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TV観戦 FUJIFILMスーパーカップ2024 ヴィッセル神戸vs川崎フロンターレ

2024-02-19 16:13:00 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

・↓とは逆のコートで前半スタート。

栄光の証である、前年タイトルを手にしたクラブ同士の戦いであるスーパーカップという舞台。
しかしその内情は、様々な犠牲を振り払っての末に掴んだものと言った方が正しいでしょうか。

神戸は長年(といっても5年弱ほどの間)取り組んできた「バルサ化」のテーマをかなぐり捨てたスタイルの末に、初のリーグ優勝。
その開き直ったかのような方針転換は「大迫頼みの○○サッカー」と揶揄される事もありましたが、結果を出せば良いと言わんばかりに熱狂に沸いた前年末。
それでもイニエスタの退団のみならず、シーズン途中で獲得したファン・マタすらロクに起用する事無く終了と、編成レベルではやっている事のチグハグ感が拭えないままとなり。
この日は前年の戦いを象徴する、ベストメンバーを揃えて試合に臨みました。

一方の川崎は、神戸が「バルサ化」に取り組んでいる間、長らくJリーグのトップレベルに君臨していたクラブ。
しかしその反動か、主力選手の高齢化ならびに海外移籍による、世代交代の課題をクリアできず停滞したシーズンとなった一年。
幸いにして天皇杯を制し、並行して戦ってきたACLを勝ち抜き面目を保ったものの、それによりシーズン前から過密日程に苛まれる二重苦となり。
その影響を存分に感じさせる、ACLラウンド16第1戦(山東泰山戦、3-2)から、スタメン11人総とっかえする策を敢行するに至った鬼木達監督。

試合開始から、殆どの選手が場慣れしていない川崎を尻目に得意手で攻め上がる神戸。
アバウトな前進から、ダイレクトパスを中心に素早く運ぶスタイルで押し込んでいきます。
その中でやはり頼りになるのは大迫で、前半1分に早くもロングシュートでゴールを狙った(枠外)のを皮切りに、ターゲットとして奮戦。
7分の直接フリーキックでは、キッカー初瀬の(右ハーフレーンからの)クロスに合わせにいき、GK上福元がパンチングで辛うじてコーナーに逃れるという具合に川崎ディフェンスの苦戦の絵図を描き。
しかしそのCKでは、二次攻撃で井出が焦って(右から)ダイレクトのクロスを上げるも精度を欠くという、アバウトな攻めの弊害も見られましたが。

そんな神戸のスタイルに伴うように、川崎も最前線のゴミスのポストワークで前進を図るサッカーに。
11分に再び神戸が、右スローインからの攻めで山口がダイレクトクロスを送るも跳ね返されると、川崎のカウンターが発動。
ゴミス・山内によるポストプレイの連続で前進していき、山田がディフェンスに遭いこぼれるも拾った際から好機が生まれ。
彼のパスを受けたゴミスが右サイド奥で溜めを作って戻し、瀬古のダイレクトクロスを合わせヘディングシュートを放った際。
ループの軌道でゴール上部を襲ったこのシュートはGK前川にセーブされるも、この日彼をスターダムに導く切欠となったでしょうか。

次第に神戸のアバウトさによるボールロストが増え始めると、川崎は最終ラインからのビルドアップでゲームを作らんとし。
16分に神戸のプレッシングに遭いつつもGK上福元のパスで前進開始、ヒカルドの展開から再び際が起点に。
山内のスルーパスを受けた山田がポケットへ切り込みシュート気味にクロス(GK前川キャッチ)と、フレッシュな選手達による小気味良い攻撃。
直後の17分に再び山田がポケットへ切り込む好機が生まれ、ディフェンスに遭いこぼれた所をゴミスがシュート。(GK前川キャッチ)

神戸はその直後にアクシデントに苛まれ、井出が瀬古とのデュエルの際に足を痛めてしまい、続行不可能に。
スタッフの補助を受けて退場するなか、宮代が準備を初めた末に21分に交代となりました。
これにより、大迫・宮代を2トップとする4-4-2気味にシフトチェンジ。

22分に神戸が、パトリッキのグラウンダーのクロスに大迫が合わせシュート。(GK上福元セーブ)
続く23分に川崎が、ヴェロンのマイナスのクロスにゴミスが合わせシュート(ブロックに当たり左へ外れる)と、両チームのCFがほぼ同じ絵図でフィニッシュの応酬を演じ。
互角の好ゲームとなる予感を孕ませたものの、これ以降ペースを掴んだのは神戸。

ロングボール主体のサッカーは変わらずも、宮代が投入された影響か、大迫がサイドに流れてターゲットになる場面が膨らみ始め。
特に右に流れる事により右サイドのターゲットの佐々木大と、高めに位置取る酒井により生まれる密集で、ボールを収めたのちの狭い局面でパスワークが効き始めた感がありました。
川崎ディフェンスのパスカットを受けても、密集によりその後のゲーゲンプレスも効き易く、反撃の隙を与えません。
一時期の町田の「ワンサイドアタック」を彷彿とさせる手法で攻撃機会を増やしましたが、最後のパスの精度を欠いてフィニッシュは膨らまず。

川崎にとっては常に相手の攻撃に晒される、一時の緩みも許されない状態に。
タッチラインを割っても、神戸のスローインは素早く裏を突く意識を第一とするためスペースを開けるのはご法度であり。
33分には右スローインとなると、ボールを受け取って素早く裏へ投げ入れたのは大迫という具合に徹底しており、ひたすら相手にプレッシャーを与え続けます。

それでも得点は生まれずに時間が経過。
37分に右から山口が低いクロス、ニアサイドで大迫が脚で合わせましたがジャストミート出来ず。
アディショナルタイムには左から初瀬がクロス、中央で佐々木大が頭で合わせましたがGK上福元がキャッチ。
いずれもスローインからの繋ぎによるフィニッシュと狙い通りの攻めは果たせていたものの、川崎センターバック(高井・丸山)の強度の高さもあり、フィニッシャーは万全の態勢で撃てずに終わり。
結局スコアレスのまま前半終了の運びとなりました。

かなり押し込まれていた感があった川崎。
ハーフタイムでベンチが動き、あまりいい所を見せられなかった田邉に代えて三浦を投入します。
前年のスーパーカップでも甲府期待の新星と評される活躍をした三浦、1年での個人昇格を経て同様の期待を受けての出番となったでしょうか。

神戸は後半開始1分に早くも、右スローインを直接裏に投げ込むという前半同様の意識から好機。
受けた佐々木大が右奥からクロスを上げ、宮代がボレーシュートに繋げるも際のブロックに阻まれ先制ならず。

試合絵図はそう簡単に変わらないか、と思わされた所で、続く2分に川崎はパスを繋いで前線に運び。
すると右サイドで山内が初瀬に倒されて反則となり、ワイドからのFK。
これをキッカー瀬古が中央へクロスを送ると、丸山が走り込むその先でバウンドする形となり、意表を突かれたGK前川は辛うじてパンチング。
これを山口がクリアにいくもそれを阻んだのは際で、ブロックの形となって跳ね返ったボールが枠内に向かい。
トゥーレルのブロックも及ばずにゴールに吸い込まれ、待望の先制点を挙げたのは川崎。
名前の通り、球際を制して初ゴールを齎しました。(読みは「きわ」では無く「さい」なのですが)

先制されてもブレない神戸、直後のキックオフから初瀬の右へのロングパスで組み立て。
大迫が飛んだその頭上を越えて佐々木大が収めた事で再び右に密集が生まれ、パスワークの末に受けた大迫がミドルシュート(GK上福元キャッチ)と、ストロングポイントを変えずに応戦の姿勢。

しかし川崎は、GK上福元がロングフィードを送るスタイルへシフトと若干の微調整が図られ。
まずは神戸のプレッシングをいなす事を第一としてから、パスを繋ぐスタイルに入る体制へと変わったでしょうか。
それにより前線の守備が機能し辛くなった神戸。
13分には川崎が攻めに人数を掛けた隙を突いてのロングカウンターに入るも、左サイドをドリブルで持ち運んだパトリッキが、ヒカルドを剥がして奥に切り込むという所でタッチが大きくなりゴールラインを割ってしまい。
前線の選手は燃料のロスが大きくなり、肝心のアタッキングサードで力を発揮できずという状況に陥った感があり。

良い流れが途絶えた神戸は、次第に大迫が中央に張り気味となり、宮代がサイドに流れる事が多くなり。
前半から役割が交換するような格好でしたが、すると今度はサイドで収められずに、攻めの形自体が途絶えてしまう状態に。
それを尻目にペースを掴む川崎。
SBも高めの位置を取れるようになり、投入された三浦が前線でパスカットするなど冴え渡ります。
22分にはその三浦がロングパスを遮断し、拾ったマルシーニョ(ヴェロンと交代で出場、20分)がカットインで中央へ流れる所を扇原に引っ掛けられて反則。(扇原に警告)
これでエリアからすぐ手前の直接FKを得た川崎、キッカーの位置には瀬古と丸山。
ターゲットとなるべき丸山が蹴るという陽動を見せた末に、放たれた瀬古の直接シュートはゴール右上を襲いましたが、バーを叩いて惜しくもゴールはなりませんでした。

反撃機運が高まらない神戸は、25分にベンチが動き。
扇原・パトリッキ→広瀬・井手口へと2枚替えし、広瀬が右サイドハーフ(ウイング)に入った事により佐々木大が左へと回ります。

以降山口がアンカー気味に位置取り、井手口がやや高目の位置でパスを引き出す役回りとなった神戸の中盤の底。
川崎ディフェンスがその変更への対応を図る間に崩したい所で、28分に好機。
右サイドでアバウトな広瀬のスルーパスに宮代が走り込み、瀬古が蓋をして対応するも奪い返す宮代、そのまま奥からクロス。
ニアで大迫が合わせるも枠外と、ようやく主砲の大迫にフィニッシュが生まれ、何とか悪循環を断ち切らんとします。

すると今度は川崎が、神戸っぽいスタイルで押し返しを図り。
30分に左スローインから、ゴミスフリック→マルシーニョで奥を突くという流れで溜めを作り。(その後戻しからマルシーニョがクロスも繋がらず)
32分には瀬古が後方からラフに左スペースへロングパスを送り、マルシーニョが激走してて受けるという強引なやり口。
そして左奥へ切り込んでカットイン、ポケットの角度の無い所からシュートを狙いましたが、GK前川の足でのセーブに阻まれます。

35分に川崎は2枚替え、際・山内→瀬川・橘田へと2枚替え。
神戸も38分に初瀬・飯野へ交代。(飯野は右SHに入り、広瀬が左SBに回る)
40分に川崎も瀬古→山本に交代して両チームカードを使いきった事で、終盤戦に突入という事を実感させます。

川崎は前述の通り、アバウトな手法も使いながら前線で溜めを作り、あわよくば時間稼ぎも兼ねての立ち回り。
ゴミスもサイドでボールキープに徹する場面を増やし、それに貢献していきます。
焦る神戸ディフェンスの反則によるセットプレー攻勢も加わり、無情にも経過していく時間。

前半とは打って変わって、神戸の圧力に晒される時間は大きく減少した川崎。
しかし今度は逃げ切りというミッションの中でのプレッシャーか、最終盤に来てGK上福元のフィードが乱れがちに。
元々ビルドアップの技術に特化したGKなだけに、フィードを連発するという後半の立ち回りは「慣れない事をする」状態だったでしょうか。
ATではとうとうバックパスからのフィードをミスキックしてしまう上福元、右サイド深めに浮かんだボールを瀬川がコーナーに逃れるという結末も描いてしまい。

ここからセットプレー攻勢に賭けるという展開になった神戸。
このCKの後の右スローインから、クロスの跳ね返りを広瀬がミドルシュートにいくもジャストミートせず。(GK上福元キャッチ)
その後井手口が橘田に倒されて反則(橘田に警告)となり、左ワイドからのFKが最後の攻撃に。
上げられたクロスに佐々木大が合わせにいき、クリアが尚もエリア内に浮かぶも、ゴミスがクリア。
そのこぼれ球を佐々木大が拾い、左奥に切り込まんとした所をゴミスに倒されましたが、反則は取られずにそのまま試合終了の時を迎えました。

0-1という僅差で勝利した川崎。
内容はともかく、完全ターンオーバーを敷いた中での戴冠は、総合力をアピールした一日となったでしょうか。

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