リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「賃料保証」:契約書に基づく「うまい話」の落とし穴

2018-07-16 | 一般
「うまい話には裏がある」なんてことはわかっていても,きちんと契約書に「うまい」条件が書かれていれば大丈夫――自己資金もないのにスルガ銀行から巨額の融資を受けてシェアハウス「かぼちゃの馬車」に投資したサラリーマンたちはそういう思いだったのだろう.アパート・マンション経営では入居者がみつからなければ賃料がはいらず,場合によっては賃料を下げなければならないというリスクがある.だが「30年間賃料保証」という契約を不動産会社ときちっと交わすのであればその心配もない,1億円の融資を受けたとしても返済は可能,という計算もありうる.だがそんな契約書の裏付けのある「うまい話」にも落とし穴があった.
入居者がいなくて賃料がはいらなくてもシェアハウスのオーナーには賃料が保証されるということは,不動産会社がその損をかぶるということだ.「かぼちゃの馬車」の場合,入居率が低迷したことで不動産会社スマートデイズの事業が行き詰まり,今年4月には倒産した.「うまい話」に乗ってシェアハウスのオーナーになった人たちには毎月数十万~100万円超の返済が残り,自己破産する人も出ているという.
契約書の上ではたしかに「うまい話」であっても,どこかに無理がある.その無理が破綻となったとき,契約書はもはや紙切れでしかない.

追記:最近スマートデイズとスルガ銀行の関連で注目されたが,朝日新聞2018-7-26によればこのような「サブリースリスク」をかかえたサブリース契約は1990年代からあるらしい.

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