リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

レジ袋って海洋汚染になっていたの? 海のプラごみはどこから?

2020-06-25 | 一般
プラスチック製のレジ袋が7月から原則として有料になり(朝日新聞2020-6-24)、エコバッグ持参が推奨されている。原則として、というのは、厚さ0.05ミリ以上で繰り返し使える袋や植物由来のバイオマス素材を25%以上含む袋ならこれまで通り無料で配布してもいいことになっているからだ。
これまで本格的にできなかったレジ袋削減を実現するために、利用者に不便をかけてまでレジ袋有料化を義務付けるのは、プラスチックごみによる海洋汚染が深刻だからだ。プラスチックは自然界で分解されにくく、それが利点でもあるのだが、海の生き物に飲み込まれたり、体に絡まったりすると生態系への脅威にもなる。だからプラスチックが海に流れ込むのは避けなければならない。

それはわかるが、なぜレジ袋なの?という疑問はある。年900万トンとされる国内の廃プラのうちレジ袋の割合は数%だそうだ。レジ袋削減は、手始めとして妥当ではあっても、それだけでは大した効果はないのは明らかだ。

だがそもそも、レジ袋がなぜ海洋ごみになるのだろう。レジ袋でなくても、プラスチックは包装容器ならリサイクルされるルートがまがりなりにもできており、リサイクルできないものは焼却または埋め立てされる(焼却すれば二酸化炭素を出すが、それはまた別の問題)。自分が捨てているレジ袋を含むプラスチックが、海洋ごみになっているとは思えない。(ちなみに、私はレジ袋はゴミ袋などとしてすべて有効活用している。)
だがその一方、町や川を見ていると、プラスチックを含むごみが散乱しているのをよく見かけることも事実だ。ビーチでも遊んだ後にごみを残していく人たちがいる。海にプラごみがあるというのは、そうしたごみが行きついたものなのだろうか。だとしたら、レジ袋をどうこうする以前に、町やビーチにごみをポイ捨てする習慣(?)を何とかしなければ何の解決にもならない。
日本は「民度」が高いと言って顰蹙を買った副総理がいたが、街中のごみを見ていると、決して民度が高いとは思えない。(日本の通りは諸外国に比べてきれいだと聞くが、これでも諸外国に比べてプラごみが少ないのだろうか?)

関連記事:
「プラごみ:分別の努力が無駄にならないよう「中間処理」の都合も考えたガイドがほしい」

追記:生態系に及ぼす影響の大きい5mm以下のマイクロプラスチックについて、相模湾の調査では、外洋からではなく川からくるものが多いことがわかってきた。海岸で見つかるのはポイ捨てされたペットボトルなどのほか、ビーズクッションの中身や人工芝の破片などもあり、必ずしもポイ捨てされなくても海洋ごみとなっていることがわかる(かながわ県のたよりNo.783)。なぜビーズクッションや人工芝が海洋ごみになるのか(不法投棄なのか、生活ごみがカラスに荒らされて飛び散ったのか、使用中に風化した人工芝が飛散したのか、など)、海洋ごみになる経路をもっと具体的に調べる必要がありそうだ。

追記2:マイクロプラスチックは日常生活から出ているという(朝日新聞2020-9-3夕刊)。合成繊維の服などから出る繊維くずや、スポンジやゴムタイヤの摩耗、ベランダや庭のプラスチック製品の紫外線による劣化などでマイクロプラスチックが発生する。都内の生活排水1リットル当たり420個のマイクロプラスチックがみつかったという調査もある。目の細かい洗濯ネットを使えば流出を防げるというし、下水処理で9割以上が除去されるが、大雨の時に排水が処理されずに放流されることもある。だがそもそも下水に流れず、大気中をただようマイクロプラスチックも確認されている。こう聞くとやはり生活からプラスチック製品を減らしていくのが大切だというのはよくわかる。(今回の記事も、ごみ袋がカラスが破いて散乱することにも触れられているが、やはりレジ袋がマイクロプラスチックの主因ではないのではないか。)



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