ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2019年J1リーグ第29節 名古屋グランパスvsベガルタ仙台

2019-10-23 17:05:50 | サッカー視聴記(2020年以前)

9位以下は全く安全圏では無いという具合に、半数以上ものクラブが残留争いに巻き込まれているJ1の状況。
前年はボーダーライン自体の高さ(勝ち点40台でも降格危機に)がカオスでしたが、それとはまた異なったカオスといえるでしょう。
その中で最大のラインが勝ち点35(浦和・清水・神戸、いずれも今節敗戦)なので、その一段下に属するクラブ同士の対決であるこのカード、是が非でも勝利してこのライン以上に上がりたい所。

26節・札幌戦が出色の出来だったように、相手への対策に一日の長がある(と思われる)仙台。
この日もそれは健在で、監督交代で戦術の浸透に不安のある名古屋に対し、速攻を何度も仕掛け揺さぶっていきます。

前半3分、GKヤクブ・スウォヴィクのロングフィード、その跳ね返しを拾った富田からの攻撃。
富田から受けたハモン・ロペスがドリブルで右サイドへ流れ道渕へパス、その道渕がカットインからシュート。
GKランゲラックがセーブして難を逃れますが、そのクリアボールを奪った仙台のターンが続きます。
左サイドバックの永戸が中央でのパス回しに参加、その間に左サイドの関口がフリーになり、永戸のパスを受けた関口がクロス。
そして長沢がドンピシャで合わせてヘディングシュートを放ちますが、これもGKランゲラックの好セーブに阻まれ得点は奪えず。

しかし名古屋の守備に慌ただしさを誘発させるには十分で、6分に名古屋陣内でパスミスをカットした仙台、ハモン→長沢→道渕→長沢と渡ってシュート。
ブロックに入られ左コーナーキックを得ると、キッカー永戸のクロスに平岡が頭で合わせてシュート、GKランゲラックの壁を破りネットに突き刺しました。
一見単純な経過ですが、名古屋のマーカーを引き付けつつボール落下点の前でシマオ・マテが、平岡に競らせないように名古屋選手を体でブロックしていたこの場面。
シマオのセットプレーでの得点力を警戒する相手を逆手に取った先制点で、早々に仙台がリードを奪います。

そして守備を固めてカウンターを狙う仙台に対し、名古屋が攻勢を掛けるという典型的な流れにシフトしていく試合。
実はこの試合のファーストシュートは名古屋で、開始直後の1分に左サイドから攻撃。
太田の縦パスを受けた前田がカットインしてエリア内進入、そこからの彼のパスにジョーがダイレクトでシュート。
仙台・平岡にブロックされたものの、良い流れでの攻め。
それだけに早い時間でリードを奪われたのが痛恨で、以降は守りを固める仙台に対して有効打を与えられない名古屋。

新たに名古屋監督に就任したマッシモ・フィッカデンティ氏は堅守重視の戦術で、前任の風間八宏氏とは完全に対極のサッカー。
基本フォーメーションは4-3-2-1ないしは4-3-1-2という、やや変則的なものを好むのとは対照的です。(鳥栖時代は4-1-3-2というのもあった)
しかし攻撃に関しては行き詰まる場面が多く、鳥栖監督時もそれが主たる要因で昨年は低迷・途中解任の憂き目に。
堅守のサッカーの割には「長身FWにロングボール大作戦」のような古典的な事はあまりやって来ないのも特色ですが、それ故サイドからのクロス一辺倒になりがち。

かくしてこの日も前半は手詰まりのような状況で、途中はフォーメーションを若干弄り4-4-2(ガブリエル・シャビエルがFWにシフト?)に変えたものの、それも前半の最中に再度元の4-3-2-1に戻したりするなど試行錯誤。
(28分~36分の時間帯は完全に仙台ペースになっていたので、機能せず止めたと思われる)
37分の久々のチャンスではシャビエルの縦パスを和泉が右へヒールパス、受けた吉田が低いクロス、クリアされるもそのこぼれ球を前田がボレーシュート。
しかしGKスウォヴィクの好セーブに阻まれます。
39分はジョーのポストプレイから右サイドで攻撃、和泉・吉田のパス回しの後中央に戻し、シャビエルが遠目からグラウンダーのミドルを放つも僅かにゴールの右へ。
結局同点弾は生まれず前半を終えます。

名古屋のクラブとしての迷走は、21世紀に突入してから伝統的なものでありますが(ストイコビッチ監督時代は除外?)、再生の舵が切られたのは2016年。
トヨタ自動車の子会社化という、地域密着の理念とは逆を行くような方策が採られましたが、これにより経営面・強化費で苦しむ事は無くなりました。
この年チームはJ2降格したものの、翌2017年は苦しみながらもJ1復帰を決め、チーム再建の道は形式的には順調。
後は羽ばたくのみ……という思いは、その後のJ1での苦闘で頭打ち状態になっている事でしょう。

サポーターズフェスタの前日に発表された(漏洩した?)のが印象的だった、前任監督・風間氏の解任劇。
風間氏は川崎監督時代から攻撃的サッカーを指標に掲げ、ポゼッションスタイル・パスサッカーを基とし、表舞台にのし上がってきた指導者です。
ただ川崎では戦術浸透に成功させたものの、タイトル獲得はならずという悲運の名将ぶりを発揮していたのも事実。
よって名古屋が監督に招いたは良いものの、「サッカースタイルを固定させる」or「勝利・タイトルを目指す」という二つの思想がその後対立し続ける構造もある意味道理だったと思います。
自身の指標をチームに浸透させたかった風間氏と、チーム低迷を避けたいフロントの思惑。

しかしこの日はビハインド、しかも「ボールを持たされている」状況に陥っていた名古屋。
風間サッカーの悪い時と同じ症状であり、監督交代後もこの状態と向き合わなければならないとは、一向に出口が見えないという危機的状況なのではないか。
傍らから観ていてそんな思いを抱きつつ、後半戦へ。

後半立ち上がりも仙台がペースを掴み、キックオフ直後の攻撃でいきなり長沢がシュート。(GKランゲラックキャッチ)
その直後にも左サイドで関口パス→長沢スルー→ハモンシュート(DFに当たり枠外)というチャンスを作り、名古屋に冷や汗をかかせます。
対する名古屋はボールは握っても攻め手が無いという状態で時間を浪費し、それを打破しようとフィッカデンティ氏が動いたのが後半9分。
シャビエル→赤崎、ジョアン・シミッチ→エドゥアルド・ネットという2人同時交代、所謂2枚代えを敢行します。

ネットは前所属の川崎で(そして名古屋でも)、風間氏の下で主力を張っていたボランチ。
ただボランチにしては守備が軽いという弱点もあり、普通のチームでは使い所が難しいタイプの選手です。
監督交代を境にスタメン落ちしていましたが、この苦境もあり、早い時間帯で交代出場。

風間氏の幻影が舞い降りたかのようなベンチワークでしたが、実際のピッチ上でもそれは同じでした。
ネットが中心となってパスワークで相手を翻弄していくという、風間サッカーの名残が映し出され、しかも試合は一転して名古屋のペースに。
前線で動き回る赤崎の存在もあり、攻撃が活性化して何度も仙台ゴールに迫っていきます。
11分、右サイドでの前田のドリブルから吉田→米本→赤崎とパスが回り、赤崎のシュートが見られたのが号砲でした。(ゴール上に外れる)

しかしそれでもサイド攻撃一辺倒は変わらず、20分前後(18分~24分頃)ではクロスは上がるもののシュートは撃てず。
本格的な攻撃は30分辺りからで、中央からの攻めも交える事で決定機も作っていきます。
31分ネットが右へサイドチェンジのパス、受けた吉田は前田とパス交換してから中央のネットへ戻し、彼から受けた丸山がエリア内へロビング。
ここは赤崎が落とすもシマオのクリアに遭いシュートはならず。
直後の32分、今度は左サイドからのクロスでしたが、中央でのパス回しからネットが左へ→太田のダイレクトクロスという流れる攻撃。
これをジョーが落とし、赤崎がシュートしますがGKスウォヴィクのセーブに阻まれます。
33分には再び中央から丸山がロビング、これをジョーがトラップし反転シュートを狙いましたが、シュートはゴール左へと外れます。(富田に当たったかのように見えたが判定はゴールキックに)

攻勢を止めない名古屋でしたが、GKスウォヴィクの壁を破る事が出来ず(36分には太田のエリア内左からのシュートをキャッチ)に時間を浪費していきます。
すると一瞬の隙が生まれたか、38分の仙台ゴールキックから、ハモンのヘディングで阿部(長沢と交代で出場)が裏に抜け出すというチャンス。
エリア内に進入した所で丸山が倒してしまい、反則・PK獲得。
これをキッカーのハモンが強烈なシュートでGKランゲラックを抜き、仙台が貴重な追加点を獲得しました。

その後仙台はハモン→金正也(キムジョンヤ)に交代、3バック・実質5バックにシフトする逃げ切り体制に。
名古屋はセンターバック・丸山を前線に上げるパワープレイ体制を採るも、最後までゴールを割る事は出来ず、0-2のまま試合終了と相成りました。

これで仙台は勝ち点35に乗せ「下位組のトップ」に並びましたが、次節はその並んでいる神戸との一戦。
その後も同じく現状で並んでいる清水・ガンバと連戦が続くという日程なのが面白いです。
一方窮地に追い込まれた名古屋、編成面では神戸と同様に降格するようなメンバーでは無いだけに、このねじれも趣深い。(他人事かよ)
果たして一致団結し、苦境を跳ね返せるでしょうか。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第37節 アビスパ福岡vsアルビレックス新潟

2019-10-22 16:59:14 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の福岡の記事はこちら(33節・岡山戦)
※前回の新潟の記事はこちら(34節・水戸戦)

ラグビーW杯の予選が終わり、再びレベルファイブスタジアム(以下レベスタ)に戻ってきた福岡。

立ち上がりは、その福岡がボールを握りパスを散らす展開。
新潟からレンタルという制約があるため、ボランチ・加藤が出場出来ずというのが逆に良い方向に出たのか、中盤でのパスの回りがいつもと比べスムーズな気がしました。

そして前半9分でした。
それまでボール支配するもシュートは撃てず、ポゼッションスタイルにありがちな症状を起こしかけていた所で、目の覚める一撃が。
右サイドで田邊・鈴木・石原でパスを回してから、中央の前川にボールが渡ります。
すると前川、ドリブルで少し進んでから大胆にミドルシュートを放ち、これが新潟ゴール左隅を打ち抜くゴラッソに。

加藤の抜けたボランチには田邊。
29節・京都戦以来のスタメンで、加藤加入以降(26節)これが2試合目のスタメンと、完全にサブに追いやられていた存在の選手。
FC東京から移籍した今季、開幕戦以降スタメンで出場を重ねていたものの、チーム状態は上がらず。
シーズン途中で就任した久藤清一監督以下首脳陣も、守備の強度を求めて……という風にシフトしていき、加藤獲得・抜擢とともに大量失点で負けるパターンは無くなり現在に至ります。

京都戦では前目のポジション(シャドー?)で出場し得点も挙げましたが、それだと前川とポジション・役割が被ってしまうので、出番も失われていくのは必然的。
田邊と前川の共存というのは加藤加入前の25節・山形戦まで遡り、それ以前では前監督のファビオ・ペッキア氏が取り入れていたスタイルです。
偶然にも前体制のパスサッカーの思想が垣間見えていた……かどうかは不明ですが、この日の福岡の出来の良さは、そんな所が要因だったでしょうか。

先制後もペースを握ったまま、リードを保っていた福岡。
しかし新潟も前半20分以降に本領発揮。
23分、舞行龍ジェームズの縦パスをレオナルドが受けるも収まりきらず、しかし渡邊新太がボール奪取して繋ぎシルビーニョがシュート。(福岡・篠原がブロック)
28分も大武が縦パス、カットされかけるもレオナルドに渡ってシルビーニョに繋ぎ、再びシルビーニョがシュート。(左ゴールポスト外側に当たる)

以降は福岡のショートパス攻勢に対抗するべく、ロングパスを多用して攻撃を組み立てる新潟。
センターバックの大武・舞行龍からの長いボールからの攻撃でしたが、次第に効果が薄れていくとともに、福岡に反撃を喰らいます。
32分に松田・35分は石原にエリア内からシュートを打たれる場面を作ってしまい、冷や汗をかく破目に。
これ以降は長短を織り交ぜての攻めに切り替え、シュートも何本か放つものの、福岡ディフェンスの球際の強さでゴールを奪えずに時間を浪費していきます。
前半最後のプレー(アディショナルタイムはほぼ無しだった)、コーナーキックからの二次攻撃で堀米がドリブルで突撃。
エリア内に入り自らシュートを放つも、これも篠原のブロックに阻まれ、こぼれ球をカウエがシュートするも前川にブロックされて前半終了。

34節・水戸戦から3連勝、それも3試合で10得点無失点と良い事づくめの内容で、逆転昇格という目標ににわかに勢いづく新潟。
闘病生活を跳ね除けついにスタメンに名を連ねた早川の存在もチームの力とし、彼方に見える光にひたすら突き進んでいる現状。

しかしここに来てレギュラーは流動的に。
35節(鹿児島戦)では早川とともに本間を抜擢し、新井とフランシスがサブに転落。
そして今節は中心選手の高木を、カウエと入れ替えるという策を敢行。
メンバーを完全には固定せず、競争意識を煽る方策を、リーグ戦も最終盤に差し掛かってきた所で行っている新潟。
持てる力の全てを発揮させ、僅かな可能性を拾いにいくという思惑が見て取れ、この試合の後半それをさらに加速させていきます。

ビハインドを跳ね返さんとする新潟、後半頭にカウエを交代。
入ってきたのは高卒ルーキーの秋山で、これが何と今季初出場、そのままボランチの位置に入りました。

一見懐疑的なこの采配でしたが、やはり練習時から現場で見ていたであろうプロの目は違う。
そんな当たり前の事を思い起こさせた、後半の秋山のプレー、そして一方的な新潟のペースになった試合展開でした。

後半6分、秋山のパスから右サイドでパスを回しつつ攻撃を組み立て、中央で再びボールを持った秋山が左へサイドチェンジ。
これが堀米に渡ると、ドリブルで福岡・石原をかわしてクロスが上がり、レオナルドがヘディングシュート。(枠外)
9分には今度は左サイドからのパスを中央で受けた秋山、縦パスを出すとシルビーニョがポストプレイ、受けた本間がドリブルでエリア内に進入してシュート。(GKセランテスキャッチ)
13分も秋山から左サイドに展開し、パス回しから本間がカットインを仕掛けてチャンスに。
エリア内で堀米→シルビーニョと渡り、ダイレクトでシルビーニョがシュートしますがこれも枠を捉えられず。
中盤の底から攻撃を組み立てていく秋山の存在で、近目からのシュートを量産していく新潟。

同点は時間の問題か……という事を思わせた矢先、福岡の反撃。
前半とは一転してシンプルな攻撃は14分、ゴールキックを右サイドで石原が落とし、松田がドリブルで持ち込んだ後クロスを上げて城後がヘディングシュート。
GK大谷がセーブした後のコーナーキック、キッカー初瀬のニアへのクロスが流れた所(松田がニアで潰れにいったのが効いた)を、篠原が豪快に飛び込んでヘディングシュート。
自らゴールに突っ込まんとするこのシュート、見事にネットに突き刺さり2点目を挙げた福岡。
結果的に、貴重すぎる得点となりました。
このゴールの後、新潟はシルビーニョ→田中に交代。

どんなに良いサッカーをしても、結果が伴うとは限らないのが宿命。
その後は守りを固めに入る福岡に対し、決定機まで持ち込めない時間帯に突入してしまいます。
シュートは21分の本間と24分の秋山で、ともにミドルシュートであり、前述の良い流れは消えかかりつつありました。

29分、コーナーキックの二次攻撃から堀米クロス→大武ヘディングシュート(GKセランテスキャッチ)という流れがあった後、32分に本間→フランシスへと交代して3枚のカードを使い切ります。
同時に福岡も前川→木戸へと交代し、終盤への戦いへ。

福岡の逃げ切り体制は明らかでしたが、空気を一変させたのはエースのレオナルド。
ここ10試合で12ゴールという驚異の量産体制を築いており、そのためこの日も徹底マークに遭っていたレオナルド。
32分に舞行龍のロングパスをトラップ、マークを振り切ってエリア内に入り込み、そのままシュート。
とうとう得点を挙げ、反撃の狼煙を上げた新潟。

以降はそのレオナルドのポストプレイ能力を生かしつつ、福岡ゴール前に迫っていく新潟。
しかし福岡サイドも守りを固め、肝心な場面ではやらせず。
ウォンドゥジェ・篠原・石原らが、フィジカルを生かしての必死なディフェンスを敢行し続けリードを保ちます。
42分には初瀬が足を攣らせるものの、直後にはその初瀬が攻め上がり左コーナー付近でボールキープで時間を潰さんとする、自身ボロボロになってでも身を捧げ……というような場面も見られました。

そして44分、その初瀬を山田と交代させ、アディショナルタイムへ。
新潟は全てを出し切るかの如く攻め続け、決定機も幾つか作ります。
早川のクロスからレオナルドがトラップ、ボールは足元にこぼれたもののキープし、そのまま強引にDFを突破。
GKセランテスがボールを弾き、こぼれ球をフランシスが詰めてシュートするも、これもブロックされてゴールならず。
最後はコーナーキックの連続で、その3本目には舞行龍のヘディングシュートがループの軌道で襲いますが、再びGKセランテスのセーブに阻まれ万事休す。
こぼれ球をヤンドンヒョン(城後と交代で出場)が拾い、試合終了の笛が。
耐え抜いて嬉しいホームでの勝利を挙げた福岡、これが今季レベスタでは2勝目との事。

プレーオフ進出にも赤信号が近くなってしまった新潟ですが、将来を考えるとこの日の内容は悪くなかったかと思います。
果たして来季は秋山を中心としたチームになるのか、そしてその設計図をどう作っていき、主力組の契約交渉に繋げていくのか。
オフシーズンも(編成面で)目が離せなくなりそうです。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第36節 徳島ヴォルティスvsファジアーノ岡山

2019-10-17 17:00:03 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(31節・愛媛戦)
※前回の岡山の記事はこちら(33節・福岡戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(10節)

昇格戦線に食い込まんとする両クラブ。
ともにプレーオフ出場は1度だけという歴史(ただし徳島の方はそこでJ1昇格を果たした)ですが、場違い感は殆ど無いのはJ2という舞台から来ているのか、それともそれだけ地力が憑いてきた証なのか。

強風の中行われたこの試合、前半風上の陣地を取ったのは岡山。
ロングボールを交えながらの攻撃を仕掛ける姿勢で、早くもそれが見られたのが前半3分。
後方からのロングフィード、跳ね返されたボールを仲間が拾い、徳島・小西のアタックをフェイントでかわしてからミドルシュート。(枠外)

陣地を押し上げるという意識を相手に植え付けると、その2分後の5分でした。
前線から強気にプレスを掛け、GK梶川に蹴らせたボールを喜山がカット、こぼれ球を関戸がポストプレイで仲間に繋ぎます。
そして中央から再びミドルシュートを放った仲間、今度はグラウンダーで見事ゴールを射抜き、強気の姿勢が実を結んだ先制点となりました。

最後の敗戦は29節・町田戦(0-3)で、それ以降は4勝2分と勝ち点を稼いでいる岡山。
町田戦を境にディフェンスラインをテコ入れしたのは前回述べた通りで、中盤以降のメンバーも固定しつつあり、安定感ある戦いを繰り広げています。
唯一、スーパーサブ要員だった中野が、33節以降は山本に代わってレギュラー定着しているのが変更点でしょうか。

前半戦は得点を量産していたイヨンジェは、徹底マークに遭っているのもあってか過去10戦で2ゴールとやや低調。
代わって主に得点を挙げているのが左サイドハーフの仲間で、10戦6ゴールと好調を維持、そしてこの日の先制ゴール。
この仲間と、右SHの関戸が中央ないしは逆サイドにも顔を出しつつ、サイドバックが高い位置を取って攻めるというのが岡山のトレンドなのでしょう。
それにしては得点を稼ぐ仲間とは対照的に、関戸が今季未だ無得点なのが面白い所ですが。

先制された徳島、こちらは3-4-2-1でのボール支配しての攻撃が基調のスタイル。
それでも序盤は岡山同様にロングボールを交えていたのは、風の影響がどの程度だったかを確かめる意味合いもあったでしょうか。
11分、中盤でファウルを受けると岩尾のロングパスで素早くリスタート。
これが直接河田に渡ってエリア内に進入する好機を演出しますが、河田のシュートはGK一森がセーブして得点ならず。

その後はいつも通りのポゼッションスタイルに移行する徳島。
しかしそのビルドアップに対し、岡山は執拗にプレスを掛けて思うようにさせず。
このプレスを受けた徳島、前半は3バックが中々攻撃に絡めず苦労します。

一方の岡山は15分、喜山のミドルシュートがブロックされた後、徳島ボールを奪い返しての攻撃。
カットしたボールはこぼれ球になり、これをイヨンジェが落としてから左に展開し、左SB廣木のクロスにイヨンジェが右足で合わせますがゴール上に外れ追加点はなりません。

17分に徳島は左センターバック・内田裕斗の攻撃参加が見られチャンスを作りますが、結局シュートにはいけず。
その後はペースは握るものの得点は奪えない徳島、19分の河田のオーバーヘッドが当たり損ねるシーンが、上手くいっていないここまでの試合展開を象徴していたかのようでした。

結局徳島のターンは25分辺りで終わり、その後は岡山が攻勢に。
それでもシュートに持っていけないシーンばかりでしたが、31分にはクリアボールを拾った徳島・渡井に対し、仲間が執拗にプレスを掛けて後退させコーナーキックを得るなど相手に攻撃させずに時間を経過させます。
しかし好事魔多し、35分にアクシデント。
CBの濱田が足を痛めて倒れ、続行不能とされて交代となり、チェジョンウォンが出場します。
以降岡山はターンを手放す破目となり、再び徳島が攻勢に。

それを支えたのが内田裕の攻撃参加。
17分に1度見られただけに留まっておりましたが、以降は積極的にドリブルで相手を剥がす持ち味を発揮。
40分には自陣からドリブルで敵陣に持ち込み岩尾にパス、岩尾は右に展開すると、ボールを受けた右CB石井は裏へスルーパス。(小西が走り込むも繋がらず)
43分にもドリブルで岡山・関戸をかわすシーンが見られた内田裕、その姿勢が好循環を生むと、45分に小西がシュート(DFがブロック)・アディショナルタイムに岩尾がミドルシュート(GK一森キャッチ)と岡山ゴールを脅かします。
しかしそのまま岡山1点リードで前半終了。

キックオフ直後、いきなり岡山・喜山と徳島・河田が激突し(徳島側の)反則で幕を開けた後半。
試合を落ち着かせたかった岡山にとって計算外だったか、その直後の後半2分の徳島の攻撃。
ここでも内田裕が岩尾とのワンツーで前に出て、その後河田ポストプレイ→野村左サイド裏へスルーパス→杉本抜け出してクロスという流れる攻撃。
これを締めたのがファーサイドに飛び込んでヘディングシュートを放った河田、ボールが当たったのが頭なのか肩なのか不透明でしたが、飛び出してきたGK一森より先んじて触ってという執念が感じられる同点弾でした。

安定感を求める以上は固定メンバーで戦いたい、というのが理想でしょうが、様々な要因でそれが果たせず日程を消化していく場合も多々。
徳島の場合は累積警告での出場停止が、波に乗りきれない要因となっています。
ボランチで中心選手の岩尾が出場停止となった26節・新潟戦では0-4の大敗を喫し、32節・長崎戦(1-1)ではCBのヨルディ・バイスが抜けて連勝が止まり、前節・栃木戦(1-1)は野村・小西の2人が出れないという状況を作ってしまいました。
既に清武が3度出場停止(退場2度)になっている今季、現状清武がサブに回っているのも、そのせいで序列が落ちたという要素が考えられます。

岸本・渡井がスタメンにそれぞれ復帰・抜擢されてから8戦無敗(5勝3分)、故障が癒えた藤田も絡んで来ている現状、選手層の厚みが好調を生んでいると思われる徳島。
河田のゴールも、2試合スタメン落ちという危機感が生んだもので、競争意識が……と月並みな表現が頭に浮かびます。
しかし岩尾やバイスのように不可欠な選手はやはり居る訳で、今後昇格争いについていくためにも、警告・退場の抑制も視野に入れての戦いが求められます。

さて、試合を振り出しに戻した徳島。(しかし直後の3分に野村が警告を貰う……)
その後も、前半終わり際からの攻勢を維持して攻め込みます。

そして11分、今度も左サイドからの攻めでした。
自陣から杉本がロングパス、これを河田が収めてヒールでパスを出し、上がってきた杉本に。
杉本はダイレクトで渡井にパスを出すと、そのまま渡井がドリブルでエリア内左に進入してシュート。
コースは甘いながらも速いシュートにGK一森も反応が間に合わず、1点目とは対照的に綺麗にゴールに突き刺さりました。

その後もあわや得点というシーンを量産する徳島。
13分、自陣からのフリーキックにも拘わらずバイスが直接狙い、これがGK一森が辛うじてセーブしコーナーキックに逃れるというキックに。
直後のコーナーキックも、キッカー野村のクロスにバイスが足で合わせるもゴールとは逆に向かい、右サイドで拾った藤田がシュート。
このシュートを河田がコースを変えてネットに突き刺しましたが、オフサイドとなり追加点とはならず。

以降も徳島のターンは続き、殆ど攻撃できずに時間を過ごす岡山。
20分には中野も負傷退場を余儀なくされ(福元と交代)、劣勢を跳ね返す事すらままならず。
そんな展開に業を煮やしていたのか、イヨンジェが奮起します。
この日もバイスの徹底マークに苦戦し、特に後半は殆どボールに絡めない状態が続いていたイヨンジェ。
27分、田中のラフな縦パスを下がって収めると、そのまま中央をドリブル。
徳島・渡井に後ろからチャージを受けても突破せんとする、まさに「強引なドリブル」という表現が似合う絵図に。
結局最後は倒れ、反則・絶好の位置での直接フリーキックとなります。

イヨンジェという大砲が奮起して得たこのチャンス、もう一台の大砲が牙を向く場面。
それはベテラン・上田のプレースキックで、当然直接狙いにいきます。
チームもそれを熟知しており、徳島の壁の前に壁を作り、上田の後方では他選手が上田の視点となり入念に壁の位置を指示します。
その様相はさながら軍艦のようであり、どんなキックが炸裂するか固唾を飲んで見守るべき局面。
上田(チーム)が選択したのは、「壁の指示をしている内に撃つ」という意表を突くキックでしたが、シュートは無情にもゴールの上に外れます。

その後は徳島の得点チャンスに晒されながらも、GK一森の好守も力としつつ、同点ゴールを狙いにいく岡山。
40分には、エリア手前でのパス回しから、関戸が際どいミドルシュートを放つもののゴールは奪えず(上に外れる)。
直後、その関戸を赤嶺に交代し、2トップによるパワープレイの体制に。

そして43分、ロングボールの跳ね返しを仲間が拾った所、徳島・小西のスライディングで倒れると反則。
再び大砲・上田の見せ場となる直接フリーキックを得ます。
先程と同様に壁の前の壁・上田の後方の指示役と2つの集団を作る岡山。
そして放たれた上田のシュート、今度はゴール右を捉えると、GK梶川は動けず。
しかし上田が蹴る直前にゴール前に位置取りを変えていた徳島・岸本(藤田と交代で出場)がすんでの所でヘディングで跳ね返し、同点にはなりません。

そのまま2-1で徳島が勝利、勝ち点で岡山を上回る事となりました。
試合後半は岡山の意地が目立ちましたが、それを上回る意地でやらせなかった徳島。
昇格が視野に入っている両クラブらしい対決で、見応えありました。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第36節 V・ファーレン長崎vsジェフユナイテッド千葉

2019-10-15 18:42:19 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(26節・岐阜戦)
※前回の千葉の記事はこちら(32節・水戸戦)

昇格争いから一歩後退、という位置を常時保っていると言うのは変でしょうが、そんな位置付けである今季の長崎。
J2に降格して来て一年目、即昇格を期した戦いもそんなに甘くないというのは、前年の大宮・甲府・新潟の3クラブで証明済み。

一方の千葉は、2010年に初めてJ2に足を踏み入れた後は、即昇格どころか既に今季10年目のシーズンとなっています。
特に前年は昇格争いすら加われず低迷、それを引きずるかのように今季も低迷し、一時はJ3降格の危機も漂い始めた低空飛行の成績。

フロントの問題なども色々ありそうですが、グラウンドレベルで見ると、組織力の希薄ぶり深刻化していると感じますね。
MFとして起用されている工藤が敵陣でボールを追い掛け回す、つまりプレスを掛けるという前線の守備が目立っている最近。
しかし裏を返せば、本来その役割を担うFWが仕事を果たせていないという事でもあり。
点取り屋のクレーベは守備面では動きが少なく、弱点として顕在化。
動く工藤と動かないクレーベのギャップは見ていて悲惨を通り越し喜劇的ですらあり、簡単にプレスをかわされた挙句チャンスを作られてしまうという現状の守備。

前節・山形戦では、その組織力の差をまざまざと見せつけられて1-4の大敗。
しかもその献身性が光る工藤は既に35歳のベテランと、後に繋がるものが何一つ無いのでは、と感じてしまう現在の千葉のサッカー。

前節は大敗とともに故障者も現れ、前半途中で退いたクレーベはこの日は無事にスタメン。
一方後半に退いたセンターバックの増嶋はベンチ外となり、空いた穴にはエベルトが入りました。

やはりこの日も、工藤が最前線で長崎のビルドアップを追い掛け回すという変わらぬシーン。
しかし長崎は、CBに本職では無い黒木を起用せざるを得ないという苦しい陣容。
そんな状況でのビルドアップに対しては、不安材料満載な千葉の前線の守備でも何とかなったという印象でした。

序盤はやや長崎優勢ながら一進一退でしたが、ファーストシュートは前半12分という遅さ。
左サイドからエース呉屋のポストプレイも交えての攻めで、翁長のスルーパスに澤田が抜け出してクロス。
これに玉田が合わせにいくもこぼれ、そのボールを呉屋が反転シュートを放ちますが枠を外します。

しかしこの初シュートで火が付いたのは千葉の方でした。
直後の13分、左サイドバック・下平の手前からのクロスを、クレーベがヘディングシュート。(枠外)
その直後の14分にも、エベルトの縦パスから工藤を経てクレーベに渡り、右サイドに展開して米倉がクロス。
これをボレーで合わせにいったのは熊谷アンドリューでしたが、ジャストミートせず。
17分にはセットプレーのチャンス、左コーナーキック(キッカー矢田)からクレーベがヘディング。
これを下平がコースを変えてゴールに入れたものの、オフサイドでノーゴールとなります。

その後は再び一進一退の展開になるものの、シュートまでもっていけない長崎。
攻め手こそ、高い位置の両SB・動き回る玉田・プレースキックの大竹など豊富にあるものの、決定的な場面では目下得点王争いを繰り広げている呉屋頼みな所があります。
23分、中盤でパスカットした呉屋はそのまま中央をドリブルで進み、ミドルシュートレンジまで来たものの千葉・鳥海に阻まれ撃てず。
32分にはGK富澤のロングキックを拾った大竹、そのスルーパスを左サイド奥で受けた呉屋。
そのままカットインで千葉・米倉をかわしてゴールに迫りシュートを放ちますが、角度は無くGK佐藤優也に阻まれます。

呉屋に注意がいっている隙を突く攻撃ができれば……と思っていた矢先の37分。
コーナーキックから相手ボールになった所を奪っての二次攻撃、前残りしていた黒木がエリア手前右からシュートを放ちますが、ゴール上に外れてモノに出来ず。
その後は千葉ペースになるも、シュートはアディショナルタイムの鳥海のヘディングのみで、前半はスコアレスで折り返します。

前述の通り、最終ラインとくにCBの人選に頭を悩ませているであろう長崎・手倉森誠監督。
開幕スタメンだったチェキュベックは、レギュラー落ちを経て夏の移籍で地元クラブ(韓国)へレンタル。
彼からレギュラーを奪った、同じく韓国人選手のイサンミンも現在はレギュラー陥落。
角田はボランチも兼任するなど貴重なピースでしたが、加齢(36歳)故か故障がちでスタメン定着出来ずな現状。
高杉も、故障なのか26節・岐阜戦を最後にベンチ外が続いていました(この日ようやくベンチ入り)。

そんな苦境を経て、この日は黒木と徳永(本職はSB)という本職不在のCBコンビを組まざるを得なくなっていました。
キャプテンで10番を背負う黒木がCBという違和感ありありな布陣ですが、本職がボランチである黒木にビルドアップ役を担わせるものだったのでしょう。
しかし千葉・工藤を中心としたプレスで機能したとは言い難く、さらにディフェンス面ではクレーベとの競り合いに四苦八苦。
展開上は互角ながら、千葉の方が押していた印象だったのはこのゴール前での攻防でシュートを許していたのが目立っていたからだったと思います。

さて後半が始まり、前半と同じく一進一退の攻防で、様々な選手がシュートチャンスを得た千葉・呉屋がシュートを打ちまくった長崎という流れ。

そんな中、後半15分に千葉が早くもカードを切り、矢田→堀米へと交代。
その直後の16分の千葉の攻撃、右サイドからパス交換の後、堀米が工藤とのワンツーで中央へ切れ込みます。
そしてエリア内左へパスを出し、為田が受けてシュート。
これはGK富澤がセーブしますが、直後のコーナーキックからの二次攻撃でもチャンスを作り、最後は為田のクロスを米倉がヘディングシュート。
GK富澤が辛うじてセーブしたボールはバーに当たり、惜しくもゴールならずというシーン。

堀米への交代が効いたと見たのか、すかさず長崎サイドは亀川・翁長のSB同士のポジションを入れ替えます。(亀川が左・翁長が右に)
しかし守備を意識しての配置転換にしては、攻撃力が特徴の亀川を堀米のサイドに持っていったのは謎で、あるいは千葉の右の攻撃を防いだ後のスペースを突くという狙いだったのか。

そんな思惑(?)とは反対に、千葉の先制シーンは左サイドからでした。
24分、下平と為田がパスワークで左サイドを突破し、ダイレクトで下平がクロスを上げます。
これをクレーベがヘディングシュート、ボールはポストを直撃してゴール前に転がり、これを堀米が詰めて(DFのかき出しをブロックする形となり)ゴールにねじ込み先制。

結局長崎のポジションチェンジはさしたる効果は無く、失点直後亀川と翁長は元のポジションに戻ります。
一方の千葉、26分に早くも2枚目の交代。(鳥海→佐藤勇人)

しかし交代で入った大ベテランの佐藤勇、27分にいきなりカイオ・セザールにボールを奪われる逆起点となってしまいます。
幸いその後の玉田のクロスは呉屋に合わず事無きを得ましたが、このプレーが試合後の伏線となったのか(後述)。

その後は長崎も逆転のためのカードを切り始め、29分には大竹→吉岡。
そして32分に玉田→ビクトル・イバルボと、圧力を強めにかかります。

しかし次の一点は千葉に入ります。
36分の右からのコーナーキック、堀米の蹴ったボールは高い軌道を描き、中央へ落ちた所にクレーベがボレーシュートで合わせて見事ゴールを射抜きました。
堀米のクロス、そしてニアサイドに流れたエベルトの動きにものの見事に長崎ディフェンスは釣られ、中央をポッカリと空けてしまっていました。

その後は千葉もボールキープを優先し、攻めたい長崎は中々ボール奪取出来ず。
シュートは41分の呉屋のヘディング、アディショナルタイムの徳永のヘディングの2本のみに終わり、そのままタイムアップ。
6位以内に入りたい長崎にとっては痛い敗戦となりました。

試合の翌日、千葉・佐藤勇が引退を表明(今季シーズン後の)するという報が飛び込んできました。
全盛期(イビチャ・オシム監督の頃ね)は阿部(現浦和)とのドイスボランチで、当時の千葉の原動力となっていた選手でした。
その後京都に移籍するも、J2に落ちた千葉に復帰(2010年)。
その目標は当然「千葉のJ1復帰」だったでしょう、以降ずっと千葉でプレーしたものの、それは果たせず終わる事となりそうですが、とりあえずはお疲れ様と言いたいです。

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2019YBCルヴァンカップ ノックアウトステージ準決勝 第2戦 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪 in札幌ドーム

2019-10-14 19:48:16 | サッカー観戦記

決戦の時。
その舞台、当初は厚別の予定でしたが、プロ野球・日本ハムがシーズン3位以内に入る可能性が消滅したという事で札幌ドームへと変更。
おかげで持病の「これ以上厚別で観戦できるか」病が発症する事無く観戦できる事に。わけがわからないよ

自分が関東・川崎に行っている間に、札幌は準々決勝で広島を下して準決勝進出を決めました。
ここまでの道のりは決して平坦では無く……とは月並みですが、今季ルヴァンカップ中心に観戦してきた身としては感慨深いものを覚えて(どうでもいい)、前日から寝ずにこの日も決戦の地へ。

地下鉄・福住駅に到着し、ここでも軽く触れた、構内にある選手の写真パネル。
琉球に移籍した小野のものが未だ残っており、思わず「仕事しろよ……」と呟いてしまったのがこの日の観戦の始まりでした。

そしてドームに到着すると(11時ちょっと前ぐらい)、出来ている入場待ちの大行列。

 

その行列を余所目に、メモリアルコーナーを見学。
札幌ドームMVPの受賞者、懐かしい顔ぶれが並んでいました。

その後レストランに入ってコーヒーを頂き、ゆっくりと時間を潰したのち、入場開始時刻(11時30分)の少し前に行列入り。
しかし11時開始の先行入場が、とてつもない人数により長引く事となり、それによって一般の入場開始も遅れる破目に。
まあこれは仕方の無い事でしょうが、「リーグ戦は2時間半前、ルヴァン杯は1時間半前から」という、(一般の)入場開始時刻が判で決められている(と思われる)のが問題な気がします。
チケット売り上げ状況とかを調べてもう少し柔軟に、この日みたいな行列が予想される日は30分早めるとかの対応を望みたいです。

そんなこんなで、12時を過ぎてからようやく入場したものの、席に着く前には既にゴールキーパーの練習開始のアナウンスが。
当然スタジアムグルメを堪能する暇も無く、せわしなく席に着きカメラを弄ります。
寝不足で階段を歩くのが辛いという内向きの要素も考え、この日は上段に位置をとる事に。

おかげで電光掲示板の角度はこんな感じになってしまいました。(ハーフタイムに撮影)
しかしフィールドは中下段に比べると、見下ろしとなった視点は格段に見やすかった。

 

赤対青、というのはビジュアル的に惹かれますな。(個人の見解)

そんな青色を背負った、対戦相手のガンバ大阪。(アウェイな以上ユニフォームは白ですが)
先週の金曜でのリーグ戦の対決から、ルヴァン杯準決勝でも激突するという3連戦という変わった日程となりました。
残留争いを強いられているガンバでしたが、リーグ戦・28節では、システム変更(4-4-2から3-3-2-2)を敢行したのが功を奏して5-0という大勝。
反面一方的に屠られた札幌、チャナティップの負傷に加えルーカス・フェルナンデスまでもが小破で欠場を強いられた水曜の第1戦、これも奮闘空しく2-1でガンバの勝ち。
前向きな要素が中々見い出せないという2戦となりましたが、それを吹き飛ばさんとするこの日の札幌サポーターの意気込みは凄まじいものでした。

 

ゴール裏はリーグ戦と謙遜無い入り。
そしていざ選手入場の際には、赤と黒のボードでコレオを演出するなど気合入りまくりの応援。
完全に自分達の手でホームを作り上げていましたね。

厚別と違って身長など出さない、簡素な相手のスタメン紹介。

菅のユース代表参加という要素も味方になり、リーグ戦でも着実に成長を果たしている白井。
左右両方を務められるウイングバック、この日もスタメンでしたが後半12分にルーカスと交代。

この試合で初めてHonda出身という事を知った、第3GKの阿波加。
そのHondaに夏の移籍で中村がレンタルで移ったのは、やっぱり天皇杯での対決が縁だったのでしょうか。(あの日中村は得点も挙げましたし)

不安視されたルーカスは復帰してベンチに入ったものの、もう一人の助っ人アンデルソン・ロペスがベンチ外に。
ジェイの1トップで、機能しているかどうか不明のシャドー・荒野を継続せざるを得ない苦しい陣容のなか、「終わり良ければ全て良し」を地でいく勝利を挙げられるかどうか。

試合が始まり、入りは札幌のペースに。
右WB・白井の仕掛けなどで開始10分足らずでコーナーキックを3本得るなど、出だしは快調。
しかし前半9分、ガンバは宇佐美が倉田とワンツーで札幌陣内を突破、エリア内に進入してシュートを放ちます。(DFがブロック)
15分には右サイドからのフリーキック、キッカー宇佐美のクロスをファーサイドで高尾がヘディングシュート。(枠外)

次第にガンバのチャンスが増えていく展開に、1戦目の結果もあり先制点は許したくない札幌、嫌な雰囲気が立ち込め始めます。
それを払拭せんと、先月目の覚めるようなJ1初ゴールを挙げた荒野が奮起。
18分、宮澤からパスを受けると中央をドリブルで進み、エリア手前からミドルシュート。
GK東口に阻まれゴールはなりませんでしたが、悪い流れを吹き飛ばすには十分でした。

そして29分、ガンバ・福田のファールで直接フリーキックのチャンスを得た札幌。
キッカーは当然福森で、直接シュートは低い軌道で壁をすり抜けますが、ゴールポストの外側を叩いて惜しくもゴールならず。
これが前半最も惜しかったシーンだったでしょう。

一進一退という展開の最中、33分にガンバ・宇佐美が痛んで負傷退場を余儀なくされます。
代わって入ったのはジョーカー役のパトリックで、その通りに「点を取る」というメッセージをガンバ選手に与えたのでしょう、その後攻勢に出るガンバ。
しかしアデミウソンのシュート(36分)、倉田のシュート(40分)と惜しい場面を作るものの、得点を奪う事は出来ず。
終了間際には札幌・ジェイ、ガンバ・パトリックのストライカーがそれぞれヘディングシュートと見せ場を作りましたが、0-0のまま前半を終えます。

 

ハーフタイムのドーレくん。
警備員が映り込んでいる図はシュールだな、と思いました。(編集しろよ……)

後半が始まり、前半同様に札幌ペースの流れに。
しかも今度は鈴木が立て続けにシュートチャンスを作るという、得点の匂いがしそうなシーンを演出します。
後半2分、菅のドリブルからのスルーパスを受けたものの、GK東口の飛び出してシュートは撃てず。
4分には鈴木→荒野→福森と渡り、左サイドからの福森のクロスにヘディングシュートを放つも、ゴール右へ外れてしまいます。
6分にも、コーナーキックからの福森のボールに対しヘディングで合わせますが、これはシュートにはならず。

そして後半12分、札幌は白井→ルーカスへと交代。
しかしその直後(14分)にガンバの決定機、井手口のスルーパスを受けたアデミウソンがドリブルで突き進み、そのままエリア内右からシュート。
これをGK菅野がセーブし、混戦となった後尚もアデミウソンが押し込みにいきますがゴールを外れます。

最大のピンチを防いだ札幌。
アデミウソンの決定機逸は金曜のリーグ戦から顕著でした(PKすら外していた)が、この日もそんな傾向が見られたのは札幌にとって幸いだったでしょう。

すると次第に札幌がペースを取り戻します。
16分・18分と立て続けに、ルーカスが右サイドで好機を演出し、それぞれ鈴木・深井がシュートという場面を作っていきます。
交代効果を実感しつつありましたが、その矢先の21分、井手口がエリア手前からミドルシュートを放つという際どい場面が。(GK菅野がセーブ)
どちらに転ぶか判らない好ゲームの様相になってきました。

しかしとにかく得点しなければ勝てない札幌。
相手ゴールキックの際には、ゆっくりと蹴ろうとするGK東口を見るや、サポーターによるブーイングが響き渡る事に。
焦りが誘発しかねない時間帯になってきた後半31分。
札幌のカウンター、宮澤の縦パスを中盤でジェイが収めて鈴木に繋ぐと、ドリブルで進んだのちにエリア手前からシュート。
これが強烈な軌道で、GK東口は反応出来ずにゴールに突き刺さり、欲しかった先制点がついに入る事に。

その直後(34分)、ガンバは矢島→マルケス・スサエタに交代し攻めの姿勢を強めます。
対して札幌は、守備時に5バックの色を強める守りの姿勢に。
これが効果的で、ガンバは焦りも見られてアディショナルタイムまでシュートは放てず、時間が経過していきます。

その間に札幌は深井→金子に交代(荒野がボランチにシフト・40分)、さらに菅→石川に交代(44分)と、着実に守備を固めるカードを切っていきます。
この大事な試合で起用された特別指定選手の金子、45分にはルーカスのパスを受け、ガンバ陣内深くまでドリブルしていくという見せ場が。
そして左サイド奥深くでキープして時間稼ぎに貢献します。

迎えたアディショナルタイム、GK菅野も遅延行為で警告を貰う中、最後はガンバのコーナーキック攻勢に。
パトリックのヘディングシュートをGK菅野がセーブ、という危ないシーンも見られましたが、無事に1-0のまま試合終了の笛が。

そんな訳でついに決勝へと旅立つ事になった札幌。
10月26日・埼玉スタジアムが決戦の舞台であり、対戦相手は、この日のナイトゲームで鹿島を下した川崎フロンターレに決定。
ふろん太とドーレくんのコラボは是非見たいものですが、当然自身は行ける訳も無く。
という事で、今季の現地観戦はこれが最後となるでしょう。

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