勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

雷神

2009-04-21 | 日常のお喋り
お寺さんから法要の案内が届いた。

3回忌、7回忌、13回忌。
親戚を集めて法要を営んだ。
それで終わった気になっていた。

代々続く菩提寺なので(寺の歴史は鎌倉時代にまで遡る)、もうやりませんとも言えない。
亡くなった父に出来る、唯一の親孝行でもあるし。
毎月、月命日に行っていた墓参も、今は年4回になってるし。
しかも、横浜に買い物に出かけるのがメインみたいになってるし。
定額給付金の使い道は、どうやらご供養代になりそうだ。


父が亡くなってから、早いのか遅いのか分からない時が流れている。
今でもよく覚えている。
7月の暑い日。
突然の電話。

事故だった。
あっけない死だった。
警察が来ていて、解剖があって、父の顔も見られなかった。

亡くなる前夜の父との会話だって覚えてる。
ちょっと疲れてはいたが、病気ですらなかった。
お休み、と言い、それきり二度と会えなくなった。

(しばらく反転します。携帯からも残酷な話がダメな人は飛ばしてください)

死の直後は、毎晩夢を見た。
恐ろしい夢だ。
恐ろしい亡くなり方をしたので、どうしようもなかった。
母も、私も、ほとんど眠れなかった。

解剖から戻ってきた父の、顔だけしか見ることが出来なかった。
他の部分は…ないのだ。
焼き場で、余りの骨の少なさに、妙な悲しみを実感した。

(反転終了)

初七日の法要の時。
お住職さんがお経をあげている最中だった。
晴れだった空が急に暗くなり、雷の音が鳴り響いた。
そして突然の雷雨。
お経が終わった後、それはまた唐突にやんだ。

親戚は皆で、父の怒りではないかと噂した。
そして、お経で供養されて成仏したのではないかと。

そうなのかもしれない。
私にはわからない。
夏なので、雷雨は珍しくないとも思った。

だがそれ以来、夢に出てくる父は、穏やかな顔になった。
雷神が父の代わりに怒りの涙を降り注いだのなら、お礼を言っておこう。
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