Camera Obscuraの音楽は、60年代サウンドを取り入れた
ギターポップというのが大方の見方ですが
新作『My Maudlin Career』を繰り返し聴いていると
60年代よりも80年代の方を強く感じてしまいます。
前作『Let's Get Out of This Country』収録の
シングル曲「Lloyd, I'm Ready to Be Heartbroken」は
同郷・スコットランドの先輩Lloyd Coleへのオマージュであり
The Commotions時代の「Are You Ready To Be Heartbroken?」(84年)の
アンサー・ソングのような形を取っていました。
今回のタイトルのMy Maudlin Career。
この字面を追って思い出すのがMorrisseyのファースト・アルバム
『Viva Hate』に収められた「Late Night, Maudlin Street」(88年)。
The Smiths時代と違ってなんともメロドラマ的な凄い曲でしたが
この「maudlin」という単語を使っている曲は
過去にはこの曲しか知りません。
曲名からいうと、前述のLloyd Cole and The Commotionsの
セカンド・アルバム『Easy Pieces』に「James」という曲がありましたが
Camera Obscuraの新作にも同じタイトルの曲があります。
さらに「Swans」はPrefab Sproutの同名曲(曲自体は97年)を、
「Careless Love」はEverything But The Girlの「Careless」(86年)を
思い浮かべてしまいます。
Tracyanne Campbell ↑ ↓Tracey Thorn
まあここまでは、ほとんどこじつけなのですが
今回の流麗なストリングスを聴いていると
曲によってはEverything But The Girlの3枚目のアルバム
『Baby, The Stars Shine Bright』(86年)に近いものを感じてしまいます。
壮大なオーケストラ・サウンドを導入したゴージャスな作品です。
そしてEBTGといえばTracey Thorn。
今までCamera ObscuraとEBTGを結びつけて考えたことはなかったですが
今作でのTracyanne Campbellのヴォーカルは
曲によってほんの少しTraceyに似ているかなと思いました。
声や歌い方が似ているというわけではないですが
どことなく雰囲気が。
名前も似ているし、そういえば顔もなんとなく。
と、ここまで書いたところでApple Crumble Recordのページを見たら
7インチ「French Navy」が載っていたのですが
「Bはアルバム未収録で、ハワイアン風味のゆったりとした
ギター・サウンドにTRACEY THORNみたいな女性ボーカルの
メロディアス・ナイス・ソング!」
とありました。
これは偶然ではないと思います。
それにしてもこの曲もかなり気になります。
というわけでCamera Obscuraは60年代よりも
80年代に憧憬を抱いているのではということを言いたかったのですが
だいぶ前に「Eighties Fan」と公言していました↓
http://www.youtube.com/watch?v=UjftSv3zq1w
EBTGの『Baby, The Stars Shine Bright』も
久々に聴いたらクセになりそうです。