勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

今日も上空に矢が踊る

2005-04-15 | 映画のお喋り
DVDを6本まとめて借りた。ほぼ毎日映画を観ていた。
「エレファント」
この映画が何を描いてるか知っていれば、「面白い」と言う感想は持てないとわかってもらえると思う。
「グッドウィルハンティング」のガス・バン・サントだから見たとも言える。
いじめのエピソードはいらなかった。なんだかわからないままがよかった。
この人の切ない青春ドラマが観たくなった。

「キング・アーサー」
同じ「しんどい」でも、しんどさがまったく違う。
この映画についての前知識が何もなく観たのが悪かった。最後までイライラが募った。
「魔剣エクスカリバーは?」「魔法使いマーリンは?」「キャメロットの宮廷は?」
?????
私が知ってるアーサー王の伝説に必要な小道具が一個も出てこない。
円卓は出てきたけど、キャメロットはない。マーリンは出てきたけど魔法使いじゃない。
湖の騎士サー・ランスロットは、反抗期の少年みたいな書かれ方だ。
しかもグウィネヴィアとの運命的な恋(不倫)もないまま死んでしまう。
ああ・・・・・・・。
新解釈もいいけど、この時代に本物の「史実」なんてないんだから、これが「伝説」ではない「史実」ですみたいな言い方だけはやめて欲しい。

「トロイ」
キング・アーサーの後で、これも新解釈だったら二度と歴史モノは見ないぞと思った。
結果。ああ、よかった。(神話部分はカットになってるけど当然か)
トロイ戦争の原因になった美女「トロイの(スパルタの)ヘレン」をパリスが略奪するところから始まって、「トロイの木馬」(ウイルスではない)まで、重要部分は全部抑えてあった。
しかもアキレスを神の子であるなんて噂話までちゃんと入れてくれてる。(母は海の女神テティス)
映画ではパリスが放った矢がアキレスのかかとに偶然当たったような感じだったが、「アキレスのかかと」こそ、無敵の勇者のたったひとつの弱点なのだ。
(だから人の弱点を挙げる時、「あれがあの人のアキレス腱なんだよね」と言うようになった・・・蛇足)
それにしてもあくまでかっこいいアキレスを演じるブラピに比べ、兄の足元にすがり付いて泣くパリスを演じるオーランドくん、あまりにかわいそう。
イリアス(原作の叙事詩)では、9年続いた戦が和平に向かい掛けたとき(アキレスとトロイの王女が結婚するって話で)、ヘレンを手放したくないばっかりに、闇からアキレスのかかとを狙った大卑怯者君で、映画よりもっとひどい役なんだけど。
(したがって、「トロイの木馬」なんて軍事的卑劣作戦には当然アキレスは加わっていなかった)
でも「ラストサムライ」以来、戦場の空に矢が舞い踊るシーンばかり見せられて、ちょっと飽きてきた。
この映画全体は合格ラインだけどね。
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