リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

沖縄の声を聞かない対米従属では北方領土交渉も相手にされない

2019-01-12 | 政治
北方領土の返還交渉でロシアのプーチン大統領は、返還された北方領土に米軍基地が置かれるのではないかと懸念している。日本の領土のどこを米軍に提供しようとロシアに指図されるいわれはないのであるが、みすみす自国の目と鼻の先に米軍基地を置かせるような妥協はできないというロシアの立場もわかる。その際、プーチン大統領は「日本がこの問題でどの程度主権を持っているのか分からない」と、「主権」という言葉を使っていた。
プーチン大統領の懸念は、日米地位協定でアメリカが日本国内に基地を置くことを要求できると規定されていることが背景になっている。沖縄の辺野古問題で県民の度重なる反対の意思表示にも一向に耳を傾けようとしない政府を見ていると、アメリカから要求されたときに日本が断れるとは到底思えない。日本の領土を米軍に提供することにロシアが口出しすべきでないのはもちろんだが、それこそアメリカだって日本の判断を尊重すべきだ。それをアメリカに主張できないようでは日本の国家の「主権」が危ぶまれる。
今日の朝刊で初めて知ったのだが、プーチン大統領は「主権」に言及したとき、やはり沖縄問題を意識していたらしい。上記に続けて「知事が反対しているが、何もできない。人々が撤去を求めているのに、基地は強化される」と述べたそうだ(朝日新聞2019-1-12)。安倍首相は当時、なぜ即座に「アメリカが要求しても、日本は要求を拒否する」と明言しなかったのだろう。そう断言すればいいのにと指摘するコメントを以前読んだことがある。
だが矢部宏治氏によれば、アメリカの基地要求に対して日本は合理的理由なしに拒否できないことになっているという。つまりロシアに対して日本が「北方領土に米軍基地は置かせないから安心してくれ」とは断言できないことになる。これでは二島だろうが四島だろうが交渉にならないではないか。
「合理的理由」というのがどのくらいまで認められるのか外交の相場がわからないが、やはり歴代政権の対米従属はひどすぎるのではないだろうか。安倍首相ら右派は敗戦を引きずっている憲法を変えたいようだが、それ以前にこういう隷属的な日米地位協定をなんとかすべきではないか。

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