リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

札幌五輪招致は道民意向調査でノーを!

2021-12-01 | 一般
30年の冬季五輪招致に向けて動いている札幌市が今年度内に北海道民の意向調査をするという報道(朝日新聞2021-11-30)で、「意思表示するなら今」という見出しにおやと思った。「傍観していたら、来年にも札幌に決まりかねない」という本文と合わせて考えると、招致反対の旗幟を鮮明にしているように読める。コロナ下での東京五輪に向けてのごたごたが続いた時期には、朝日新聞などメディアは、「開催ありき」の姿勢などを批判しながらも、オリンピックに対する賛否を明確にしていないとの批判されていたものだ(過去ブログ)。東京五輪でIOCの金権体質や、開催都市に圧倒的に不利な契約条項がはっきりしたことでさすがに考えを改めたのだろうか。

新聞社の意見はさておき、市はこのたび発表した開催概要案で費用節減を強調しているが、もともと市の財政は厳しい。市債残高は2020年度は過去最高の1兆987年にも上ったという。IOCは赤字になった場合は全額を地元(無理なら日本政府)で穴埋めすることを求めてくる。オリンピック開催にかかる費用は、招致時より膨れ上がるのがめずらしくないから(東京五輪の場合、立候補時点では7000億円強とされたのが、コロナ禍に伴う3000億円ほどの負担を引いても、約1兆3000億円になった)、へたをすると財政破綻して札幌が「第二の夕張」になることもありうるのではないか。
1972年の札幌大会では、まだ高度成長期とあって地下鉄などのインフラ整備が市民に歓迎されたという。だが今や少子高齢化で低成長の時代だ。市財政も厳しい。市が負担できない赤字は国が埋めることになるが、その国は先進国最悪の財政事情だ。欲得ずくのオリンピックに莫大な公費を投じるのはいい加減終わりにしたらどうか。

今回の道民への意識調査は承知の是非を決めるものではないというが、はっきりとNOの意思表示をすれば、招致へのブレーキになるはずだ。北海道の方々には、悔いのないようしっかり意思表示をしてほしい。

関連記事:
「30年札幌五輪招致:トップの手打ちによる即決に警戒を!」
「コロナが不可抗力でも五輪中止の責任を日本がかぶらされる不平等な開催都市契約」
「IOCがオリンピックの赤字を負担しなければ札幌五輪は願い下げだ」

追記:朝日社説2021-12-2は「足を止め市民と熟議を」とは言うものの、今のIOCとはやってられないという感じが歴然としている。「コロナに苦しむ人々をしり目に、IOCの有力委員は「アルマゲドン(世界最終戦争)でもない限り大会は実施」と発言。赤字を開催地に押しつける一方で、放映権料を支払う米テレビ局やスポンサーへの配慮から、式典の簡素化などの提案を一蹴したのも記憶に新しい。」

追記2:鈴木直文教授は、IOCのバッハ会長が(全世界で多くの人が視聴したから)「東京五輪は大成功」と総括したことを引き合いに、無観客の開催でも大成功なら、開催地の重荷になる競技場建設などせず今後も無観客でいいと指摘する(朝日新聞2021-12-17)。たしかに、これが「東京大会の意図せざるレガシー」かもしれない。開発業者や利益団体のために新しいものを作ったりせず開催する道があればいいが、「『投資だ』『レガシーだ』などと言い始めたら、そこにはうそが紛れ込む」との指摘に共感。

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