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2月20日:宇宙の背景にアインシュタインリングを発見

2025年02月20日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ユークリッド、宇宙の背景にアインシュタインリングを発見

<イメージの説明>: ユークリッド望遠鏡が捉えた銀河NGC 6505の中心を囲む光の輪は、アインシュタイン・リングの一例である。NGC 6505が重力レンズとして働き、はるか後ろの銀河からの光を曲げている。

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NASAの貢献を受けたヨーロッパ宇宙機関(ESA)のミッションであるユークリッド(Euclid)は、我々の宇宙の裏庭で、アインシュタイン・リングと呼ばれる現象の驚くべき発見をした。

アインシュタイン・リングは、遠くの銀河からの光が曲がってリングをつくり、前景のオブジェクトと並んで見えるものである。この名前は、アルバート・アインシュタインに敬意を表しており、彼の一般相対性理論では、光は宇宙の物体の周りで曲がったり明るくなったりすると予測している。

銀河や銀河団のような特に重い天体は、このように宇宙の虫眼鏡の役割を果たし、さらに遠くの天体を視界に引き込む。科学者達はこれを重力レンズと呼んでいる。

このリングは、地球から約5億9000万光年離れたりゅう座にあるNGC 6505と呼ばれるよく研究された楕円銀河の中心を取り囲んで見えている。遠くのように聞こえるかも知れないが、全宇宙のスケールで見れば、NGC 6505はすぐ近くにある。ユークリッドの高解像度機器のおかげで、銀河を取り巻く光の輪が初めて検出された。

約44億2000万光年離れた、はるかに遠く明るい銀河からの光がこのイメージのリングを作り出している。この光が我々に向かって移動するときに重力が歪めた。この遠く離れた銀河は、これまで観測されたことがなく、まだ名前も決まっていない。

アインシュタインリングは、科学者達が宇宙の多くの謎を探求するための豊かな実験室である。例えば、ダークマターと呼ばれる目に見えない物質は、光をリング状に曲げることに寄与するために、これは間接的にダークマターを研究する方法でもある。アインシュタインリングは、我々とこれらの銀河の間の空間(前景と背景の両方)に広がっていることから、宇宙の膨張にも関連している。科学者達は、背景の銀河自体についても学ぶことができる。

ユークリッドは、宇宙の歴史を通じて宇宙がどのように拡大し、形成されたかを探求することによって、重力の役割と暗黒エネルギーと暗黒物質の性質についてさらに明らかにする。ダークエネルギーは、宇宙の膨張を引き起こしているように見える謎の力である。この宇宙望遠鏡は、空の3分の1以上をマッピングし、100億光年までの数十億の銀河を観測する。約10万個の強い重力レンズが見つかると予想されている。

ユークリッドは2023年7月1日に打上げられ、2024年2月14日に空の詳細な調査を開始した。このミッションは、これまでで最も広範な宇宙の3Dマップを徐々に作成している。アインシュタイン・リングがミッションの非常に早い段階で発見されたことは、ユークリッドが宇宙のさらに多くの秘密を明らかにする道を進んでいることを示している。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Elizabeth R. Landau(著者名です)

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