リベラルくずれの繰り言

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カジノ法:ただ審議時間を積み上げれば採決していいのか

2018-07-17 | 政治
自民党・公明党は今国会での「カジノ法」の成立を狙っている.与党は「審議時間が十分確保できた」として今週中にも採決をするつもりらしい(asahi.com).だが与党がよく言うこの「審議時間が十分確保できた」とは不可解だ.野党の質問をはぐらかし続けて審議時間を稼げば強行採決していいと思っているのだろうか.

カジノ法をめぐっては,そもそも「世界中から観光客を集める」という安倍首相のうたい文句には何の根拠もなく,むしろ誘致自治体の試算では日本人客が大半になることが予想されている.経済効果も政府としては試算を出していないなど,根本的な点で疑問が出されている.最近では与党の関係者がアメリカの業者から金を受け取っていたことも発覚し,アメリカ資本が日本人を食い物にするという構図も危惧されている.カジノで身代を持ち崩す人が続出しないよう,規模の制限や依存症対策も必須だが,その点の議論も不十分だ.

あたりまえのことだが,採決にあたってはこれらの疑問点について与野党が真摯に意見を交わすことが最低限必須と思うのだが,政府は「対策は万全」の一点張りのようだ.アリバイとして審議時間だけかせいで強行採決にもちこむことは許されない.

追記:朝日新聞2018-7-19でも審議時間の目安が紹介されていた.参院は衆院の半分ほどの人数だが,衆院の審議時間の半分ではあんまりなので「七掛け」「八掛け」あたりが相場になっているという.だが話し合うべき論点が山積しているときに時間だけ積み上がったから終わりにしていいというものではない.


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関連リンク:
日本弁護士連合会「カジノ解禁に反対するQ&A」(pdf)

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