勝手にお喋りーSanctuaryー

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見過ごさない勇気を教える映画

2005-06-04 | 映画のお喋り
相変わらずのペースでDVDをレンタルしてる。
映画を観ながらコーヒーとケーキなんか食べてると、母と私はすっかり満足。
手軽な娯楽だ。
昨日見たのはこんな映画。

 『僕はラジオ』2004年 アメリカ映画
  監督:マイク・トーソン
  主演:キューバ・グッディング・Jr、エド・ハリス、デボラ・ウィンガー

ジャンル的にはスポーツ映画に入るらしい。
私はスポーツ映画に弱い。よく泣く。
「陽だまりのグランド」「タイタンズを忘れない」ではボロ泣きした。
大好きなマット・デイモンの「バガー・ヴァンスの伝説」もよかった。
だから題名は「なんだ、これ?」だったけど、ためらわず借りてきた。

時代は1970年代。カーターが大統領だった頃の話だ。
エド・ハリス演じるジョーンズは、ハナ高校のスポーツ主任で、フットボール部のコーチだ。
ある日選手の一人が、ショッピングカートを引きながら町をうろついている青年にボールを取ってくれと声を掛ける。
彼はボールを拾い、自分のカートに入れてしまう。
怒った選手は翌日仲間6人と、カートの青年をガムテープで縛って、ロッカールームに閉じ込めてしまう。

カートの青年は知的障害者だ。
この青年ジョージをキューバ・グッディング・Jrが見事に演じてる。
彼はラジオから流れる音楽が大好きで、いつもラジオを手放さない。
だから通称「ラジオ」
ロッカールームからラジオを助け出したコーチ・ジョーンズ。
この日から二人の交流が始まる。

初めは口も聞かないラジオ。
どう扱っていいか戸惑うコーチ。
フットボールシーズンのシーンを織り込みながら、部の手伝いをするラジオとコーチの距離が次第に縮まっていく様子を描く。
いつの間にか選手もラジオを受け入れ、町の人たちもラジオに馴染んでいく。

だけどどこにもいると言うオジサンが登場。
彼はチームのエースであるクレイの父親で、スポーツ部の有力な支援者だ。
オジサンはラジオを良く思ってない。
校長や理事会に働きかけ、ラジオを校内から追い出そうとする。

あ、よくある話だと思うのだが・・・。
エド・ハリスとキューバの演技、そしてフットボールやバスケットの試合のシーンの迫力に、ストーリーとは別の満足感がある。
フットボールのシーンで、思わず「ナイス・タクッル」と声を上げてしまったほどだ。
しかもクレイのバスケットシーン(本人も)は、メチャかっこよく、彼が最後にラジオを受け入れる場面は、別の意味で嬉しかった。

そしてラストは・・・・。
今現実に生きて存在しているハナ高校の名物コーチ「ラジオ」が登場するのだ。
もちろん引退したコーチ・ジョーンズも。
二人はすっかり老けていたが(しかももちろん役者に似てない)、40年間の友情はなおも続いているのだ。
そう、これは実話を基にしたドラマだったのだ。

これを観て、私は泣かなかった。泣く映画ではないと思う。
だけどもっとも好きな場面を上げておこう。
家族をないがしろにしていたジョーンズが、ギクシャクした関係の娘に、車の中で話すシーンだ。
「12歳の頃、新聞配達の途中で、金網の中に閉じ込められている少年を見た。(恐らく障害者)毎朝彼を見ていたにもかかわらず、私は何もしなかった」
ここで娘はすべてを理解する。
同情ではなく、何も出来なかった子供時代のあがないを、父は今してるのだと。

事情があって、見過ごさなければならないこともある。
だけどいつか、それを出来る時、見過ごしてしまわない勇気を持ちたい。
そんなことを教えてくれる映画だった。 
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