MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

<この1枚>Where'd You Learn To Kiss That Way?

2007-06-07 23:58:21 | この1枚
98年にShinkansenから発売になったThe Field Miceの2枚組コンピレイションCDで、彼らの曲のほぼ9割を収録しています。
The Field MiceはBobby Wratten(g/vo)とMichael Hiscock(b)の2人によって80年代後半に南ロンドンで結成、マンチェスターのFactoryレーベルへの憧れが強かったようですが、結局は彼らを受け入れてくれたブリストルのSarahから88年にシングル「Emma's House」でデビュー。女性のAnnemari Davies(vo/key)、Another Sunny Dayの活動と並行したHarvey Williams(g)、Mark Dobson(d)を加え5人編成になり、91年までにアルバム4枚とシングル・EPを7枚残して解散します。

ネオアコの枠の中で語られることが多いバンドですが、Factoryへの憧れはサウンドにも表れていて少しノイジーなギター・サウンドが特徴です。セカンド・シングル「Sensitive」や「It Isn't Forever」などはシューゲイザーといっても良いほどのノイジーな曲です。そのほか少し明るめな「If You Need Someone」「September's Not So Far Away」、やや哀愁を帯びた「When Morning Comes To Town」」「Indian Ocean」、ダンサブルでポップな「This Love Is Not Wrong」、ヒプノティックな「Let's Kiss And Make Up」「Tilting At Windmills」、ギターのアルペジオもきれいな正統派ネオアコの「Willow」「And Before The First Kiss」と、タイプの違った曲が36曲並ぶのですが、不思議とどの曲も統一された透明感で包まれています。収録曲中、捨て曲は全くありません。Bobbyの決して上手とは言えないヴォーカルも、数曲ですがきれいな声を聴かせてくれるAnnemariのヴォーカルも、そんな曲に実によく合っています。

私の場合は、聴いてすぐに良さがわかるタイプのバンドではありませんでしたが、聴き込んでいくうちにジワジワと好きになりやがて中毒になってしまうほどでした。彼らの音楽は現在のインディーズ・バンドにしっかりと受け継がれています。とくにスウェーデンのLabradorやHybrisなどのレーベルでは彼らを手本としたバンドが多く見受けられます。

Bobby、Annemari、Markの3人は解散後Northern Picture Libraryを結成、その後BobbyらはTrembling Blue Starsで活動し7作目のアルバムを出したばかりです。

The Field MiceのMySpace↓
http://www.myspace.com/thefieldmicesarah
http://www.myspace.com/thefieldmice1243
The Field Miceのライヴ音源↓
http://catherine.poinsignon.free.fr/Field.htm
Trembling Blue StarsのMySpace↓
http://www.myspace.com/tremblingbluestars

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<アーティスト33>ちょっぴり恥ずかしい「Cheryl Ladd」

2007-06-06 02:34:07 | アーティスト紹介
Cheryl Ladd(シェリル・ラッド)は、TV版「チャーリーズ・エンジェル」の人です。そしてVSOPのTV・CMの人です。しかし最初に知ったのは歌手としてでした。というのも、この人が初めて出た「チャーリーズ・エンジェル」シーズン2は米国では77-78年の放映でしたが、日本では1年遅れの78年秋からでした。
当時はラジオのビルボード・カウントダウン番組「全米トップ40」をほぼ毎週欠かさずに聴いていましたが、Cheryl Laddのデビュー曲「Think It Over」(天使のためいき)がチャートインしたのが78年8月26日のことで37位でした。最高位が9月9日付で34位、わずか3週間だけのランクインです。
この曲は88年の「Piano In The Dark」で有名なカナダの黒人シンガー・ソングライターBrenda Russellの作品で、Brenda自身の79年のファースト・アルバムにも収録されています。そしてこれ以後、米国ではCheryl Laddの曲がヒットチャートに入ってくることは2度とありませんでした。
日本ではアルバムを2枚出した後、VSOP絡みで80年に「Where Is Someone To Love Me」(ダンシング・アメリカン) がヒットします。ちなみにこの曲以降の作品は日本のみの発売で、米国ではリリースされていないようです。

「チャーリーズ・エンジェル」は、降板したFarrah Fawcett-Majorsの妹役という設定でシーズン2から最後のシーズン5までずっと出演しますが、シーズン2ではこの人が歌うシーンが幾度となく出てきています。少しハスキーな声で、体が小さい割にはパンチのある歌を聴かせてくれました。アーティストというには少し恥ずかしいですが、耳と目の両方で楽しませてくれたシンガーです。
写真はアメリカのファンクラブの会員認定証です。あ、これまた恥ずかしいですな(ボスレー風に)。

ファンによるMySpace↓
http://www.myspace.com/cherylladdfan
公式サイト。かなりの曲が聴けてDLもできます↓
http://www.cherylladd.com/music.html
初めて撃った時の映像です↓
http://www.youtube.com/watch?v=H_c-TCBRCuc

<Cheryl Ladd マイ・ベスト5>
①Lady Gray
②Think It Over
③Dance Forever
④Walking In The Rain
⑤Better Days
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<新曲・新アーティスト>ネットで見つけた新アーティスト

2007-06-05 02:37:16 | 新アーティスト・新曲
Love Is All(=写真)
05年にアルバム「Nine Times That Same Song」を、今年3月には7インチでPastelsのカヴァー「Nothing To Be Done」を出しているスウェーデンの紅一点バンドです。このバンドの前身は98年にスペイン・シエスタと日本のバンビーニからデビュー・アルバムを発売したGirlfrendoです。パンキッシュでオシャレなサウンドで少し話題を集め、その後01年にセカンド・アルバムを出しましたが、こちらはグッと落ち着いたサウンドに変わりました。Love Is Allではまたパンキッシュに逆戻りし、おまけにオシャレさも影を潜め、ただひたすらノリの良いサウンドへと変貌を遂げています。試行錯誤の末に見つけた自分たちのやりたい音楽だと思います。
Love Is AllのMySpace↓
http://www.myspace.com/loveisall8
ファースト・アルバムからのシングル曲↓
http://www.youtube.com/watch?v=QQfQBZDNJJk
GirlfrendoのMySpace↓
http://www.myspace.com/girlfrendo
採点:★★★★★★☆☆☆☆


This Years Model
1ヵ月半ほど前に紹介したスウェーデン人女性アーティストのFriday Bridgeですが、ニュー・アルバムがApple Crumble Recordに入荷されています。その解説でわかったのですが、この人はThis Years Modelというバンドの紅一点メンバーYLVA Lindbergという名前のようです。このバンドは骨太ギター・サウンドのThe Higher Elevationsとして活動する男性シンガーNiklas Gustafssonを中心とした4人組のようで、ピュア60's影響下にあるインディ・ポップとのことです。ヴォーカル・スタイルはどことなくThe Farmer's BoysのBazに似ています。近くアルバムが出るようです。
This Years ModelのMySpace↓
http://www.myspace.com/thisyearsmodelpop
Friday BridgeのMySpace↓(2曲入れ替わりました)
http://www.myspace.com/fridaybridge
採点:★★★★★★★☆☆☆
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<トピックス>強力新譜、また続々と

2007-06-04 01:23:38 | トピックス
3、4ヵ月前までは月に5回も更新すれば多いくらいだった当ブログですが、このところ2ヵ月連続して15回を超えています。それに比例してなのかCD購入費用が少し嵩んできています。購入予定のもので先延ばしにしているものも何枚かある状態ですが、きょうHMVのホームページを見てみると欲しい新譜がまた数枚見つかってしまいました。

まずはSuzanne VegaのBlue Note Records移籍第1弾の6年ぶり7作目「Beauty & Crime」輸入盤があす4日発売予定です。前作は離婚のショックなどもありあまり評判が良くなかったので見送ったのですが、今回は何やら期待できそうです。7月11日には日本盤も出るようですが、1ヵ月の差と金額の差を考えれば輸入盤になりそうです。
http://www.myspace.com/suzannevega

続いてはJamesの再始動を記念してのベスト盤「Fresh As A Daisy: Singles」。輸入盤の限定2枚組エディションが5日に発売です。90年前後の“マッドチェスター”期にブレイクした英国バンドですが、この限定2枚組にはファースト・アルバム前のシングル作品が入っているのが魅力です。アナログでは85年に日本発売された「“Village Fire”Five Offerings From James」(=写真)の5曲です。うち1曲は以前に出たベスト盤に収録されましたが、4曲は今回初CD化です。密かに待ち望んでいました。
http://www.myspace.com/jamesisnotaperson

そして既に輸入盤が出ているModest Mouseの「We Were Dead Before the Ship Even Sank」国内盤が6日に発売です。こちらは初期の頃は米国のKレーベルにいた人気インディーズ・バンドで、今作ではあのThe SmithsのJohnny Marrが正式メンバーになっています。ビルボードのアルバム・チャートでは1位を獲得しています。今年のサマーソニックの目玉はこのバンドです。国内盤で欲しいところですが、輸入盤にすればマルチバイが適用されるので・・・。
http://www.myspace.com/modestmouse
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<この1枚>「Our Floating Images Of Youth」②

2007-06-03 00:14:07 | この1枚
Vinyl Japanのこのコンピに収録されたアーティストで、かなり共通点の多い2つのバンドがあります。
「Caroline」という曲のStrawberry Storyと、「Sarah」という曲のFat Tulipsです。ともに紅一点バンドで80年代後半の結成、ややノイジーでパンキッシュなギター・サウンドに女性の爽やかなヴォーカルという組み合わせ、そして収録曲のタイトルがどちらも女性の名前です。
ともに80年代中頃に出てきたTalulah Goshの影響が強いようですが、両バンドともAmelia Fletcherとはまた一味違った女性ヴォーカルが魅力的です。

5人組のStrawberry Storyは88年にシングル・デビュー、93年にはシングルと未発表曲を集めたコンピレイション・アルバム「Clamming For It」をVinyl Japanから出しています。ハードでエッジの効いた曲とスローな曲のバランスが良く、Hayley Greenberg=写真=のキュートなハイトーン・ヴォイスが曲の良さを際立たせています。MySpaceの「Precious」という曲などは胸にグッと来るピュアな曲です。もうとっくに消滅してしまったのかと思っていましたが、MySpaceにはライブの予定が出ていました。
http://www.myspace.com/strawberrystory

もう一方のFat Tulipsはノッティンガムの4人組。80年代後半から活動をはじめ、ヴォーカルが続いて2人脱退し、ギターのSheggi Clarksonがヴォーカリストとして定着します。94年には唯一のアルバム「Starfish」をVinyl Japanからリリースしています。Wedding Presentからも影響を受けているようで、ノイジー度合いはStrawberry Storyよりも強いです。バンドのHPの右下の方をクリックすると、Spandau Ballet「To Cut A Long Story Short」のカヴァーをダウンロードできます。
http://www.myspace.com/fattulips
http://www.spikey.com/fattulips/

そしてこの2つのバンドのもうひとつの共通点はWaaah!での活動です。
Strawberry Storyは「Close My Eyes」「Caroline」入りのファンジンをWaaah!から出しています。
http://www.bubbyworld.com/waaah/bull2-0.htm
Waaah!のコンピレイションにはStrawberry Storyの「Ashlands Road」、Fat Tulipsは「James」が収録されています。
http://www.bubbyworld.com/waaah/bull3-0.htm
このレーベルの作品はほとんどが品切れですが、上記ページでかなりの曲をMP3でダウンロードできてしまいます。

MySpaceのフレンドリスト欄にお互いの名前があるように、仲良しバンドのようです。
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<この1枚>「Our Floating Images Of Youth」①

2007-06-02 11:30:16 | この1枚
“Vinyl Japan label presents pure-pop compilation”のサブタイトルが付いたコンピレイション盤で、ロンドンに本拠を置くVinyl Japanのロット・ナンバー100を記念して99年に発売されたものです。
Vinyl Japanといえば80-90年代の英国インディーズ・アーティスト作品の再発で有名なレーベルですが、このコンピは豪華です。2枚組CD(LPは3枚組)で、当時レーベルと契約のあった44アーティストの曲が収められているのですが、その内容が驚くほどです。有名なところではBMX Bandits、Girls At Our Best、Mighty Mighty、Weekend、Television Personalities、Jim Jiminee、The Hit Parade、Dislocation Dance、The Chesterfields、Northern Picture Library、One Thousand Violins、The Man From Delmonte、The Monochrome Setなどが並び、その他にもDreamworldからシングル1枚を残して消えてしまったBlue Trainの「Land Of Gold」、RazorcutsのGregory Websterのソロ曲「Winter」、St. ChristopherのSarah時代の曲「All Of A Tremble」など少し貴重な音源も含まれています。

主な収録曲はこんな感じです。
St. Christopher「All Of A Tremble」↓(少し音が変ですが)
http://www.myspace.com/stchristophersarah
Northern Picture Library「Love Song For The Dead Che」↓
http://www.myspace.com/northernpicturelibrary
The Man From Delmonte「My Love Is Like A Gift」↓
http://www.youtube.com/watch?v=9MaiVck5Ris

次回はこのアルバムに収録されている2アーティストについて書きます。
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