リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

東京五輪は「無観客」開催が妥当な落着ではないか

2021-01-23 | 一般
安倍首相が2年ではなく1年の延期で「完全」実施できると言い切った東京五輪(過去ブログの追記2)。だが欧米はワクチン接種が始まっても新型コロナの勢いは衰えず、日本でも感染者が急増している。ワクチン接種も始まりそうだが、夏までに集団免疫を達成できる見通しは立っていない。
私は東京五輪は中止がベストだと思っているが(「オリンピック中止の費用「4.5兆円」は単に「経済効果がない」という意味だった!」)、アスリートの気持ちを持ち出されるとなんとかならないか、という気持ちはある。だがあの羽生結弦選手も冬の北京五輪について尋ねられたとき、開催してもらいたい、優勝したいという気持ちはあるとした上で、東京オリンピックすら開催できていないときに「僕個人としては最終目標であるオリンピックを考えてはいけないっていうリミッターがかかっています。だから僕が出る、出ないとか、それまで現役を続けるのか続けないのか、そういう感じじゃなくて、そもそもそこに向けてはシャットダウンしているっていうイメージの方が強いです」と自制的に話している(YAHOO!ニュース 2020-12-26)。アスリートのためには舞台を用意したいが、外国人の流入で感染爆発などということはあってはならない(もちろん、東京で猛威を振るうコロナを外国人に持ち帰らせることも)。
公衆衛生とアスリートの心情の両方(そして妥当なコスト)を考えたとき、過去ブログの追記4でも書いたが、東京オリンピックは無観客で開催してしまうのが落着点ではないだろうか。外国で新型コロナの変異種が出ていることは気がかりだが、そのあたりは厳格な管理態勢を敷けば、選手だけの入国くらいはなんとか実現できる可能性があるのではないか(政府やIOCは観客を入れることもまだ本気で考えているくらいだから)。
東京医師会の会長は「無観客で開催できるかどうかを検討すべきだ」と述べた(朝日新聞2021-1-22)。観客がいたほうがいいのはもちろんだが、この1年でスポーツ競技の無観客開催の事例は数多くある。オリンピックだってできるはずだ。(日本人の観客のみ入れる、という選択肢もあるが、国際的に許されないだろう。)
開催が7月だからといって初夏まで様子を見るということは許されまい。混乱を避けるためにも3月くらいには結論を出しておくべきだろう(参考)。今の緊急事態宣言で事態が劇的に改善されなければ、やはり東京オリンピックは中止か無観客の2択で考えるべきだろう。政権浮揚に政治利用するための「完全開催」は許されない。

追記:朝日新聞の世論調査(朝日新聞2021-1-25)によれば、東京オリンピックを「今夏に開催」としたのは11%、中止が35%、再延期が51%だった。70歳以上では中止43%が再延期39%を上回ったという。膨大な手間と費用がかかる再延期にこれほどに支持があるのに驚いたが、「3択」の選択肢が間違っていたのではないか。「今夏」はたったの1割だが、「無観客」という選択肢を入れれば結果は変わるはずだ。


関連記事:
「札幌オリンピック招致は、IOCに東京五輪の費用負担を求める交渉材料に!」

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