リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

消費増税に伴う消費者向け財政支出はどこまで許されるか

2018-10-14 | 政治
消費税率を10%に上げることが来年10月に予定されている.消費増税をめぐっては,景気を冷やすからと消極論も根強い.5%から8%への税率アップについては,安倍首相は経済にブレーキがかかったから「大失敗」との認識だという.私は財政再建のために消費増税は不可欠だと考えているが,反対派が「元も子もない」というほど景気を冷やすのかどうかは真剣に検証する必要があると思っている.このことは過去ブログの付記で宿題としていたのだが,朝日新聞2018-10-12が大いに参考になった.
前回の消費増税直前の2014年1~3月期には駆け込み需要のため国内の個人消費が実質ベースで約299兆円になったが,消費増税直後の4~6月期には約285兆円に落ち込んだ.これが駆け込み前の水準に戻るには3年かかり,景気の低迷が長引いたという.財政再建派の朝日新聞がこう書くくらいだから,消費増税で経済にブレーキがかかった,という首相の認識は正しいのだろう.問題は,「だから消費増税は失敗だった」のか,「財政再建のために必要な痛み」だったのかだ.私の素人考えでは,3年で回復して恒久的な財源も確保できたのなら,やはり正しい選択だったと思うがどうなのだろう.

来年の消費増税に向けて,政府は増税前の駆け込み消費と増税後の反動減を抑える「平準化」のため,消費者支援策を検討しているという.
前回は対策として5.5兆円も出したのに「大失敗」に終わった.やはり対策が公共事業中心で個人消費増につながらなかったことが原因らしい.
今回はどうか.まず,増税幅が前回より小さい2%であり,飲食料品や新聞には軽減税率が適用される.また,増税による増収5兆円の約半分は消費者向けに支出されることもあって,一般家計の負担は前回の4分の1程度とされている.
だが与党では,来夏の参院選の都合で「20兆~30兆の大型対策が必要」という声が出ているという.5兆円の増収(しかもその半分は財政再建ではなく,幼児教育無償化のような人気取り政策に使われてしまう)のために20兆~30兆の対策を打つというのはどうなのだろう.もちろん,上記と同様,恒久財源を得るために増税年だけ消費者対策を行なうというのはわからないではない.ただ,もともと財政再建のための消費増税であったことを忘れず,前回のように効果のない大盤振る舞いであってはならない.くれぐれも選挙向けの人気取り政策が並ぶことのないようにしてもらいたい.


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