつのを待つ安倍政権の姿勢の問題点を忘れないと同時に,北朝鮮に関する報道に必要以上に惑わされることのないようにしたい.
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