リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

共謀罪施行1年:暴走させない取り組みを

2018-07-11 | 政治
犯罪を準備段階で処罰できる「共謀罪」法が施行されて1年になる.その間,適用件数は0件だったという(朝日新聞2018-7-11).与党が「テロ対策に不可欠」と言っていたわりには拍子抜けだが,与党に批判的な団体の弾圧に使われないかどうか,引き続き監視が必要だ.

記事ではこれに関連して,捜査当局が通信事業者に情報提供を求める問題を指摘している.「共謀罪」を隠れみのに,市民団体などの通話やメールが監視されるおそれがある.欧米では,通信事業者は捜査機関に開示した情報に関する「透明性リポート」を公表することが定着しているが,日本の事業者の取り組みは遅れているという.そんななか,通信アプリ大手のLINEはリポートの公表を始めており,2017年下半期では,捜査機関からの要請1232件に対し,裁判所の令状があった942件について開示したという.
「共謀罪」の話は措くとしても,捜査機関が通信事業者に情報の開示を求める事例がこれだけあるということはもっと知られてもいい.裁判所の令状なしでの要求も半年で300件近くあるというのは驚きだ.件数が公表されたところで濫用を完全に防ぐことはできないにしても,最低限,このような透明性リポートは日本でも普及してほしい.

国民が飽きっぽいせいか,最近は森友・加計問題にしても,カジノ批判にしても,世論調査をすれば反対があるのに,体感温度的に与党批判は盛り上がりに欠ける.今日も自民党都合の選挙制度改革が参院を通過したらしい.進行中のことも,法律として成立してしまったことも,国民がきちっと見張り続けることが自由と民主主義を守る最後の砦になる.

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