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DAZN観戦 2023年J1リーグ第30節 ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ

2023-10-24 16:01:08 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

3週間ぶりのリーグ戦とあり、首位を走る神戸は入りに特に留意すべき試合といえたでしょうか。
国立競技場での開催で大観衆(53,444人)を集めた代わりに、アウェイ・鹿島の方が地理的に近いというホーム感の薄い環境もあり、出だしで躓きたくない所。

やはり慎重な立ち回りをする神戸に対し、前半2分に鹿島が空中戦を制しボールを確保して好機を作りかけ。
しかし藤井のボールキープが佐々木に倒されて途切れるなど、神戸の球際の強さが中断明けでも示されるのみとなり。
その後神戸がコーナーキックを連続で獲得(5~6分)するなど流れを掴み始めると、8分には酒井が前に出てのパスカットからのショートカウンターで、武藤が中央からミドルシュート。(ブロック)
その後もセカンドボールを拾って敵陣でポゼッションを続けるという具合に、試合前の懸念は杞憂に終わる事となりました。

「ロングボールを大迫が収める」事がストロングポイントといわれる現在の神戸。
しかしその立ち回りを続ければ当然、徹底マークに遭う大迫が次第に消耗してしまい立ち行かなくなるのが目に見えており。
そんな理由からか、取って代わるように佐々木がターゲット役を務めて浮き球を合わせにいくシーンが目立った前半。
一方の鹿島もFW鈴木へのロングボールは一つの武器ですが、その役どころを務められる選手が不在なのが大きく響き。
パスワークでの組み立ての比重が高まった結果、神戸のプレッシングに難儀するというドツボに終始嵌ったままとなりました。

大迫がサイドに開きながらボールに拘りつつ、彼とは逆サイドで好機を作る神戸。
15分に最終ラインでのパスワークによる前進から、右サイドで大迫のボールキープが潰されるも、拾った山口がすかさずサイドチェンジして左サイドを武藤が前進。
ポケットからグラウンダーでクロスを入れ、ニアサイドで井出が走り込む(クリアされて撃てず)という攻撃の組み立て。
直後の16分も右サイドで大迫が受けたのち、戻しから中央→左へ展開して前進と、徹底した狙いを感じさせたその刹那でした。
井出が左奥へ切り込み、切り返しの連続を経てクロスを送ると、中央の武藤・大外の大迫の間に居た佐々木が合わせヘディングシュート。
ゴールネットに突き刺さり、要警戒といった大迫・武藤の二枚看板を逆手に取ってのフィニッシュで先制を果たします。

首位チームの出鼻を挫く筈が、逆に追う立場を強いられた鹿島。
その後はビハインド宜しく、一言で言えば「ボールを持たされる展開」のサッカーを常時強いられる事となり。
大迫・井出の2トップ(守備時)は、ボランチへのパスコースを切りながらのプレッシングを仕掛けてくるので、最終ラインからの組み立ては非常に厳しく。
サイドに逃げては詰まるの繰り返しで、上手く誤魔化して敵陣にボールを運んでも、素早く中央を固める神戸ディフェンスの前に結局戻して何も出来ずという攻めを繰り返します。

安西が負傷(佐々木にチャージされ顔から出血、23分)で治療を余儀なくされる等、その流れは一向に良化を見せない鹿島。
その間に2点目を奪われれば致命傷、といった展開となるのは自明の理となり。
GK早川もビルドアップに加わるなど、何とか数的優位を確保して繋がんとしますが、前述の通り規制の掛け方が巧い神戸の前には全く優位さを感じず。
29分にはエリア内の早川に対し大迫がスライディングで詰めにいき、辛うじて出された縦パスをカットした井出、そのままループシュートを狙いましたが立て直した早川が何とかキャッチ。

一向に光明を見出せない鹿島、30分過ぎ辺りから、ピトゥカが最終ラインに・樋口がボランチの位置に降りるという具合に可変を見せ始め。
これにより奪われてショートカウンターという危機は減ったものの、前に運ぶ難度は変える事が出来ず。
35分に関川の自陣でパスカットからトランジションを突く形で前進、ミドルパスを収めた鈴木から左へ展開し、フリーの安西へ。
ここから左ポケットを突く状況に持ち込むも防がれ、中央から今度は逆の右ポケットへピトゥカがスルーパス。
これを受けた鈴木が切り返しからシュート(ブロック)と、ようやく初のフィニッシュに辿り着きましたが好結果は生まれず終わります。

それでもこのフィニッシュで上向きになれれば……という所でしたが、終盤再び神戸のプレッシャーが牙を向き。
42分に降りる樋口に対し前に出て規制を掛ける本多、それにより前を向けずに大迫がボール奪取。
そのまま左サイドで細かく繋いだ末に、大迫のスルーパスを受けた井出がポケット奥を取ってマイナスのクロス。
受けた武藤の前方へのパスから扇原がシュートするも枠を捉えられず。
しかし流れを切られる格好となった鹿島、文字通り色を失ってしまったようで、45分には山口の右→左への対角線のロングパスから作られる神戸の好機。
左ポケット最奥という位置で武藤が残すと、右足アウトサイドで入れられたクロスに、井出がヘディングシュートで合わせ。
GK早川のセーブも及ばず、際どく左サイドネットに突き刺さり追加点を得た神戸。
山口のパスに対しオフサイド確認のVARチェックが挟まれるも無事ゴールと、まさに紙一重の攻めでしたが、それでも結果に繋がるのが神戸が得ていた好循環故の事だったでしょうか。

結局2-0で前半を折り返し。
何とかしたい鹿島は、ハーフタイムで一挙3枚替えを敢行。
関川・広瀬・藤井→昌子・松村・仲間へと交代し、佐野が右サイドバック・樋口がボランチへシフトとなりました。

2点差となったため、早期に点を取って「危険なスコア」を意識させたい鹿島。
しかし神戸も、前半のようなハイプレスは掛けず、2トップがボランチの近くで構える体制に移行します。
上がり過ぎずというリスク管理を重視した、当然過ぎる振る舞い。

鹿島は右サイドハーフに入った松村を中心にサイドから仕掛けるも、敵陣では中央を崩されないようにする神戸にとっては屁でも無く。
クロス攻勢も、山を越えず手前でクリアされるという繰り返しで実りません。
後半9分に佐野が右サイドをドリブルで持ち上がると、クロスでは無く直接ポケットへのパスを荒木に送り。
受けた荒木が奥へ切り込みシュートするも山川ブロック→GK前川キャッチで阻まれるという具合に、チャンスエリアでも万全なシュートコースを作らせない神戸ディフェンスに苦しみます。

神戸が攻撃機会を得れない程、入りから攻勢を掛ける鹿島でしたが、上記の理由で得点に辿り着くにはまだ足りないという印象であり。
13分にはこの日初の右CKから、二次攻撃で樋口の2度目のクロスを植田が合わせヘディングシュート。(GK前川キャッチ)
一方の神戸は直後に、この日の立役者というべき結果(1ゴール1アシスト)を出していた井出が足を痛めてしまい。
担架には乗らず何とか自力でピッチ外へ出た末に、パトリッキと交代となります。(パトリッキが左ウイングに入り、武藤が右WG・佐々木がインサイドハーフにシフト)

怪我の功名のように再び前線にパワーが齎された神戸、15分に佐々木が敵陣深めでボール奪取してボックス内を突いた(シュートは撃てず)のを皮切りに追加点を狙います。
直後にクリアボールを回収したのち、山口の右手前からのクロスを大迫が合わせヘディングシュート。
GK早川がセーブし、鹿島ディフェンスが回収するもゲーゲンプレスを掛けて左CKに持ち込み。
キッカー扇原のクロスの跳ね返りを、中央から酒井がダイレクトで撃つと、コース上に居た大迫がヘッドでコースを変えてネットに突き刺します。
しかしこれはオフサイドとなりノーゴール。

鹿島はその後の攻撃も、サイドでのクロス自体がブロックされるなどで、可能性はさらに狭まり。
再び前半のような「何をやっても駄目」という時間帯に陥ります。

万策尽きたという状態で、24分に再度ベンチが動いて垣田を投入。
トップ下の荒木と交代し、これでオーソドックスな4-4-2へシフト。
ダブルポストの陣容となり、鈴木への負担が減った事でようやく光明が見えたでしょうか。

30分左サイドでの前進から、中盤中央に垣田が降りてのポストプレイを経て右へ展開。
松村のクロスが手前から入ると、上がって来た垣田が中央でスルーしてファーサイドの鈴木に収まる好機に。
そしてコントロール重視のシュートを放った鈴木でしたが、ゴール上へ僅かに外れて実りません。
33分にも松村が右からクロスを入れる状況に持ち込むと、既にボックス内に居た垣田・仲間2人の後方に上がったボールを鈴木がボレーシュートで合わせ。
しかしこれもGK前川がキャッチと、選択肢の広がりにより鈴木が撃てる展開へ持ち込んだものの、肝心の結果が得られない鹿島。(31分に鹿島は樋口→柴崎へと交代)

すると直後の神戸の攻撃(34分)、前川のロングフィードからの攻撃で、さらに本多のラフなロビングを大迫が落としたボールがパトリッキに繋がり。
そして左ポケットからシュートを放つパトリッキ、これが左ポストを直撃してGK早川の背面に当たる(ラインアウトでCKに)という際どいものとなります。
アバウトな攻撃から決定機を作られた事で、再び追加点の危機に晒される流れに持ち込まれ。(35分に本多→飯野へと交代、酒井が左SBへとシフト)

そして37分、中盤左サイドでパトリッキのパスカットから素早く攻める神戸。
大迫のスルーパスがフリーの武藤に渡り、そのままエリア内に進入してシュート。
殆ど一対一という状況ながら、前に出たGK早川がセーブして何とか凌いだ鹿島でしたが、その粘りも直後の右CKで崩されます。
キッカー扇原のニア寄りへのクロスをパトリッキがフリック気味に合わせると、またも左ポストを直撃して跳ね返るボール。
しかし今度は佐々木がダイレクトでボレーシュートを放ち、GK早川の上を抜いて右サイドネットに突き刺さります。
この際に武藤の位置が(GKを遮っての)オフサイドとしてVARチェックに掛けられ、OFRにまで持ち込まれましたが、ゴールの判定が下され。
試合を決定付ける3点目が齎されました。

長いVARチェックにより、時間は既に40分台。
意気消沈は避けられない鹿島を尻目に、44分にもカウンター気味に敵陣に運び、そこから蜂の巣のように仕掛ける神戸。
佐々木の左からのクロスが流れた所、拾った武藤シュート(ブロック)→酒井シュート(ブロック)と立て続けに撃った末に、最後はクロスの跳ね返りを扇原がボレーシュートで締めましたが枠外に。
続く45分にも右からの武藤のクロスに佐々木が合わせヘディングシュート(GK早川セーブ)と、緊迫感からの解放を感じさせるようにフィニッシュを放ち続けます。

しかしそれが若干の緩みを招いてしまったか、突入したアディショナルタイム。
鹿島は敵陣でサイドを振りながらのパスワークに持ち込むと、右ハーフレーンで受けた松村に対し数的不利となる神戸左サイド。
大外での佐野の追い越しにより意識が振られると、カットインを選択した松村がそのまま空いたバイタルからミドルシュート。
豪快にゴール左へと突き刺し、1点を返す事に成功します。

それでもあくまで神戸サイドの緩みが招いたゴールであり、以降も鹿島は攻め込むものの、締め直した神戸ディフェンスを崩しきれず。
クロスを入れ続けるも、放ったフィニッシュはCKから、キッカー柴崎の意表を突く素早いクロスでのこぼれ球を垣田が放ったボレーシュート(枠外)のみ。
右ポケットからの松村のクロスもブロックされるなど、最後までクロスに対する神戸サイドの激しい寄せは健在でした。

結局3-1のまま試合終了となり、まずは「ファイナル5」の初戦を危なげ無い内容で勝利した神戸。
ここまで来れば、後は雑音など気にせず最後まで走り抜くのみであり。
現場はそんな事は言わずとも解っていると思われますが、一体感を背に栄冠を掴めるでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第39節 ヴァンフォーレ甲府vsV・ファーレン長崎

2023-10-23 16:00:33 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(34節・大分戦、3-2)
※前回の長崎の記事はこちら(31節・栃木戦、1-2)

<甲府スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • クリスティアーノは長崎からのレンタル選手なため出場不可。
  • GKマイケル・ウッドがニュージーランド代表に選出。帯同期間は10/18までで試合とは被らなかったが、帰還して2日後という事を考慮してかこの日はベンチ外。

<長崎スタメン>

  • 奥井の負傷が発表され、9/20に手術実施して全治3ヶ月との事。
  • 33節(大分戦、2-2)で負傷?交代した秋野は、以降ベンチ外が続く。
  • 36節(町田戦、0-6)で負傷交代した岡野は(以下同文)

プレーオフ圏の丁度境目に当たる、6位と7位の直接対決というカード。
しかし甲府は、翌週にACL第3節が控える日程なので全集中する訳にはいかず。(そんな状況故に、クリスティアーノが契約上出場出来ないのは却って良かったかも)

一方の長崎も、6位をキープしている割には安定感に乏しく。
それ故に、「このまま一気に昇格」というムードが今一つ高まっていない風に見えてしまうのは気のせいか。(それをカバーするように、マスコット・ヴィヴィくんが絡んでのイベントはディナーショーホテルルームとのコラボなど凄まじいものがありますが)
山形戦(27節・1-5)・町田戦のような、時折衝撃的な大敗を演じてしまうのもそれに拍車を掛け。(退場絡みでの敗戦が目立つのも印象悪し)
フォーメーション的には色々微調整があったようで、スタメン復帰した鍬先の下、何とか落ち着きを取り戻したといえる星取表でしょうか。

その鍬先をアンカーにして、中村慶をウイング(右)に配置したというのが前節。(藤枝戦、5-1)
町田戦での一発レッドを受けてか、負担のかかる中央での起用は避けた格好に映り、微調整の総決算のような起用でしょうか。

前半3分に長崎の左スローインから、最終ラインに戻してプレッシャーを引き込んだのち、ロングパス→米田落としを拾ったのはフアンマ。
そしてドリブルで奥を突いてマイナスのクロスを入れるという具合に、ターゲットとクロッサーが逆転したような攻撃を見せると、ニアでの米田のスルーを経て中村慶がシュート。(ゴール上へ外れる)
フアンマへのロングボールだけでは無い、というような流動性からフィニッシュに繋げた事で、以降その流動性がテーマとなります。

WG(あるいは4-1-4-1のサイドハーフ)との事だった中村慶ですが、インサイドハーフのカイオの稼働範囲に伴い、中央に絞ってのプレーの方が圧倒的に目立ち。
特に守備時は、フアンマ・中村慶の2トップで、カイオが右SHに位置取った4-4-2の布陣となる事が多かったこの日の長崎。
システム上で語れるのはこのぐらいですが、逆サイドでもギリェルメやジェズスが入れ替わったりと、全方位で流動的なポジションとなっている風でした。
助っ人の目立つ布陣だけに、ある程度自由にやらせた方が力を発揮するという思惑からでしょうか。

5分に決定機を迎える長崎、再びの左スローインからの戻しを経て今度は右へ展開し、増山が奥を突いてクロス。
そして米田が跳び込んでヘディングシュート(GK渋谷セーブ)と、フアンマに代わるように高い位置でターゲット役をこなす米田の存在もあり、立ち上がりは優位に試合を進めます。

しかしその時間を凌ぎ、落ち着きを取り戻した甲府の立ち回り。
16分に最終ラインでプレッシングを引き込んでのロングパス、セカンドボールを拾った長谷川のドリブルに対し中村慶がチャージしてしまい反則。
ここでは出なかったものの、懸念材料である長崎のカードの多さが露呈されかかる格好となり。
続く18分にも、カイオを前に釣り出す最終ラインでのパスワークから好機を作る甲府。(飯島スルーパス→小林走り込んでクロスもクリア)
以降も変則的な守備時の隊形を突かれるように、サイドから押し込まれて何度も奥を取られる状況となる長崎。

そんな流れで前半も半分を過ぎ、長崎はプレッシングを諦めて自陣で構える守備体制に。
4-5-1で守備を固めると、甲府も容易にボールを運べなくなり苦戦の色を見せ始めます。
29分に甲府のパスミスを突き、拾ったジェズスが自陣からドリブルで駆け上がり。
そしてパスを受けたギリェルメもドリブルに入り、そのまま左ポケットに進入して奥からシュート。(GK渋谷セーブ)
カウンター気味に、助っ人パワーを活かしての攻撃で脅威を与えます。

それが効いたか、33分の好機でついに試合を動かし。
ここもジェズス・ギリェルメのホットラインを作り、左サイドからジェズスのポケットへのスルーパスに走り込んだのは米田。
虚を突かれた甲府サイド、井上がスライディングで阻止しにいったものの、これが米田に入ってしまい倒れた事で反則の笛が鳴りPKに。
足裏は向けておらずカードこそ出なかったのが幸いでしたが、それを良しとせず抗議する井上ならびに甲府サイド。
しかし当然判定は覆らず、キッカーの位置には中村慶。
ゴール左隅に蹴り込み、GK渋谷も届かずしっかりとゲットします。

ビハインドの甲府が反撃せんと焦るのを受け、以降もマンパワーで脅かす長崎。
38分に今津の反則気味のボール奪取から、再びギリェルメとジェズスがパスワークで前進していき、スルーパスにギリェルメが走り込んだ事で(クリアされ)コーナーキックに持ち込み。
キッカー中村慶のクロスを今津が合わせるも、ゴール右へと外れ。
43分には得意手であるフアンマへのロングパス、しかしここは裏狙いで、一気にエリア内へ走り込んだフアンマがそのままシュート。(GK渋谷キャッチ)
攻守ともに力量の差で負けている格好のような甲府。
アディショナルタイムに左サイドからのフリーキックで一矢を放った(クロスの跳ね返りを長谷川がシュート、GK波多野キャッチ)ものの、結局有効打を放てないまま前半を終えます。

それ故にハーフタイムで動き、松田・宮崎→関口・鳥海へと2枚替えを敢行した篠田善之監督。
その通り流れを変える一手か、ないしはACLも見据えての采配か。

交代で入った鳥海ですが、後半1分にいきなり中村慶のドリブルを反則で止めた事で警告を受けてしまいミソが付き。
その後6分に鍬先に対して再び反則を犯した鳥海、これに中村亮の方が異議で警告を貰う事態となり。
前半のPKシーンを引きずるように、判定絡みでのフラストレーションは最高潮といった甲府サイド。

しかし長崎もそれに合わせてしまったのが拙かったか。
ファビオ・カリーレ監督が試合前インタビューで「主審が若い方(高崎航地氏)なので、そのレフェリングに期待したい(要約)」という具合に、判定面での不安に触れていた事もあり、そんなシーンを見てこちらもそういった面が噴出してしまったでしょうか。
2分に裏へのロングボールに走り込んだフアンマ、蓮川に足を踏まれたというような格好で倒れるも、反則の笛はならず。
すると倒れたまま激しく異議を唱えるフアンマ、負傷は無かったものの長らく倒れ続けた事で試合も止められ。
その姿は駄々っ子のようにも見えたものの、踏まれた事でスパイクの紐が切れたという物証?もあり、交換する運びとなります。

試合以外での時間が長くなると、7分に今度は判定以外でのアクシデント、即ち故障が生まれる事態となり。
これまたスルーパスに走り込んだ中村慶でしたが、その瞬間に筋肉系トラブルが発生したらしく倒れ込んでしまい続行不可能に。
すかさず交代措置を採る長崎、同ポジションで名倉を投入します。

こうした事象もあり、前半同様流れを掴めずにいた甲府。
しかし長崎のリトリートの姿勢もあり、センターバックの持ち運びなど徐々に甲府らしい攻撃が見られるようになり。

そして11分、ここも蓮川のドリブルから左サイドを前進していき、小林の低いクロスが中央で鳥海に収まる好機に。
放たれた鳥海のシュートを今津がブロックするも、これが開いていた左腕に当たった事でハンドを取られて反則・PKとなります。
決定機阻止(+PK割引?)で今津に警告も突き出され、逆に判定に後押しされる格好となった甲府。
そしてキッカー三平がゴール右へとシュートし、しっかりGKの逆を突いてネットを揺らします。
お互いPKでのゴールゲットとなり、試合は振出しに。

これで暗雲を振り払ったかのように、以降も左サイドで跳梁を見せ押し込む甲府。
長谷川と小林の関係性は抜群で、それに引き摺られるように中村亮も高い位置でボールに絡むなど人数を掛けて攻め上がり。
長崎は4-5-1のリトリートでも、カイオと中村慶(名倉)のどちらが右ワイドを担当するのか曖昧な面が(前半から)見られており、こちらでは流動性が仇となっていたでしょうか。
何とか甲府の攻めを切っても、素早いトランジションに難儀し好機に持ち込めず、攻撃機会の面では一方的な展開に。

その中で21分に名倉のボール奪取から、甲府の寄せを際どくいなして前に運ぶ場面をついに作り。
名倉がドリブルで敵陣に運んだ所に、戻った中村亮が激しいショルダーチャージで倒した所、反則を告げる笛が鳴り。
「ショルダーだからノーファール」と「ほぼフリーのドリブルを反則で止めたのだから警告」という両サイドの思惑により、どちらにも不満が残る判定が生まれる事となりました。
どちらにせよ、既に警告を貰っていた中村亮にとっては命拾いの格好に。

攻勢をモノにしたい甲府は、24分に今津の(三平への)反則により、中央やや手前からの直接フリーキック。
これをキッカー長谷川が直接シュート、壁に当たって右に跳ね返った所を関口がダイレクトでクロスを送ると、ファーで蓮川がボレーで合わせシュート。
鍬先のブロックに当たり、尚もゴール上へ向かったボールをGK波多野がセーブと、際どい好機がセットプレーから生まれます。
その後の右CKからも、ショートコーナーを経ての松本凪のクロスに、中央で跳んだ三平を越えた所を中村亮が合わせましたがゴール右へと外れ。

劣勢が続く長崎は、27分にカイオ→松澤へと交代。
左WGに入り、ギリェルメが右へ移るとともに、名倉がインサイドハーフへ固定。
功罪双方を齎していたカイオの流動性を改める采配となったでしょうか。

30分にフアンマ狙いのロングフィードから、落としを拾った松澤が左サイドを疾走。
カットインを経てポケット奥からクロス(ブロックされCKに)という具合に、早速威力を発揮しにいく松澤。
しかし流動性という面では格段に迫力が落ち、守備に奔走していたジェズス・ギリェルメもその後今一つなパフォーマンスに終始します。

一方甲府ベンチが次に動いたのは37分で飯島→内藤。
これがプロ初出場となった内藤、直後にパスを出した所(今津の)アフターチャージを受けて反則となりチャンスメイク。
中央ながら先程よりも距離のあるFKでしたが、松本凪が直接シュート。
遠目故に壁の作りも曖昧な長崎でしたが、フアンマが一枚ブロックの形で防ぎます。

41分に長崎陣内で奪い合いとなり、内藤のボール奪取から甲府の好機となるなど、トランジションの面では依然優位な甲府。
しかしクロスを抑えたGK波多野からカウンターを展開し、またも松澤がドリブルで左ポケット奥を取ってクロスを送る(合わず)など、終盤を迎えて甲府サイドの隙も大きくなり。
直後の42分に双方ベンチが動き、甲府は三平→ジェトゥリオ、長崎はギリェルメ→高橋へと交代。(増山が右WGに回る)

そしてATに突入し、甲府の攻撃が切れると、間延びした隙を突かれる場面が膨らみます。
櫛引縦パス→フアンマポストプレイ→増山ドリブルとカウンターをついに形にする長崎、そのまま右ポケットに進入してシュートした増山。
しかしブロックに当たり、跳ね返りが増山に当たる形でゴールラインを割り。
これによりCKと勘違いしてしまったフアンマが激しく異議を唱え、警告を受ける事態となります。
放送席によるとこれが今季11枚目という事で、最終盤を迎え(出場停止という)余計な爆弾を抱える破目となり。(ちなみにカイオや鍬先も7枚でリーチ)

甲府は最後の交代を敢行する(松本凪→品田)も、既に運気が残っていないかのように長崎の好機は続き。
そして右サイド深めから、櫛引ロングパス→名倉収めて戻す→増山裏へロングパスと、先程と似た流れを経てフアンマが抜け出す絶好機を迎えます。
そして右ポケット奥で切り返すと、シュートでは無くパスを選択し、走り込んだ松澤が中央からシュート。
しかしGK渋谷のセーブに阻まれ、土壇場での勝ち越しはなりませんでした。

結局1-1のまま試合終了となり、勝ち点1を分け合った6位と7位のチーム。
8位(山形)以下の接近を許す事となり、ますます混迷を極めそうなPO圏。
しかも甲府はACLによる中国遠征が挟まれるため、追い掛ける前に凌ぎを考えなければならない状況ですが、無事に乗り切れるでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第31節 カターレ富山vsアスルクラロ沼津

2023-10-19 16:00:40 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

試合数×2の勝ち点が、大体優勝の目安と思われるJリーグ。
J1では神戸が29試合で勝ち点58、J2では町田が38試合で75と、ほぼそれをなぞる数字を残して首位の座に立っています。

ではJ3はというと、首位の愛媛は30試合で55。
ペースは保っているものの若干少ないという感じで、その得失点差(+8)からも他を圧倒する程の強さは感じなく。
しかしその分他のクラブが詰めている、という状況にはなっていないのが今季のJ3の難儀な所でしょうか。
2位争いは若干離れた位置(とはいっても2位の鹿児島が勝ち点51なので4差)で、詰まっているのはそれ以下の立ち位置という事で激しく順位が入れ替わり。
好不調の影響が大きく、簡単にその座から陥落したり、あるいは一旦後退したクラブが復調し再度2位の座を窺ったりと群雄割拠の状態に。

現在2位の座に着いている鹿児島とともに、後者の立場を取っているのが富山。
そして残念ながら前者の真っ只中なのが沼津というこの対戦カード。

沼津の今季のサッカーといえば、「偽サイドバック」のシステムを軸とした、時には最前線まで上がってゴールに絡む「超攻撃的SB」というのが第一印象。
しかしこの日は左サイドでその片翼を担っていた濱がセンターバックに移っての出場と、連敗中のクラブらしく微調整が行われ、左SBには大迫が入って挑みました。

立ち上がりは落ち着かず、ともにスローインからの組み立てを狙うという流れに。
沼津は前半5分にGK武者がロングフィードを送り、ブラウンノアが裏に抜けるも富山もGK田川が前に出てクリア。
GKからGKへというボールの流れを描き、落ち着かない流れはまだ続くと思われましたが、ここから沼津が自身の流れを掴み。
続く6分、最終ラインから繋ぐビルドアップで、ハイプレスを掛ける富山に対し濱が2トップ間を通す遊びのパスを巧く使ってボランチのシルバを釣り出し。
ここから左へ展開して前進し、スルーパスに走り込んだ大迫がクロスに辿り着き。(ブロックで防がれる)

沼津が得意手であるポゼッションスタイルに持ち込んだものの、8分にはその沼津のコーナーキックを防いだ富山がカウンター。
伊藤がドリブルで一気に自陣からエリア内に持ち込み、右ポケットからそのままシュート(ゴール上へ外れる)と脅かし。

これでポゼッションの沼津vsカウンターの富山という流れになるかと思われましたが、一つフィニッシュを放った事で富山サイドも落ち着いたか、主体的に攻め上がる流れに入ります。
12分には逆に沼津がカウンターに持ち込み、徳永スルーパス→森エリア手前で横パス→ブラウンノアと中央を素早く運んでいき、ブラウンノアのペナルティアークからのシュートをGK田川がキャッチ。
どちらも形に拘らず、とにかく先制点に辿り着くのが第一という、リーグ終盤の勝負所らしい展開を描き。
その中で富山が勿体無かったのが14分の攻撃で、シルバが右→左へのサイドチェンジを通し、受けた安光がさらにサイドチェンジと大きな展開でアタッキングサードに運び。
しかしそれを受けた椎名がハンドを取られてしまい実らずとなったシーン。

その「勿体無さ」が守備面でも表れてしまったでしょうか。
20分の沼津の攻撃、これまで安在が最前線に上がり、逆サイドの大迫が残るという右肩上がりの布陣での繋ぎが目立っており。
しかしここでは逆に大迫を上げての攻撃で、ワイドで縦パスを受けた大迫が奥へスルーパスを通すと、津久井クロス→大外で森折り返しを経て中央で持井がシュートチャンス。
放たれたシュートに対しブロックに入った富山ディフェンスですが、末木に当たる→安光に当たるという2度のディフレクションでGK田川が逆を突かれた格好となってしまいゴール。
懸命の守備も、こうした形となってしまうと何とも言い難く。

逆に先制した沼津は、以降も長短交えてのパスワークで主導権を確保します。
それでも反撃に入る富山、24分にGKからの繋ぎで、田川が間を通す縦パスを決めたのち前進。
エリア手前で細かく繋ぐ流れの中で、ポストプレイに入ったレイリアが菅井に倒されて反則となり、絶好の位置で直接フリーキックを得ます。
中央~左ハーフレーンの丁度中間ぐらいという位置で、キッカー・レイリアはやや左寄りの壁を越すシュートを放ち。
そしてゴール左へと突き刺し、沼津のお株を奪うショートパス重視のビルドアップを切欠として同点に追い付きました。

追い付かれた沼津、以降そのショートパス重視の攻撃はあまり機能しなくなり。
最初のシーンのような、裏へロングパスを送るも前に出たGK田川にクリアされるというシーンも目立ち。
富山が立ち上がりのようなハイプレスを諦めた事もあり、相手のコンパクトな守備に対し難儀していた風でもありました。
28分にカウンターに持ち込み、左ワイドでスルーパスを受けたブラウンノアがドリブル、左ポケットを突いてシュートを放つも今瀬のブロックに阻まれ。

反対に、最終ラインから繋ぐ機会が多くなる富山。
沼津よりも選手間の距離を長く取り、プレッシングに来られても長い距離を走らせるという、「自身のスペースを生む」と「相手の疲労度を増す」という両得を図るべくのビルドアップ。
スペースを得たうえでのロングパスで攻撃を組み立てていきます。

その流れで迎えたアディショナルタイム、ここも左サイドで前進の姿勢からシルバが逆サイドへロングパスを送り、受けた大山が細かいタッチでのドリブルで右ポケットを突き。
そして奥へ切り込みを図ったものの、津久井に蓋をされて反則という形で終わってしまい、後一歩及びませんでした。
結局1-1のまま前半が終了。

共にハーフタイムでの交代は無く、後半戦の賽は振られ。
それに伴い富山は、一旦落ち着かせたハイプレスを再度敢行していきます。
入りの後半1分に右サイドで椎名が奪い、拾ったレイリアが津久井に倒された事で反則・FKに。
このFKでのクロスはクリアされるもさらにコーナーキックで継続し、キッカー・レイリアがニアにクロス、跳んだ大畑を越えたその奥でシルバが跳び込みヘディングシュート。(GK武者キャッチ)
直後の4分にも、中央アタッキングサードでGK田川のパスをレイリアがカットする(そのままエリア内に切り込むも附木に防がれる)など、沼津のビルドアップを次々と遮断していきます。

8分にはシルバのミドルシュートがゴールを襲う(左サイドネット外)など、一転して劣勢になった印象の沼津。
それでも、富山が再度ハイプレスに意識を振って来た事で、それを逆手に取って引き付けるスタイルは不変であり。
9分に附木がパスを散らした末にGKへと戻して引き込み、GK武者ロングフィード→菅井落としで打開し、右サイドで受けた森のスルーパスにブラウンノアが走り込むも繋がらず。

富山は前半のドリブルシーン然り、伊藤が左サイドを切り込むシーンを膨らませて攻め上がり。
16分にベンチが動き、椎名・佐々木→松岡・大野へと2枚替え。
以降右サイドでも、松岡がカットインでポケットを突く動きが顕著となるなど、サイド突破が強化された格好となります。

そうして優勢さを保ち、22分にGK田川は右サイドに開いてロングフィードを送り、セカンドボールを拾ってレイリアがドリブル。
そして松岡がカットインを仕掛け、ディフェンスに阻まれこぼれた所を末木が走り込んでミドルシュート。
このパンチの利いたシュートが附木にブロックされるもCKとなり、以降攻勢のなかセットプレーの好機も数多作る流れとなります。
23分の左CK、ショートコーナーを挟んでのレイリアのクロスから、ニアサイドで大野がフリック気味でヘディングシュートを放ちましたがGK武者がセーブ。
26分にはカウンターの流れで、末木の縦パスを受けたレイリアがドリブルで疾走、そのまま右ポケットを突いてシュートに辿り着いたものの大きく枠を外してしまい。

一方押され続ける沼津、状況打開のためベンチが動き。
23分に大迫→井上へと交代し、井上がCBに入った事により濱が本来の左SBにシフト。
そして29分には3枚替えを敢行、森・ブラウンノア・津久井→染矢・川又・鈴木と一気に3トップ全員を入れ替えます。

その効果もあり攻め上がる沼津、32分には一旦途切れるも、富山のロングパスを附木が前に出てカットしてさらに攻撃。
中央を前進していき最後は川又がエリア内へスルーパスを送りましたが、走り込む徳永が大山に蓋をされて繋がらず。
するとボールを抑えたGK田川が素早くスローして富山のカウンターとなり(フィニッシュには繋がらず)、また流れを反転させられます。
そして直後にシルバが菅井に反則を受けた事で富山が再度セットプレー攻勢。
このFKからの二次攻撃で、左からの末木のロングパスを大野が直接ヘディングシュートに持っていき。
これもGK武者にセーブされますが尚も左CKで継続、再度大野を目掛けたクロスがこぼれた所を、ペナルティアークから末木がシュート。
強烈なシュートでしたがこれもゴールバーを直撃し決められず(その後レイリアのクロスから大野がヘディングシュートも枠外)と、どうしても2点目に辿り着けません。
それでも諦めない富山、34分に伊藤→高橋に交代と、次々に前線のタレントを投入していきます。(高橋がFWに入り、レイリアが左サイドハーフに回る)

その後ポジションチェンジした富山の左サイドを突くように、沼津が右サイドで繋いで崩さんとしますがペースを奪うには至らず。
守勢故の苦しみか、37分には松岡に反則を受けた濱が、思わず報復行為を敢行するなど苛立ちが先行する絵図も作ってしまい。(しかしカードは出ず)

2位の座を奪うためにもなんとか勝ちたい富山。
39分には松岡が例によって右からカットインの姿勢に入ってクロスを送ると、手前のブロックに当たってゴールに向かうボールとなり。
しかしこれもGK武者のセーブに阻まれるという具合に、「惜しい」だらけの展開は続きます。

そして終盤に入り、42分に持井のドリブルを反則で阻止した今瀬が警告を受け。
攻勢の最中、カウンターだけは許さないという意地も見せる富山。
しかし沼津は43分に最後の交代を敢行し、徳永→安藤阿雄依。
今季新卒で入団(J1清水にユースから昇格、直後即レンタルで加入)し、これが5試合目の出場と、ほぼ新星という存在の投入に賭ける格好となった中山雅史監督。
この安藤阿が左ウイングに入り、鈴木がインサイドハーフに降りるというポジションチェンジがあった事。
そしてその交代の前の(大野に対する附木の)反則に則してか、沼津ベンチに居た控えGK渡辺が警告を貰うという悪目立ちがあった事が効果倍増に至ったでしょうか。

そして迎えたアディショナルタイムも、目安の時間(3分)は押し迫り。
初心に帰りGKから細かく繋ぐビルドアップに入る沼津、安藤阿が自陣左サイドで受けたのちカットインで中央へ。
そして逆の右サイドでの攻めにそのまま加わる安藤阿、スルーパスを奥で受けるもバックパスがブロックされて途切れ。
しかしすかさずのスローインで継続させる沼津、今度は鈴木が投げ入れられたボールを受けて攻撃の輪に加わると、右ポケットで持った安在のバックパスから中央で菅井がミドルシュート。
これがディフェンスの間隙を抜いてゴールを襲い、GK田川がセーブするも、右へこぼれた所を詰めたのは鈴木。
田川の足でのセーブも及ばずゴールネットに突き刺さり、歓喜の勝ち越しゴールとともに試合終了の笛が吹かれる劇的な終幕となり。
最後は安藤阿・鈴木の盛んな移動を捕まえきれなかった格好で、富山は無念の敗北となりました。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第31節 松本山雅FCvsAC長野パルセイロ

2023-10-18 16:36:35 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 松本のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

信州ダービー・第2ラウンド。(天皇杯予選も入れれば3戦目ですが)
松本のホーム・サンプロアルウィンで開催されたこの試合も、観衆12,000超という前回とほぼ同じ数字を残し。

1戦目は10節で、その時に勝利したのは長野。
同時に首位に立ったのもあり、目の前が薔薇色に輝いた……というのは一時の安息であったか。
結果的にこの試合が絶頂となり、以降は坂道を転げるだけの歩みとなってしまいました。
そして監督交代も敢行され(シュタルフ悠紀氏→高木理己氏)、前回とは異なる体制で松本にぶつかる格好となり。

異なるクラブで、松本戦に挑む事となった高木監督。
ハイプレスを売りにしているとの事(放送席の談)で、ダービーマッチという環境も手伝い、球際でバチバチとやり合う入りが描かれます。
それでもその光景を彩っていた(?)、前監督・シュタルフ氏の怒号がもう無いとなると一抹の寂しさを感じてしまい。

しかしその均衡を破ったのは松本で、前半4分に菊井が左ポケットを突いてシュート。
ブロックに当たり右へと逸れてコーナーキックとなり、キッカー菊井のクロスを野々村がヘッドで合わせ。(枠外)
7分にも同じくCKから常田がヘディングシュート(枠外)と、早速多種多様なフィニッシュで脅かしに掛かります。

一方の長野は、マイボールになっての立ち回りが今一つ。
上記のような枠外シュートの結果、ゴールキックでのリスタートが膨れ上がりますが、そこで短く繋ぐ選択を取っていた前半戦。
しかしそのビルドアップはまるで冴えず、松本のプレッシングによる苦し紛れのパスがズレた所を奪われるシーンを量産してしまいます。
13分、ここはゴールキックからでは無いものの最終ラインからの組み立てで、杉井ミドルパス→山中ポストプレイで省略して前進に成功。
森川の右への展開から、音泉が右ポケットへと切り込んでシュート(常田がブロック)と、ようやく理想形の攻撃を見せ。
もう一つの理想形であるハイプレスも、敵陣でボール奪取してショートカウンター、というシーンは何度か見られたもののフィニッシュには繋げられず。

まるで前回の松本のビルドアップの問題が、時を経て自身に跳ね返って来たかのような試合展開。
何とか誤魔化しながら、音泉のドリブル突破を利用するなどして好機を作っていた長野。
しかし25分、敵陣への縦パスがズレたボールを、常田がダイレクトで縦パスを繋いで反転松本の攻撃というシーンが。(その後村越が遠目からシュートもジャストミートせず)
パスミスがあわよくば致命傷になりかねない雰囲気を生み出してしまうと、その後もそのパスのズレを解消できず。
そして松本の一方的な展開へと繋がってしまいます。
慌ただしい守備対応を強いられ、放たれるシュートはブロックで防ぐも、それがCKの量産を招き。
インプレーとセットプレーの双方で、ひたすら押し込まれてしまう長野。

攻めに攻める松本、前半のみで放ったシュートは14本。
しかし長野ディフェンスの粘りもあり、結局クロス攻勢の域を出ない攻撃へと持ち込まれ。
上げられるクロスをダイレクトで合わせてのシュートか、クリアボールをダイレクトで放つミドルシュートか、の二択となっていた感があり。
その結果枠外シュートのみが膨らんでいき、優勢の流れをモノに出来ません。

終盤の攻防を迎え、長野は42分、この日初めてゴールキックでGK金がロングフィードを選択。
落下点の森川の落としから好機が生まれ掛かるも、西村の右裏へのロングパスは長くなって繋がらず終わります。
一方攻め疲れが懸念される松本は、44分に右から前進の姿勢も取りやめ、中央~左ハーフレーンを使っての攻め。
山口が斜めの縦パスをエリア内へ入れると、菊井がスルーしたボールを奥で小松が抜け出して受け、その勢いのままシュートをゴールにねじ入れます。
しかしオフサイドを取られ、毛色の違う攻撃でゴールに辿り着くも無効となってしまい。

結局前半はスコアレスで終了。
建て直しが急務と思われた長野サイドも交代は行わず、そのままのメンバーで後半開始を迎えました。

しかし早々に左スローインを得ると奇襲を仕掛け、杉井は近くに投げ入れる素振りを長く続け、意識を振った隙に音泉がエリア内に入り込み。
そして杉井はすかさずそこに投げ込み、ほぼノーマークでジャンピングボレーの体勢に入った音泉でしたが、空振りしてしまうという残念な結果になります。

入りの段階で不意を突かれた格好となった松本。
後半2分、最終ラインから右での前進、藤谷が巧みな切り返しによる(ワイド→ハーフレーンへの)レーンチェンジで森川をかわしたのが効き。
そして菊井がクロスに辿り着き、ブロックされるも村越の繋ぎを受けて再度クロスを入れる菊井、ファーサイド奥に上がったボールを山口が脚で折り返し。
中央に小松が跳び込むその手前でGK金が触るも、こぼれ球を安永がダイレクトでシュート。
理想的な崩しだったものの、このフィニッシュも枠外に終わってしまい決められません。

長野も直後の3分、中盤で高橋のボール奪取から好機、三田のクロスがクリアされた後も敵陣右サイドでパスを繋ぎ続け。
そして奥へ切り込んだ音泉のグラウンダーでのクロスを森川が合わせ、ブロックに阻まれるも尚も繋がるパスワーク。
左から杉井クロス→中央で原田収めてポストプレイ→西村ミドルシュートと流れるように攻めましたが、これも常田のブロックに遭い先制ならず。
ディフェンスに遭ったのちも継続するという、波状攻撃の応酬を描きます。

長野は前半とは異なり、ゴールキックはロングフィードを第一とする振る舞いへと切り替え。
そしてそれは全て森川をターゲットとしたものと、理想とは外れたが故の苦しさを滲み出します。
山本大貴が故障離脱していた影響を感じさせるとともに、この日ベンチ入りしていた彼を何処で使うかがカギとなるのを予感させ。

一方、前半と同様にクロス攻勢を掛ける松本。
攻撃の軸となる山口・菊井が中を意識させつつ、山本龍が左奥を取ってクロスを入れるパターン。
そしてそれがファーに上がり、折り返すというシーンが目立つも崩しきるには至りません。

長野も19分に自陣からショートパスでのビルドアップを成功させ、左奥から杉井マイナスのクロス→ニアで山中ポストプレイ→森川ダイレクトでシュート(ブロック)とフィニッシュに繋げ。
すると直後の20分に再びゴールキックで短く繋ぐGK金。
やはり繋ぐ意識は、勇気だけでは無く成功体験も下地としなければ貫くのは難しい、といった流れでしょうか。
結局ここからの攻めは、左サイドでスルーパスの連続で素早くエリア内を突いたもののシュートは放てず。

しかし22分の松本、浮き球を米原が落とし、菊井が前を向いて拾ってドリブルに入りバイタル中央を突き。
ミドルシュートと見せかけて左ポケットへパスを送ると、受けた山口のシュートがGK金の右を破りますが、その後ろで高橋がブロックして防ぐ長野。
跳ね返りを拾った山口の再度のシュートも西村がブロックしますが、その後右CKを得た松本の好機は続き。
今度は小松のヘディングシュートがゴール右を襲いましたが、これもゴールライン寸前で大野が脚でブロックと、失点危機を凌ぎ続けます。

その後長野が交代準備、山本大の投入を図ったものの、長野サイドの反則で止まったかに思えた試合は素早い再開(と主審の判断)により認められず。
そして松本がCKに持ち込んだ(25分)事で再度見送られる交代。
そしてクリアののちに、エリア内で痛み倒れ込んだ池ヶ谷により試合が止まった所でようやく交代が認められました。
高橋→山本大へと交代した長野(杉井が3バックの左に入り、森川が左ウイングバック・山中が左シャドーへシフト)、同時に松本も村越→野澤へと交代。

しかしこの主審の判断により、松本のアタッキングサード付近でのドロップボールから再開となるイレギュラーに。
落とされたボールを菊井がダイレクトでエリア内に上げ、跳ね返りをさらに常田がエリア内へ放り込むもクリアし、何とか事故は防ぐ長野。

前半で8本ものCKがあった松本、後半もその流れは変わらず31分の時点で6本。
しかし後半は長野サイドもCKを得れるようになり、31分に3本目のCKから、クロスの跳ね返りを拾った山中がシュート。(枠外)
一方的な展開から持ち直し、しっかり守った末の一矢を放つ展開を作った長野。

それでも双方膨らむセットプレー故に、「今そこにある危機」という流れは不変であり。
32分に中盤での(大野の)反則により松本のFKとなり(蹴る前に長野は音泉→船橋へと交代)、菊井はほぼ中央へとロビングを送り。
そして常田が前へと落とした所に野澤が走り込む決定機となり、合わせてシュートするもGK金がこれをビッグセーブ。
またも寸での所で凌いだ長野、ここからカウンターに持ち込んだもののシュートは撃てずに終わり。

切り札としての活躍が見込まれた山本大ですが、中々決定的な仕事をする局面には持ち込めず。
ターゲット役としても攻撃を繋げられずと、復帰して2試合目では難しい状態だったでしょうか。

そして36分松本ベンチが動き、山本龍・山口→下川・渡邉へと2枚替え。
これにより小松・渡邉を2トップとした4-4-2となり、菊井が左サイドハーフに回ります。

その左に回った菊井、37分には敵陣でパスカットすると、そのままロングシュートを狙いましたが惜しくもゴール左へ外れ。
しかし直後の38分の長野の攻撃、ディフェンスに入ったものの、クロスの跳ね返りを拾った船橋を倒してしまい反則。
これでエリアからすぐ手前(右ハーフレーン)という位置で直接FKを与えてしまう事に。
攻守双方で試合を左右しかねない動きをしてしまった菊井でしたが、ここはキッカー船橋の直接シュートは壁を直撃。
その後のCKも、サインプレーでの大野のシュートも決まらずと、折角のセットプレーから決められない長野。

そして直後に試合は動きます。
決まるのは敵陣でのセットプレーか、あるいは流れの中での攻撃かという所で、そのどちらでも無い自陣からのFKであり。
松本がGK村山の放り込みを選択し、中央で渡邊がフリックしたボールがエリア内へ落ち。
そして野澤が入れ替わって前を向きそのままシュート体勢に入ると、前に出て来たGK金の上を抜くループシュートを選択。
ゴールへと吸い込まれ、41分という終盤でとうとう値千金の先制点が生まれました。

後は決死の守備を見せるのみ、という松本。
それが空回りしたかのように、43分に米原がアフターチャージで反則・警告を受ける場面もありましたが、すかさずその米原を退かせ。(住田と交代・同時に藤谷→橋内へと交代)
3バックへと変更し、守備固めの体勢に入ります。(前線は2トップのままか、渡邉1トップの3-4-2-1か区別し辛い)
同時に長野も杉井・西村・山中→小西・加藤・宮坂へと3枚替えを敢行し、最終局面を迎え。

長野は4-4-2へとシフトし、原田が左SH・森川がFWへと回り。
突入したアディショナルタイムでも、加藤を軸としたポゼッションスタイルでの攻めを選択したのは、やはり山本大のコンディションの問題だったでしょうか。
その加藤のロングパスを左サイド奥で受けた小西から、上がったクロスを合わせた山本大でしたが、枠外に終わり決められず。

結局目安が6分あったATも、松本の執拗に右奥に切り込む姿勢に難儀する長野。
時間を使われた末に、試合終了の時が訪れ。
リベンジを果たして歓喜に沸いた松本ですが、本当の喜びの瞬間(J2昇格)を迎えるにはまだこれからという状況。
それでも弾みを付ける切欠は得て、後は前向きに残り試合に挑みたい所でしょう。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第31節 奈良クラブvs福島ユナイテッドFC

2023-10-17 16:03:14 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

今季からJに参入した、奈良のホームスタジアムを未だ観ていなかったと思いつつ視聴。

そのロートフィールド奈良は電光掲示板が無く、選手名はピッチ脇のボードによる表示(に加え、選手の顔写真が添えられていた)という、昔風の味がふんだんに残された環境となっており。
こうした状況から、いかに上位カテゴリに向けて規模を上げていくかが、J2ライセンスが無い状況では当面の課題でしょう。(今季のライセンス審査発表は未だ先ですが)
それにも拘らず、成績的にはJ2昇格も夢では無い位置をキープしているというのが逆に悩ましくもあり。
来たる時に備え、粛々とバックボーンを整えつつ……という姿勢の下、サッカーでも確固たるスタイルを築いている最中といった1年目でしょうか。

そんな状況の、奈良のホームへと乗り込んだ福島。
奈良が前回(23節・FC大阪戦、1-0)観たような、サッカーの形を落ち着けながら……という姿勢を取るのを突き、立ち上がりから果敢に敵陣でサッカーを展開します。
スルーパス中心に深さを取り、獲得した左スローインから好機を作る、という攻撃を繰り返し。
特に前半2分、スロワーの田中が奈良のブロック間を直接通して投げ入れ、雪江ポストプレイ→吉永ダイレクトでスルーパスという繋ぎをしたのが効いた感がありました。(走り込んだ森晃には繋がらず)

こうして押し込んだのちに、ポゼッションを確保しての攻撃も巧くいき。
迎えた7分、最終ラインからのパスワークで運んでいき、一度はポストプレイで降りてきた雪江が右サイドで柴田のスルーパスに走り込んで低いクロス。
これが寺村のクリアミスもありファーサイド・ゴールに近い位置で田中が収める絶好機となると、中央へのヒールパスを吉永が2タッチでポストプレイし、受けた森晃がシュート。
しかしこの至近距離でのフィニッシュをGK岡田がセーブと、紙一重で凌いだ奈良。
出来れば森晃はダイレクトで撃ちたかった場面でしたが、相手ミスも絡んでの好機故に判断が難しかったでしょうか。

決定機を逃した福島ですが、以降も攻撃権を支配。
アンカーシステム気味だった前回(28節・相模原戦、1-1)とは異なり、オーソドックスなドイスボランチの体勢による5-2-3の守備隊形を採っていました。
攻撃時は、ボランチの片割れで出場している吉永がサイドに張り出しパスワークに絡む姿勢は変わらず。
これにより三角形ならぬ、四角形にも見える形でパスを繋いで隙を見出すビルドアップが目立ちましたが、その中でのダイレクトパスがやや乱れがちにも映り。
好機はセットプレーからで、11分には左奥でのスローインから、直接ポケットに投げ入れた所を雪江ポストプレイ→田中シュートと素早くフィニッシュに。(桑島がブロック)
17分には同じく左奥で今度はフリーキック、キッカー森晃のクロスをニアサイドで大武が合わせヘディングシュート。(枠外)

劣勢の奈良、ポゼッションを確保したい序盤でしたが反対の流れを強いられ。
この日は前回と違って中島が降りてくる頻度は抑え気味となり、アンカー(森田)のスタイルを保ってのビルドアップに努めていた感があり。
その一方で前線が流動的で、桑島が中に絞って縦パスを受けに来る動きが最も目立っていたでしょうか。
それでも中々アタッキングサードまで運べないという状況。
最初の攻撃機会である3分に、加藤がドリブルで剥がして敵陣に持ち込むというシーンがありましたが、流れの悪さに伴い加藤が自ら運ぶ頻度が多くなっていたこの日。

一方で守備時は、山本宗をトップにした4-4-2の布陣を取るのは以前と同様であり。
しかし前線の可変具合により、福島ボールに切り替わった際にスムーズに移行できていない感がありました。
ゲーゲンプレスの色を強めていたものの、それに伴い球際に強くいく意識も高まり反則も増え。
27分には森晃のボールキープに対しチャージした寺村が警告を受けてしまい。

このままでは被害が広がるのみと判断したか、ポジションを微調整する奈良。
中央でのプレーが目立っていた桑島を、山本宗の居たインサイドハーフ(兼トップ下)へと移し、ウイングは右に浅川・左に山本宗。
これによりトランジションの際にも気を使う事が減ったでしょうか。
また福島のサイド攻撃を阻めずにいたのを受け、トップ下が前に出ずの4-5-1で守備をする事が目立つようになります。

以降の奈良は、目立っていた加藤の前進も絡ませながらの、左サイドに人を集めたのちにサイドを変えての攻撃に活路を見出し。
高めの位置で受けた寺村がそのままアーリークロスを送り、34分には山本宗の落としを経て中島がボレーシュート。(枠外)
36分には中央で浅川がヘディングシュート(枠外)と、ようやくフィニッシュに辿り着ける流れを得ます。

そして前半最後のシュートは奈良で44分。
右サイドから斜めの縦パスの連続で運んでいき、中島がハーフレーン→ポケットへのスルーパス。
走り込んだ桑島のクロスはブロックされるも、拾った酒井の戻しを受けた森田が中央からシュート。
ブロックされた跳ね返りを中島がミドルシュート(大武がヘッドでブロック)と連撃を放ったものの、決められず。

結局スコアレスのまま前半が終了。
奈良は山本宗がポジションをサイドに移したのを受けてか、微調整すべくハーフタイムで西田と交代して後半に臨みました。

代わって左WGに入った西田から、連続してクロスが入れられたのが後半3分の事。
しかしそれを跳ね返し続けた福島がカウンターに持っていき、森晃のスルーパスに田中が走り込んだものの、戻った浅川のディフェンスで阻まれ。

激しい切り替わりを予感させる入りとなると、その通りに敵陣でのパスカットから好機を連続して作る福島。(4~5分)
福島優勢を予感させたものの、続く6分に最終ラインからの前進を経て浅川がミドルシュートを放った奈良。
ブロックされてコーナーキックとなると、クロスの跳ね返りを拾い続けた末に、左ポケットを取った浅川が4本目のクロス。
これを鈴木がヘディングで合わせたものの、ゴール上へと外れ。

しかし8分自陣での柴田のドリブルに対し、西田が後ろから引っ張る形で反則を犯した結果警告を受け。
更に10分、敵陣でパスカットに成功した西田でしたが、こぼれ球を拾った上畑に対しスライディングで倒してしまいまた反則。
2枚目を受けても可笑しくないシーンでしたが、何とか注意に留まり命拾いとなりました。

この西田の姿勢に引っ張られるように、中盤で激しい奪い合いにより幾度もトランジションが発生したのが12分。
その末にタッチを割るという具合に、互角の様相となってきた試合展開。
前半は5-2-3・5-4-1といった守備体制の福島も、後半になると前回同様の、森晃が最前線に上がっての5-3-2を選択したのもそれに拍車を掛けていたようでした。(11分に森晃→長野へと交代)

奈良は14分に西田・寺村が相次いで遠目からミドルシュートを放つ攻撃。(前者はブロック・後者は枠外)
前半好機が少なかったのを受け、積極的な意識を高めていたでしょうか。
16分には左スローインからの戻しを経て、森田が薄くなっていた中央を持ち運び、そのままミドルシュート。
福島ディフェンスの寄せが甘かったのもあり、決まったかに思えましたが惜しくもゴール左へと外れて先制はなりません。

ここから福島へとペースが切り替わり。
左右のセンターバックも前に出てのパスワークに対し、奈良は防ぎにいった結果再び反則を量産させる流れとなってしまいます。
これにより得たFKで脅かさんとする福島、18分に右サイドからのFKでキッカー上畑のクロスを、中央で跳ぶ大武を越えた奥で堂鼻がヘディングシュート。(GK岡田キャッチ)
20分にも敵陣で奪ってのショートカウンターの流れを(中島の)反則で止められると、FKの前にベンチは2枚替え。(塩浜・雪江→宮崎・澤上)
ここも上畑のクロスに大武が跳ぶも惜しくも合わずと、大武というターゲットが活きる展開になっていきます。
(奈良は23分に森田→可児へと交代、中島がアンカーに回る)

そして26分、右からの上畑のクロスがブロックされ、今度はCKに持ち込んだ福島。
これまで再三大武を狙っていたのを逆手に取るように、キッカー上畑はニアサイドにクロスを送ると、柴田の潰れを尻目に長野が脚で合わせ。
ニアを破る格好でゴールネットに突き刺さり、セットプレーの流れで仕留めきって先制点に辿り着きました。

追う立場となった奈良。
後半も半ばを過ぎている時間帯で、このままでは「ボールを持たされる展開」に持ち込まれる危惧が現実味を帯び。

しかし29分。
その通りに自陣~中盤でパスを繋いでいくも、右サイドで寺村が中央へとミドルパス。
桑島の手前でカットされるも、セカンドボールを西田が拾った事で守備陣形が乱れた所を突く奈良。
西田のパスをエリア内中央で受けた浅川が左へ横パスを叩き、託された酒井がダイレクトでシュート。
ゴールに突き刺さり、早期に同点に追い付く事に成功します。

その勢いのままに、続く30分にも好機に持ち込む奈良、浅川のディフェンスでのこぼれ球を拾った加藤がこの日再三見せるドリブルに入り。
そして中央へパスを送ると、ワントラップでエリア内に切り込んだ桑島のシュートがゴールを襲います。
しかし体勢を崩しながらのシュートだった事が災いし、威力に欠けた末に右ポストを叩いてしまい、惜しくも勝ち越しはならず。

32分に、福島の左からのクロスをダイレクトでキャッチしたGK岡田、その際に足を痛めてしまったようで治療を受け。
このブレイクで奈良の勢いは弱まりを見せ(岡田は無事にプレー続行)、長野の反撃に。
35分に敵陣で奪ってショートカウンターに持ち込み、上畑の縦パスを受けた澤上がシュートを放つもGK岡田がキャッチ。
39分にも素早い運びから左ポケットを突いた長野がカットインシュートを放つも、これもGK岡田にキャッチされ決められずと、岡田の無事ぶりを確かめるような攻めに終始してしまいました。
その間に双方最後の交代を敢行し、奈良が37分に桑島・酒井→片岡・森俊介。
福島が38分に上畑・柴田→樋口・古林と、双方2枚替え。
福島はこの交代で樋口の1トップとなり長野・澤上がシャドー、吉永・宮崎がボランチと微調整したうえで、再び5-4-1の守備体制を取り始め。

40分に右サイド遠目からのFKを得た奈良、キッカー中島のクロスは中央でワンバウンドするボールに。
これを鈴木が跳び込んで合わせ、右へ中途半端に浮いたボールを片岡が脚で合わせシュート。
しかしサイドネット外に終わり決めきれず。

均衡した流れで迎えた最終盤、試合を決めるのは思いきった変化か、あるいはちょっとしたミスか。
45分の奈良、左サイドを繋いでいき森俊が加藤とのワンツーでカットインを変化を付け。
これで崩しかけたものの、その後の寺村へのパスをカットされてしまい福島のカウンターに。(長野→田中へのスルーパスが繋がらず)

勿体無い攻めとなってしまった奈良ですが、選択権はその手中にあったようで。
その後突入したアディショナルタイムも、安易なパワープレイには入らず最後方からパスを回していく姿勢を貫き。

そして最後方の鈴木が右へパスを送ると同時に最前線に走り込み、寺村のアーリークロスを後方から合わせにいくシーンを作ります。
しかし叩きつけたヘディングシュートはGK山本海がキャッチと、巧く変化で意表を突いたものの結果は付いてきませんでした。

結局1-1のまま試合が終了し、引き分けに終わり。
奈良は堅い守備とボールポゼッションにより、ゲームをコントロールする下地は見せたものの勝ちきれず。
組織力満点のチームが「あとは個の力が課題」という状況に陥るのをなぞる様ですが、それを解決するにはグラウンドレベルのみでは難しく。
気の遠くなる話ですが、じっくり力を蓄える他無いといった感じでしょうか。

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