リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

共産党へ:「消費増税反対」は時代遅れで無責任だ

2019-01-23 | 政治
街中のポスターで共産党は消費10%への増税反対を前面に打ち出している。これを見て10年前、いや20年前のポスターかと思った。ブレないことが売りの共産党は、大企業優先の自民党とその尻馬に乗る公明党という与党のもとで一定の意義がある。消費税は低所得者に負担が偏る逆進性があるという問題もある。ではあるが、今の時代、消費増税反対は無責任と言わざるを得ない。(公平のために言っておくと、増税反対は与野党問わず他党も同様で、安倍首相も何か口実をみつけて増税を延期するのではないかと危惧されている。だが負担増を先延ばしにしては先進国最悪の財政を抱える日本は持続できないという認識があるから、民主党政権時代に当時野党だった自民党も含めて、消費税を政争の具にせず、着実に引き上げることに合意したことを忘れてはならない。)
遅まきながら共産党のホームページを見てみたが、消費増税に頼らずに税収増を目指す政策が多数並べられていた(2016年のものだが)。グローバル化した現在では、やりすぎて企業や資産に海外逃避されないよう加減する必要はあるが、方向性としてはおおむね共感できる。
だが、これらの施策は消費増税の代わりにではなく、消費増税しつつ行なうべきだ。日本の借金漬けの財政はそこまでしないと立ち行かない状況になっていると思う。
そして共産党には(そして他党にも国民にも)大きな問題は支出にあるということを認識してほしい。消費増税による景気の落ち込みを防ぐために政府はさまざまな施策を講じるようだが、その内容には単なるばらまきや、本来別の予算ですべきことの付け替えにすぎないような内容が多い。あきれたことに、そうした対策費は5.5兆円で、消費増税による国民の負担増5.2兆円を上回るという(朝日新聞2018-1-22)。1回限りの施策が終われば収支はプラスになるというのが財務省の表向きの見解らしいが、記事は、財務省は「悲願の10%」を実現するために大盤振る舞いを認めたのではないかと推測する。官邸が人事を支配する現状では官僚は政府に意見することができなくなっており、大いにありそうなことだ。だとすると「次年度にはポイント還元などは終わるからプラスになる」というのを確実にするためにしっかり監視してかなければならない。

共産党は(他党も)、人気取りのために増税反対を言うのではやめて、持続可能な財政に向けた提言を行ってほしい。

追記:低所得者にきつい消費税よりも大企業や高所得者からしっかり税金を取ろうという共産党の方針はまっとうだとは思いつつ、やりすぎると海外に逃げられてしまうから加減が必要であることは上記でも書いた。だが、京都大学大学院教授の諸富徹氏の談話(朝日新聞2019-1-25)の談話を読んで、「加減」では甘いかもしれないと思うようになった。法人税や高所得者の所得税が下げられて課税の公平さが犠牲になるというのはグローバル化で国どうしの成長競争が激しくなったことによる構造変化だという。つまり、外国に逃げられるよりはましということで法人税や高所得者の所得税を下げる一方、逃げられる心配のない部分、つまり消費税や社会保険料は値上げされたという。こう聞けば、たしかに共産党のような施策は「公正」ではあるのだが、実施する余地は非常に小さいと思えてくる。
八方ふさがりのように思えてくるが、氏はグローバルタックスに希望を見出している。経済活動が国境を超えるなら、外国為替取引や金融商品の国際売買にグローバルタックスを取り入れようというものだ。フランスや韓国ですでに実施されているという。正直、中身は私にはよくわからないが、まっとうな提言に思われる。EUでは金融取引への課税が関係業界の反対で頓挫したというが、ぜひ積極的に考えてほしい。



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