リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

中国人の対日印象好転は大国の自信ゆえか

2019-01-04 | 政治
日中共同の世論調査で、日本に好印象をもつ中国人が、2005年の調査以来初めて4割を超えた(朝日新聞2018-12-13)。尖閣諸島問題で冷え切ったころのことを思うと、わずか数年でよくぞここまでという気がする。
やはり日本のキャラクターが好きだとか(アニメや漫画が海外でも人気なのは知られているが、ベネッセの通信教育のキャラクター「しまじろう」も「巧虎」として知られているらしい)、ネットを通じて親近感をもったとか、旅行などで日本を訪れてホテルのきめ細かなサービスに感激したなどといったことが要因らしい。
ただ、ネットでは反日感情は根強く、2018年10月に安倍首相が訪中したときも、反発する声が見られたという。中国に限らず、ネット上では過激な意見が注目を浴びやすいので割り引いて考える必要はあるが、それでも日本に反発する層があるのは事実だろう。ただ、旅行やネットで実際の日本に触れることで、戦争の記憶を乗り越えられている。中国の識者は、中国の人々は、発展した中国の「大国の自信」から、文化的にも経済的にも成熟した社会を実現した日本から学ぶべきことは多いと感じて日本を知ろうとしていると語る。それはそうなのかもしれないが、これは日本人記者に対してちょっと遠慮した言い方ではないだろうか。
大国となった中国にとって、もはや日本は脅威ではなくなった。相手が脅威にならず、自分のほうが上と感じられれば反発する気もなくなるというものだ。私自身、間違いなく日本が優位であった2000年代はじめまでは特に中国に反感はもっておらず、むしろアメリカ一辺倒ではなく中国とも友好関係を築く外交をしてほしいと思っていたくらいだが、中国を脅威に感じる今では警戒感が先に立ってしまう。
「大国の自信」から中国人が日本に好感をもってくれるのはうれしいのだが、その背景を考えると、複雑な思いになる。


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