リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

沖縄基地問題:共産党は現実的な枠組みでの「一歩前進」を否定するな

2018-10-15 | 政治
東京の小金井市議会で9月25日,普天間飛行場の辺野古移転問題に関する市民の陳情が採択された.普天間の代わりとなる基地が国内に必要かどうか「国民的議論」を行なった上で,必要であれば代替地を民主的手続きで決定しようという意見書を衆参両院議長や首相に提出するというものだ.定数24の市議会で,自民会派など6人が反対,公明会派4人が退席するなか,共産会派など13人が賛成して陳情は採択されたという.(朝日新聞2018-10-14
これを読んだとき,やはり共産党が地方で元気だと,国の横暴にブレーキをかけられるからいいかもと思ったものだ.

だが意見書を正式に市議会に諮る前に,共産市議は意見書に賛成できないと陳情提出者に伝えてきた.「全国のすべての自治体を等しく候補地とすること」などの文言があったため,「党の態度は在日米軍基地の全面撤去.国内に米軍基地をつくることを容認しているとの誤解を与える」などとして陳情に賛成したのが間違いだったというのだ.

共産党が日米安保条約を破棄してアメリカとは友好条約を結びなおすことを目指していることはなんとなく知っていたが,当面は安保条約の枠内でベストを尽くすのが当然だと思っていたから,このたびの共産党の対応には驚いた.日本共産党のホームページを見ると「沖縄県民の総意を踏みにじる米軍基地押しつけに反対し、基地のない平和な沖縄、基地のない日本をめざします」などと書いてあるが,「基地のない日本」の実現に至るまでの過程で沖縄の負担を少しでも本土で引き受けようという発想は全くないということだ.私自身,本土のどこならいいという具体案を持っているわけではないが,このたびの意見書案はそれを真摯に検討しようという,至極まっとうなものだったと思う.

「基地のない日本」を理想に掲げるのはいいが,その理想から一歩も譲らないという「オールオアナッシング」は政治ではない.私はこれまで,野党共闘で共産党を外そうとする動きはよくないと思っていたが,共産党がこういう態度を取るのであれば,それが共闘の障害になるということもありそうな気がしてきた.
公明党のように理想も何もかなぐり捨てて政権にしがみつくのがいいとは決して思わない.公明党の惨状を見ていると「ブレない」共産党は筋が通っていると思っていた.だが,複雑な政治で100%思い通りというわけにはいかないだろう.(仮に政権を取ったら,野党と妥協せずに100%思い通りの政治をするつもりなのだろうか.だとしたら安倍首相と同じではないか.)
現実的な選択肢のなかで他者と折り合ってベストな妥協点を探すというのも政治には必要なことであるはずだ.共産党には,よく考えてほしい.


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