MUSIC IS THE SCENERY

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<アルバム・レヴュー>Basia Bulat「Oh, My Darling」

2007-04-12 03:27:57 | レヴュー
The Smithsなどで有名な英国のRough Tradeから、カナディアン・シンガー・ソングライターBasia Bulatのファースト・アルバムがどういうわけか日本先行発売されました。既にネット上で何曲か聴いていたので雰囲気はわかっていましたが、アルバム通して聴いてみて、改めて楽曲の良さと少しハスキーで存在感のあるヴォーカルに圧倒されました。とても23歳とは思えません。

海外のブログなどを見てみると、同じカナダのインディーズ界の女性シンガー・ソングライターFeistを引き合いに出したものが多かったのですが、確かに少し似た面も感じましたが、この人のほうがよりストレートなアプローチです。アコースティックなバンド形式を取っていて、ハープ、ウクレレ、ヴィオラ、チェロ、フルートなどクラシックな楽器を効果的に取り入れています。バンド形式にしたことで音に厚みが出ました。フォークがベースになっていて、カントリーやロック調の曲も目立つのですが、少しジャジーな面もありJoni Mitchellを感じさせてくれるところもありました。

やや重めのハンドクラップが聴き手をつかむシングル曲の「I Was A Daughter」、2年前のEP曲を再録した鬼気迫るようなヴォーカルの「Snakes And Ladders」あたりが聴きどころですが、個人的なベスト・トラックはカントリー・タッチの美しいスロー・ナンバー「December」でした。この曲のヴォーカルは静かな中にも迫力を感じさせてくれ、早くも名曲の風格すら感じられました。他も実に練られた良い曲が並んでいるので当分聴き込みが必要なスケールの大きな作品です。シンプルな曲なのに不思議です。少し褒めすぎかなという気もしますが、もしかしたら今年のベスト・アルバムはこれになるかも知れません。

それにしても日本盤とはいえ訳詞はおろか、歌詞やライナーさえも付いていませんでした。おかげで新しい情報は何も得られませんでした。

http://www.myspace.com/basiamyspace
http://www.basiabulat.com/
コメント (2)
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