リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

PTA全国協議会から退会の動きに、PTA上部組織の意義を考え直すべきでは

2022-06-18 | 一般
京都市のPTA連絡協議会(京都市P連)が全国組織である日本PTA全国協議会(日P)から退会する話が出ていたが、理事会(40人)の反対(30)多数で否決された(朝日新聞2022-5-12)。上部団体への財政的な負担や活動の負担が重い一方で、現場の声が届いていないということが理由で退会の動きが出ていたらしい(asahi.com 2022-5-9)。
東京都小学校PTA協議会(都小P)では、日本PTA全国協議会(日P)から退会する案が理事会(出席12人)の賛成を得、総会に諮ることになった(朝日新聞2022-6-17)。会員から集める会費約180万円のうち半分を日Pに納めているのに、日Pには「会員の声を吸い上げたり、会員同士の交流を育んだりという意図があまり感じられない」ため意義が見いだせないという。退会すれば当然一部の業務はできなくなるが、会員への影響は少ないとみているという。

長年PTA活動の負担が語られ、PTA活動のスリム化が必要とされているが、上から降りてくる仕事がネックになるという話は聞いたことがある(過去ブログの追記2)。今回の2件は、その「上」がまたその上から離脱するという話だ。
退会しても会員への影響は少ないとしたら、やはりそもそも毎年大金を収めている日Pとはなんなのだろうというところを問い直すべきではないか。たとえば教員の長時間労働やそれと表裏一体の教員不足が問題になっているが、日Pがそういう問題を扱う場でもないような気がする。何のための全国組織なのだろうか。

ところで本筋からは外れるが、PTAには政治的な側面はないのだろうか。私はPTAで「賭け事はいけません」のようなことを子供に啓発することをやってほしいと思っていたが(思っていただけ)、カジノを推進する自公政権からは政治的と思われるのだろうか。PTAではなかったと思うが、つい先日、神奈川県立高校で菅前首相の講演会がとりやめになった(asahi.com)。PTA主催の講演会で政治的な話が出る場合もあるのではないか。PTAが、政府の宣伝や政府による国民統制に利用されているという側面はないのだろうか。(逆に、主権者教育のようなことが政府からにらまれている、というような背景はないのだろうか。)

追記:岡山県の県P連(県PTA連合会)が今年度いっぱいで解散することになった。加盟している県内のPTAの脱退が相次ぎ、運営費が賄えなくなったためという。(朝日新聞2024-9-4
都道府県レベルでの解散は初めてのことだというが、記事によれば、これまでも市町村単位で都道府県レベルのPTA連合会・協議会やその上の日本PTA全国協議会(日P)から退会する例は多々あったようだ。
やはり、少なくとも保護者の立場からすると、PTAはそもそも役員の分担など負担が大きいが、特にその大きな部分を占める上部組織との関係はメリットがほとんどないということなのだろう。これまで何度も指摘されているが、ピラミッド式に上部組織とつながっていても、決して保護者の要望を行政に伝える回路にはなっていないので、保護者の側からすれば余計なものでしかないのだろう。
地域の保護者が横のつながりをもつ場でもある学校単位のPTAはともかく、その上部組織はなくてもいいという認識が広がれば、同様の動きは今後も加速するのではないだろうか。


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