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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第2節 ロアッソ熊本vsブラウブリッツ秋田

2023-03-01 18:11:01 | サッカー視聴記(2023年J2)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 松岡が前節退場(警告2度)のため出場停止。

<秋田スタメン>

  • 阿部海大がフェイスガードを着用して出場。

オフの間に主力選手が大量移籍し、再編成を強いられたクラブ同士の対戦。

改めてその名を並べてみると、熊本は菅田・イヨハ理ヘンリー・河原・杉山・坂本・ターレス・高橋。
秋田はGK田中・千田・池田・稲葉・茂・武と、ともに大部分を失い。
獲得した新戦力と、出場機会に恵まれなかった若手のどちらがチームに組み込み易いか、なんて事を考えたりもします。
そしてそのどちらも果たさなければ戦う事はままならず。

かくしてシーズン開幕の火蓋は落とされ、共に第1節は引き分け。
熊本の相手は栃木、秋田の相手は群馬と、ともに前年下位のクラブが相手なのも共通しており。
この先に控える上位陣との対決に備え、チームを固める作業をしつつ、勝ち点もある程度稼いで安全圏の確保もしなければならない厳しい序盤戦。
前年のシーズン終盤(39節)に当たった際は、熊本の攻撃vs秋田の守備のぶつかり合いが見応え抜群となったカードですが、オフを挟んでチーム力の一段落ちは覚悟しなければならない状態で開催されました。

熊本は、自分の予想とは反して、前年と同じく変則フォーメーションである3-3-1-3を継続。
あくまで流動的なサッカーを貫かんとしている大木武監督ですが、移籍でチームを離れた主力選手の存在はやはり大きく。
河原の穴であるアンカーに選ばれたのは藤田ですが、常時彼の脇にサポート役は必須という感じで、竹本・三島が中央寄りでプレーするシーンが増幅。
そのため(杉山・坂本の移籍とも相成って)サイド攻撃は大幅に弱体化した印象を拭えず。
そしてこの日のキックオフとなるや、秋田のチーム強度に圧倒される入りとなり。
あくまでそのスタイルのパワーサッカーが、単純明快かつ補強選手もそれに沿ったものである秋田、前年からの継続は熊本よりもハードルが低かったのが差異となったでしょうか。
開始1分で早くも得意手のロングスローに持ち込むなど、その圧力は熊本をも飲み込みます。

ビルドアップにも難儀する熊本、秋田のプレッシングを前にロングボールで逃げる事を余儀なくされ続け。
ようやく形を作れたのが前半9分で、左サイドでダイレクトメインのショートパスを細かく繋ぎ、逆の右へと展開した末に最終ラインの黒木を走らせる攻撃。(シュートまではいけず)

続く攻撃は13分で、秋田サイドがラフにロングボールを送り、相澤が回収した所をすかさずプレッシングというストーミング色の仕掛け。
しかしそれをかわして左サイド奥に持ち込むと、スルーパスに走り込んだ島村がヒールパス、後方から走り込んだ相澤が中村にスライディングで倒されて反則。
これによりエリア左脇からのフリーキックを得た熊本、キッカー平川はクロスを警戒させつつ直接シュートの軌道のキックを放つも、ゴール前で青木のブロックに阻まれ。

徐々に硬さが取れて来たか、ボールを繋げるようになった熊本。
しかしボールを運び、秋田にリトリートの姿勢を採らせた時が逆に苦戦の要因となり。
ゾーンディフェンスを敷く秋田の崩しがままならず、ただボールを回すのみという時間が長くなります。
その秋田のディフェンスは、前年の熊本戦とは打って変わって「人基調」の色を薄くさせ、かつサイドハーフが降りての5バックという後ろ重心にもならず。
あくまで4-4ブロックをスライドさせる事で熊本の攻めに対抗する姿勢を貫いている節がありました。
そして熊本選手が間でパスを受けた際にすかさず取り囲むという体勢で、持ち味のフィジカル面を活かすスタイル。

こうして堅守を築き上げた秋田、熊本の火力不足も幸いして無失点のまま時計を進め。
そして攻めあぐねた所を縦に速く突くという、判り易い攻撃面も前年と変わらず。

それでも見栄えしたのはセットプレー、それもスローインからの攻撃。
右サイドでは高田のスローの飛距離により、多少手前からでもロングスローが出来る体勢。
逆に左サイドは、深めでは藤山がロングスローを行うも、それより手前(縦エリアラインの位置が目安だろうか)では流動的。
34分にはタッチに出た所を側にいた齋藤が素早くスローインを行い、隙を突かんとする姿勢を見せます。
そして時間が進むと、ロングスローの体勢から近くに投げ入れるというフェイントも交えるなど揺さぶりを掛け。

中々リズムを掴めない熊本、秋田のロングボール攻勢に対し、素直にクリアはせず回収してマイボールにするシーンが膨らみ。
多少無理をしてでも攻撃機会を増やさんとしていたでしょうか。
しかし45分にはそれが災いし、相手のロングボールに落下点に入った黒木、キックでの繋ぎを選択するも諸岡に拾われて秋田の左サイドでの攻撃。
齋藤が裏へ浮き球を送ったのち、三上・諸岡・飯尾で三角形を作りパスワーク、そして奥へのスルーパスを諸岡がライン際で残した末に飯尾のクロスが入り。
ニアで青木が跳び合わせられずも、エリア内にこぼれたボールを高田が拾いシュート。
これがゴール右へと外れる際どいフィニッシュとなります。
このシーンが印象的となり、秋田優勢の流れを感じつつ前半を終えました。

ともにハーフタイムでの交代は無く、始まった後半。
最初の攻撃でコーナーキックを得た熊本(後半2分)、キッカー平川のクロスをニアサイドで石川が合わせヘディングシュート。(枠外)
ファーストシュートを放ち、流れを掴まんとします。

しかしそれは果たせず、再び秋田がスローイン攻勢。
4分には高田のロングスローから、熊本のクリア→拾って再度クロスという流れを続け。
壁を破るために叩き続けるといった単純な攻撃ながら、その壁に与えるダメージは馬鹿にならず。

7分にCKから、クロスがGK田代のパンチングで跳ね返された所を青木がボレーシュートを放つ(ゴール上へ外れる)など、セットプレーで押し込み続け。
直後にベンチも動き、三上→畑へと交代します。

熊本はその秋田の流れを堰き止められないまま、自陣深めからのスローインとなったのが8分。
しかし投げ入れたボールを高田が跳ね返して再度秋田のターンになると、青木のスルーパスに中村が走り込んで右サイド最奥からクロス。
これを中央で合わせたのは藤山で、叩き付けたヘディングシュートがGK田代の腕を弾いてゴールに吸い込まれます。
とうとう壁を打ち破り、先制点に辿り着いた秋田。

スコアが動いた事で、ビハインドの熊本がボールを握って反撃、という試合絵図になります。
その熊本のビルドアップでは、前述の通り竹本・三島が主にアンカーのサポートに回るため、両ウイングが低目の位置でボールを受けるシーンが多発。
平川のボールキープ力をフルに活用しつつボールを運ぶも、やはり迫力不足は否めずという攻撃に終始します。
13分にベンチが動き、粟飯原→大崎へと交代、大崎が左WGに入った事で島村が逆の右WGへシフト。
直後の14分にはその島村が中央をドリブルで進み、シュートを放つも威力が足りずGK圍がキャッチ。
こうした突破力を見せるシーンも少なく、逆に秋田のディフェンスの統制が採れていたといった所でしょうか。
その直後に秋田も再度交代を敢行、中村・齋藤→水谷・丹羽へと2枚替え。(畑が左SH→右SH)

熊本が攻めあぐねる所を、再び秋田のパワーサッカーが襲い掛かるという流れが訪れ。
22分には自陣からのスローイン、高田が投げ入れたボールが跳ね返されるも、それを高田が自らヘッドで跳ね返し。
ここから繋いで右サイド奥を突き、畑クロス→中央で丹羽が合わせに→こぼれた所を水谷が詰めるも反則、という流れで攻撃を完結。
これにより熊本は藤田が負傷するというアクシデント(一旦ピッチ外へ→その後復帰)が挟まれましたが、尚も秋田の勢いは止まらず。
24分には高田がまたもロングスローフェイントで近場に入れたのち、諸岡のスルーパスに走り込んでクロス。
グラウンダーのボールに青木が走り込む決定機となるも、シュートは空振りしてしまい(スルーかどうかは不明)その後河野シュート→ブロックを経てファーサイドへ流れ。
しかし左からの水谷のクロスをファーサイドで畑がヘディングシュート、今度はジャストミートするもGK田代のファインセーブに遭い、追加点はならず。

相変わらずスローインが冴え渡る秋田は、26分にも熊本最終ラインでのパスワークをプレッシングで乱し、右からのスローインを得るやいなや畑が素早くスロー。
そしてこれまた素早く高田が後方から走り込み、奥からクロスを入れるという具合に変化で熊本ディフェンスを翻弄します。
その圧を凌いで反撃に出たい熊本に対しても、素早いトランジションによる守備で勢いを削ぎ。
29分には勢い余って、縦パスを受けに降りた石川に対しチャージした水谷が反則・警告を受けてしまいましたが、総じて狙い通りに好機を作らせずに時間を進めます。

熊本は秋田の守備ブロックの外でのパス回しを強いられるシーンが増え、攻撃機会が激減。
最終ラインからのビルドアップでは、藤田が最終ラインへと降りる形で変化を付けたものの、その際にアンカーの位置に入るのは竹本・三島でありどうしても前に重心を掛けられず。
34分にさらにベンチが動き、島村・石川→土信田・道脇へと2枚替え。
ユースから飛び級でプロ契約を結んだ道脇の存在で流れを変えんとしたものの、簡単に目論見通りにいくほど甘くなく。
逆に秋田の攻撃が目立つ終盤、39分には藤山のロングスローから、エリア内で井上がシュート。(土信田がブロック)
42分は左サイド深めでの長いパスワークを経て、逆サイドへ展開ののち高田が後方からシュート(ブロック)と、フィニッシュで終わらせる事で相手の焦りを増幅させていきます。
その影響か、40分には完全にゴールラインを割るボールを余所に、土信田がスライディングを敢行して飯尾にチャージし反則・警告という危険なシーンも生み出してしまう熊本。

その熊本、45分に最後の交代を敢行し相澤→阿部海斗。(黒木が右センターバック→左CBへシフト)
これで双方の「あべかいと」が出場する珍しい絵図となり、アディショナルタイムに突入します。

何とか同点にしたい熊本は、CKでのクロスから期待の道脇がヘッドで合わせるも、枠を捉えられず。
秋田サイドの露骨な時間稼ぎ(FKでポイントから離れない高田や、GK圍の遅延行為)に苛立ちを隠せないシーンは続き、結局ゴールへの機運を高められずに残り時間を浪費。
最後は秋田の得意手であるロングスローを、阿部海斗が投げるという攻撃シーンを選んだものの実らず、試合終了の笛が鳴り響きました。

相手の良さを見事に消した秋田の勝利は妥当ですが、一方で良い時間帯が少なかった熊本にその良さは果たしてあったのかどうか。
再びチーム力の向上から始めなければならない、という再編成の恐ろしさを味わう高まったような試合でしたが、降格せずに乗り切る事が出来るかどうか。


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