再読のための覚え書き
火の鳥
伊藤整(1905-1969)
生島エミは、所属する劇団・薔薇座の美貌の俳優。男性遍歴を重ねながら、俳優としての、女性としての自由を求めて生きてゆく。
「自分たちは何でもないただの素人の男と女でしかないのかも知れない。 ただこの仲間の間でだけ俳優であり、仲間の間でだけ自分のしていることを芸術だと思い込み、それを何も分らない批評家や、芸が分っていると自惚れている素人たちに、押しつけているのではないかしら。」
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舞台俳優としてのエミを通して、芸というもの、演じるということ、更には組織と個人の関係について語られてゆく。
エミの一人称で書かれ、感性鋭く濃密な心情描写の連なりに圧倒された。
2021.10.23読了
火の鳥
新潮文庫
昭和33年8月30日初版発行
昭和35年6月30日4刷
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