※前回の群馬の記事はこちら(22節・清水戦、1-1)
※前回の町田の記事はこちら(31節・清水戦、2-3)
※前回対戦時の記事はこちら(2節、町田 2-0 群馬)
<群馬スタメン> ※()内は前試合のスタメン
- 前節(藤枝戦)・前々節(金沢戦)と2戦連続で中止。前々節は前半31分時点で中断、その時のスタメンからは変更無し。
- 尚、今節の後に代替試合の日程が発表され、金沢戦は9/27に中断時点から再開。藤枝戦は10/14に開催。
- 杉本がヴェルディからレンタルで加入し、28節(秋田戦、0-0)から登録され即途中出場、29節から毎試合スタメンに。
- 田部井が(JFL・レイラック滋賀へ)育成型レンタル移籍となり、26節(甲府戦、3-0)をもって登録抹消。
- 岩上が(J3・相模原へ)レンタル移籍となり、27節(磐田戦、1-1)をもって登録抹消。
- 長倉が(J1・新潟へ)完全移籍となり、28節をもって登録抹消。
- 高木の負傷が発表され、6/21に発生して全治5~6週間との事で、既に復帰して28節(秋田戦、0-0)にベンチ入り。
- 24節(熊本戦、1-1)で負傷により(HTで)交代した岡本の詳細が発表され、全治3~4週間との事。
- 高橋勇利也の負傷が発表され、7/20に発生して7/25に手術実施、そこから全治4か月との事。
- 来季加入が内定した玉城(仙台大)が特別指定となり、29節から登録。
<町田スタメン>
- 中止となった26節(秋田戦)の代替試合の日程が決定し、10/14に開催との事。
- 31節で負傷交代したエリキの詳細が発表され、全治8か月との事で今季はほぼ絶望に。
- 負傷離脱していた池田が復帰し、5試合ぶりのスタメンに。
落雷の影響で、まさかの2戦連続中止という事態に苛まれた群馬。
31節は前半途中での中断・中止だったため、丸々3週間空く事は無かったものの、それでも久々の試合であり。
その前まで10戦無敗と好調を維持していたため、水を差された以外の何物でも無く。
そんな状態で首位・町田と相対する事となりました。
まずはペースを確保したい群馬でしたが、入りから町田の攻撃に晒され。
前半1分に右サイドからクロス攻勢、クリアボールを杉本が確保するも平河に奪い返され、中央への横パスを経て藤尾がシュートするもGK櫛引がキャッチ。
この、相手の攻撃を切ってもすかさず圧を掛けられるという町田のサッカーはやはり脅威であり。
続く3分にもその影響かパスミスを奪われての危機、沼田がエリア内へ切り込んでシュートし、ブロックしたボールを天笠が確保するもまたも沼田に奪い返され連続攻撃を受けます。(その後パスミスで撃てず)
いきなり首位チームの恐怖を受けた群馬ですが、5分に細かなダイレクトパスの連続で町田選手の間を通してかわし続け。(その後酒井が持ち運ぶも藤尾に倒され反則)
これを境に、最終ラインからのショートパス主体のビルドアップで抗戦の構えを取るサッカーに入り。
町田もそれに対する前線の守備は相当に練って来たという印象で、その攻防が見所の一つとなります。
町田2トップは常時群馬のドイスボランチのパスコースを切る立ち位置を確保するものの、群馬最終ラインもそれに臆する事無く、ボランチが微妙に動いた所に2トップの間を通すパスで受けさせ。
その群馬の3バックは非常に狭い距離感でパスコースを確保する事で、町田も安易なハイプレスは掛けられない格好に。
それでも町田はサイドハーフがワイドをケアする事で、群馬もサイドを容易に運べず、睨み合い・膠着状態という言葉が相応しい状況と化します。
杉本が高い位置を確保し、その間に平松が降りるというシステムで左サイドからの繋ぎを円滑にせんとした群馬ですが、中々町田がハイプレスに来ず構える事もあり無理に運ぶ事はせず。
しかし町田にはこれがあるという感じで、8分に最終ラインから繋ぐ姿勢を取るも、群馬のハイプレスを受けた事で宇野がラフに裏へロングパス。
クリアされるも風間のトラップミスで平河が拾い好機となり、そのまま右からカットインシュートを放ちGK櫛引がセーブ。
尚も詰めた藤尾がシュートしますがゴールバーを直撃と、ロングボール一本でまさかの決定機を生み出し脅威を与えます。
それでも組織立った群馬のサッカーに対し、この日の町田は最終ラインでの繋ぎの姿勢を一定以上見せ。
巧く群馬のプレッシングを引き込んだ末に、縦パスを通して敵陣に運ぶという攻撃を展開しますが、敵陣では強力なターゲット(デューク)が居る影響か早めのクロスを送る姿勢が主となり。
ボールポゼッションを確保する群馬ですが、そこから中々好機に持ち込めず。
しかし町田も繋いで来る事により、それに対するプレッシングが機能します。
21分に中盤で川本がボール奪取し、拾った平松のドリブルが宇野に倒されて反則。(宇野に警告)
ここから(中盤中央)のフリーキック、風間のミドルパスで右へと運んでから繋ぎ、佐藤の深い切り返しから上がったクロスをニアで川本がフリック気味に合わせるもゴール左へと外れ。
25分に飲水タイムが挟まれたのちも、睨み合いの展開は継続します。
それでもブレイクが挟まれた事で、群馬はサイドから繋ぐ事に意識を振ったのか、無理に切られているボランチへパスを通すシーンは減り。
そのサイドでは右はエドオジョン・佐藤が、左は杉本・平松が頻繁にポジションを入れ替える事で、町田ディフェンスを引き付ける狙いを露わにします。
それでも町田はサイドバックが容易に喰い付かない事で、群馬も崩しを図れず。
39分の群馬、右サイドで酒井が運ぶ事で、佐藤と2人でという姿勢を作ったうえでエドオジョンが裏に抜け出し。
そして佐藤のミドルパスを受けたエドオジョンがクロスを入れるシーンに持ち込み、コーナーキックをゲット。
2本目の左CKから、ショートコーナーを経てのクロスを城和がヘッドで合わせましたが枠を捉えられず。
一方の町田、アディショナルタイムにハイプレスを掛け、GK櫛引のフィードを沼田がカットした事で左スローインに持ち込み。
こうなるとお得意のロングスローの出番(それ以前にも右から鈴木が何度も投げ入れていたが)で、翁長のニアサイド奥へのスローをデュークがフリック気味の落とし。
ゴール前を突くボールとなったものの、GK櫛引が抑えて防ぎます。
ATの最後には群馬がポゼッションを確保したのち、中央の川本へ惜しい縦パスが出るも収められず。
結局スコアレスで終えた前半、フィニッシュ数の少なさ(特に群馬の方)の割には非常に密度の濃い内容となりました。
共に交代無く始まった後半。
膠着状態を崩すには変節が欲しいという所で、後半2分の群馬の攻撃、自陣から天笠が右ハーフレーンをドリブル。
そして中央へと切り返したのち縦パスを打ち込みましたが、川本が受けた所を松井が反則気味のアタックで奪い一転して町田の攻撃に。
そしてドリブルで運ぶ松井を、先程ドリブルした天笠が反則で阻止と、無理にパターンを変えた場合はその反動が怖いという展開を描く結果に。
この遠目からのFK、キッカー鈴木のエリア内左へのロビングを池田が折り返し、そこをチャンミンギュがボレーシュートにいきましたがミート出来ず。
これが影響したが町田へと針が傾き、6分に再びGK櫛引のフィードをカットしてからの好機、藤尾の中央での溜めを経て宇野がミドルシュート。(枠外)
続く7分にもデュークが深めでボール奪取に成功してエリア内へ持ち運ぶ(シュートは撃てず)など、前線の圧力を発揮していきます。
しかし群馬は9分自陣での左スローインを、中央に絞っていたエドオジョンが受けるという再度の変節から、そのまま左に流れて裏へ小さく浮き球を送るエドオジョン。
こぼれ球を拾った川本が中央へと流れミドルシュート、ブロックされた跳ね返りを佐藤がダイレクトで再びミドルシュートし、GK福井がセーブ。
高く上がったボールを福井が自ら抑え、詰めにいった杉本と交錯してしまう(杉本の反則)という余波が生まれたものの、決して町田のパワーに屈しない意思を表します。
群馬の最終ラインvs町田の前線の睨み合いという、前半の展開は後半になっても大きくは変わらず。
町田はデュークがコースの切り方に慣れを示したか、群馬サイドはボランチにパスを出す事は困難となり。
そしてデュークの方も、コースを切りながら最終ラインへチェイスするという、余裕を感じさせるシーンが目立つようになります。
そのため群馬は一気に長いパスを送る頻度が上がり、試合もそこから動く雰囲気を見せ。
それでも好機は町田サイドのロングスローをはじめセットプレーが主で、シュートも(前述の群馬のフィニッシュ以降)19分に町田がロングスローの跳ね返りを平河がミドルシュートに持っていった(GK櫛引キャッチ)のみに終わります。
緊迫という表現がピッタリな試合も、24分に飲水タイムが挟まれた事で勝負の第4クォーターに突入。
ブレイク明けに両ベンチが動き、群馬は杉本・天笠→山中・内田達へと2枚替え。
町田は沼田・宇野→バイロン・安井へと2枚替え。(平河が左SHへと回る)
エンジンを上げにいった群馬ですが、28分に投入された山中が鈴木との交錯で、あろう事か額から出血する事態となり治療のためピッチ外に。
数的不利の間にも、裏へのロングボールをクリアにいくも、バイロンにそれをブロックされて危機継続(30分)という町田の圧力に晒されかけ。
直後に山中が復帰するも、尚もその流れは続きます。
35分の町田、右サイド奥を取ってからの戻しを経て、鈴木が上げたクロスがそのままゴールに向かうボールとなりGK櫛引が辛うじてセーブ。
直後の左CKでも、クロスをファーで合わせにいったデュークから乱戦となり、平河から再度上がったボールのこぼれ球をボレーシュートに持っていったデューク。(ブロック)
時間も進んだ事で、町田のパワーも発揮され易い状態となってきたでしょうか。
37分に再度両者交代カードを切り、群馬が佐藤・平松→北川・白石。
町田が平河・デューク→高橋大・荒木と、今回もともに2枚替え。
その後もパワーを掛ける町田、39分にそれを受けた群馬、白石のタッチが大きくなった所を藤尾が奪いにいき。
その結果藤尾をスライディングで削る事となってしまった白石、反則で警告を受けてしまいます。
更に41分、今度は中央でボール奪取に成功した藤尾、しかもこぼれ球を拾った松井がそのままエリア内へ切り込む絶好機に。
しかし内田達に倒され、反則の笛は鳴らずに町田の攻撃も継続しますが、荒木の右ポケットからのクロスに留まってフィニッシュは撃てず終わります。
ラフプレー紛いのシーンも混じって来た終盤。
その影響が露わになったのが43分で、左サイドをドリブルする山中がバイロンと激しいデュエルを演じ。
結果山中が反則を取られ、その場所が群馬ベンチの目の前だった事でスタッフが総出で異議を唱える絵図となってしまいます。
何とか大槻毅監督がそれを宥め、GKコーチの渡邉英豊氏に警告が出された事で手打ちに。
その群馬は44分に最後のカードを使い、その内容はセンターバックの畑尾をFWで投入するという奇策。(川本と交代)
直後に早速その畑尾に見せ場が訪れ、右からのスルーパスを受けて右ポケットへ進入、そのままシュートを放ちます。(枠外)
町田への対抗姿勢が整った所で、時間もATへと突入。
群馬は平松の役割(中塩と左SHの間に降りる)を白石が務める等、そのシステムは選手交代後も変わっていなかったものの、ここまで来れば理屈では無く精神力であり。
町田はデュークが退いた事で藤尾がターゲットを務めたものの、ロングボールを収めにいった所ハンドを取られるなど、その役割では流れを作れず。
そして目安の4分が過ぎ、最後の攻撃に持ち込んだのは群馬。
GK櫛引のロングフィードを山中が綺麗に収め、そこから左サイドでのパスワークを経て白石がカットインでポケットへ進入。
送られたマイナスのクロスを中央で風間が受け、放たれたシュートが安井のブロックでこぼれ、そのボールが畑尾の足下に入るという千載一遇の好機が訪れます。
慌ててブロックに入った池田をかわし、満を持してシュートした畑尾。
しかし誰もが決まったと思ったそのシュートは、ゴール左へと僅かに外れてしまいました。
ピッチサイドの大槻監督もその決定機逸に思わず蹲ってしまう絵図が描かれるなか、試合終了を告げる笛が鳴り響き。
これにより勝てたはずの試合という評価となったものの、群馬にとって価値ある引き分けなのは変わらず。
苦節19年で初と言っても良い昇格争い、2試合の中止で追いかける立場になりましたが、全力で掴みにいって貰いたいものです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます