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シリーズ名「伊庭心猿」としながら 彼には1度しか言及していない
彼の情報がなかなか手に入らないからである
木場こと伊庭毅(筆名:心猿)は 市川市立図書館サイトに次の情報がある
<俳号、伊庭心猿(いばしんえん)。富田木歩を俳句の師とする。戦前から、
真間の手児奈霊堂参道傍らに「此君亭」(しくんてい)という小店を開き、
玩具や墨蹟などを売っていた。>
<荷風とも親交が深く、偏奇館に自由に出入りして難解な文字の調べまで
依頼されるなど、相当の信頼を受けていたが、荷風の原稿などを偽筆して
密かに売りさばいていたことが知れ、1940(昭和15)年に絶交を余儀なくされた>
知りたいのは 彼がどうやって荷風と知り会い 信頼を得たのか である
白井こと平井呈一は 残念ながら前記サイトには名前が出ていない
ぜひ追加して欲しい また、小西茂也も追加して欲しい一人である
さて 荷風に白井を引き合わせたのは 冒頭写真の人物だった
秋刀魚苦いか・・・の佐藤春夫 谷崎潤一郎から細君を譲り受けた佐藤春夫
白井は 若い頃 佐藤春夫の門下生だった(木場も)
荷風は 口が上手く文学にも詳しい白井をすっかり信用した
白井は相棒の木場も偏奇館に引っ張り込み 彼のことも荷風に信用させた
2人は原稿整理や目録作成などの口実で 荷風の原稿を借り出しては筆写
偽作を方々の出版社に売り込んだ
時系列で書くと次のとおり
1938/S13 荷風と白井・木場が知合う
1941/S16 荷風が贋作を知る~2人出入り禁止
1946/S21 9月 荷風「来訪者」発表
1947/S22 8月 木場貞「来訪者のモデル」
1948/S23 5月 春本発売でロゴス社が摘発
同上 5月 荷風が警視庁より事情聴取を受ける
(初めの部分は自作 それ以降は誰が書いたか知らない
ということで不問となった)
これで贋作事件は落着・・・と思ったら続きがあった
それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]