リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

陸上イージス中止の違約金は?

2020-06-26 | 政治
河野太郎防衛相の主導で陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画が中止になった。イージス・アショア2基に要因の教育訓練経費、30年分の維持・運用費を合わせて4500億円程度と見積もられた費用のうち、1787億円はすでにアメリカ側と契約済みで、196億円はすでに支払ったという(朝日新聞2020-6-23asahi.com)。
だが契約済みのものを発注国の事情で中止にするとなると、違約金が発生する可能性があり、これから米側と交渉するという。「すでに米企業が製造に向けて使っているコストや、米政府の中で配備に向けて支払っている事務費は、当然負担しなければならない」のはやむをえないとして、どのくらい上乗せされるのか。河野氏はトランプ大統領が大幅増額を求めている在日米軍の駐留経費負担の交渉に悪い影響を及ぼすことはないとの考えだが、慎重かつ毅然とした交渉姿勢が望まれる。

契約したあとに中止にするというのはもちろん日本側に非があるわけだが、そもそもイージス・アショアは防衛を担う現場から必要だと言われたものではなく、官邸からトップダウンで導入が決まったという経緯がある(朝日新聞2020-6-25)。根底にある問題は、現場の声を聞かずに勝手に「政治決断」し、その決断もしばしばトランプ大統領にへつらうような方向に決めてしまう安倍首相の態度だ。

追記:原子力潜水艦の保有を目指すオーストラリアはフランスと7.2兆円規模の潜水艦建造計画を結んでいたのだが、米英豪による新たな安全保障枠組みAUKUSを立ち上げるに伴い破棄した(朝日新聞2021-9-20)。当然フランスは怒って米豪駐在大使を召還した。結んだ契約を軽々に破棄することは許されないが、こういう事例もあることを念頭に、どのような場合ならやむをえないと言えるのか、その後の外交関係に致命的な傷を残さずに済むためにはどう立ち回ればよいかを検討しておくべきだ。



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