勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

The Bourne Identity

2004-04-25 | 映画のお喋り
「ボーン・アイデンティティー」 2002年作品・アメリカ
 監督:ダグ・リーマン
 出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ

「グッドウィルハンティング」から、どうも見たい映画に出演してくれないマット。
盟友ベン・アフレックの出世ぶりと比べると、なんだか見劣りしちゃうなと思って歯がゆい時も。
まあ「愛する人を守るため」なら戦争だってしてもいいんだ的発想の映画はマットには似合わないけどね。

「プライベート・ライアン」のマットはよかった。
トム・ハンクスとその部下たちが命を懸けて救わなければいけない二等兵ライアン。
「俺たちはどんな奴の為に犬死しなきゃならないんだよ」「くずだったらばっくれてやりてえ」
彼らの怒りも頂点に達した時、目の前に現れたマット=ライアンは、「良きアメリカ」を象徴するような若く純朴な青年。
「こいつなら、ただの二等兵だって命懸ける価値あるか」「馬鹿な将軍よりましかもな」
海千山千の古参兵にそう思わせちゃうところがマットならでは・・・。

でもなあ。その後がどうも・・・。(全部見たわけじゃないけど)
ハーバード在学中の20歳で「グッドウィルハンティング」を書き上げたと言うマットには、役者より監督や脚本家の方が向いてるのかも。
前置きばっかり長くなってるけど、「ボーン・アイデンティティー」十分楽しめました。
トム・クルーズで鳴り物映画となった「ミッションインポッシブル」より好き。
マットファンの独断と偏見だけどね。

CIAの殺人マシンとして作られた「人間兵器」ジェイソン・ボーン役、カッコいい。
インディーズ出身の監督リーマンの演出も悪くない。
パリを舞台に、アメリカ映画らしくない雰囲気を出してくれた共演ポテンテもよかった。
スパイスリラーとして、内容も充実してる。

(ここから先はネタバレになるので、嫌な人は読まない方がいいです)
殺人マシンといえば、真っ先に思いつくのがターミネーターシリーズ。
もちろんターミネーターはアンドロイドでヒューマンではないのだけど、ジェイソン・ボーンはヒューマンを極限までアンドロイドに近づけたCIAの傑作だったはず。
なのに仕事(暗殺)の最中、自我=アイデンティティーに目覚めてターゲットを殺せないばかりか、自らの脳(プログラム)を破壊してしまう始末。
殺人と言う禁忌を侵せず、自殺にも等しい行動を選んでしまう「マシン」ジェイソン・ボーンは、知的でクールなマットだから説得力のあるヒーローになった。
「国家」という大義を背中に背負って悪を退治するジェームズ・ボンドやイーサン・ホークではなく、「国家」に背いて自分の人生を生きようとするジェイソン・ボーンに、私はより共感する。

若干褒めすぎたが、私のマットへの期待はそれ以上に大きい。
ヒューマンドラマ、アクション、サスペンス、コメディー。
様々な役をこなして、これがマット・デイモンだと言うアイデンティティーを確立した時、どんな役をやってもはまってる役者になってくれるはずだ。
すでに完成してるらしい続編、私のハードルはかなり上がってる。
その期待を超えてくれるか、期待半分不安半分で待っていよう。
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