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蛮幽鬼。

2013-10-18 01:14:08 | お芝居・テレビ
蛮幽鬼。

凄い字だと思いませんか?「蛮幽鬼」って。

字面がもう・・・怖いわ


2009年の上川隆也さん主演の舞台です。

物語は「巌窟王(がんくつおう)」(これも凄い字面)と言う小説をモチーフにした復讐劇。

巌窟王とはフランスの古典文学「モンテクリスト伯」と言う物語だそうです。

舞台・蛮幽鬼は2010年にゲキシネと言って、舞台を映像化する観劇方法で映画館で上映されました。

このゲキシネは劇団・新感線の舞台の映像化です。

ゲキシネ

今も各地の映画館にて上映されています。

私は品川プリンスシネマにて観て来ました。


上川隆也さんは「伊達土門(だてのどもん)」と言う役です。無実の罪で十年もの間、地獄の果ての様な「監獄島」と言う牢獄へ幽閉されます。

監獄島には堺 雅人さん扮する大殺人鬼も投獄されていました。

そうです。大殺人鬼です。怖いんですよ。あの御なじみの笑顔で殺人しますからね。

伊達土門は、この「サジ」と名乗る大殺人鬼の手を借りて監獄島からの脱出を試みます。

土門は「友人」として付き合っていた二人の男の嘘の証言により、親友を殺した罪で投獄されました。親友とは土門の婚約者の兄であり、土門の目の前で何者かに刺されて殺されたのです。

十年もの間、土門は自分を陥れた二人の男の事を憎み、恨み、いつかこの手で復讐を果たしてくれる、とそれだけを考えて生きて来ました。

薄暗く、劣悪な監獄の中にあって、憎しみ恨み生きて来た土門の髪はいつしか白髪に。

鏡の無い生活であったため、自分の姿などそれこそ十年間見た事のなかった土門。

サジの差し出した刀に映る自分の姿に

「これが俺かっ・・・たった十年でこんな・・・」

と愕然とします。そして改めて自分をこんな姿にした奴等への憎しみが燃え上がり、復讐を心に強く誓うのです。


物語は暗く、悲しいです。

痛ましく、ヒリヒリしています。

しかしながらロマンチックでもあり、観客の殆どは女性でありました。


この新感線と言う劇団の持つ特色なのか、暗いくせにあちこちに爆笑場面がちりばめてあり、映像として観ている映画館の観客も笑ってしまうのです。

私もこらえきれず、声を出して笑ってしまったシーンが二度程・・・



脱獄に成功した土門は、飛頭蛮(ひとうばん)と名乗って宗教の教祖と成り得ます。そして、自分を貶めた男達に近づき復讐のその時を待つのです。



誰が誰やら新感線のポスターってこう言うの多いですよね。一番上が稲森いずみさん、向かって左が上川隆也さん、右が堺 雅人さん、一番下が早乙女太一さん。

立ち回りが満載です。ほんとにかっこいい。早乙女太一さんはまるで踊っている様に、殺陣をこなします。今まで見たことない立ち回りです。大殺人鬼の堺さんも不気味な迫力をたたえた立ち回りです。上川さんはダイナミックです。白い髪をなびかせながらの立ち回りに観客女子達はメロメロです。そして皆やっぱりよく走る



飛頭蛮と呼ばれし土門。長い白髪、白い口髭、両腕を大きく広げ、人々を導きます。

この登場シーンは凄いカッコよかったです。監獄島での土門は伸び放題の髪と髭、汚れた囚人服から傷だらけの腕の見えていた姿でしたから、長い髪を後ろで綺麗な飾りのある髪留めでとめ、床をする程丈のある白い衣装をふわふわさせて階段を降りて来る様は神々しかったです。

ちなみに赤や青の石がついていた髪留めはこの時ぐらいで、物語がグッと深刻化してゆくこの先ではグレーかなんかの色味のあまりない飾りになっていました。

歌うんですよ。そして踊ります。1曲だけですけどね。

私には苦手なシーンです。分かんないんですよ・・・お芝居の中で歌ったり踊ったりが・・・。

どうしてもお芝居の歌の歌詞は好きになれない・・・。お芝居の中の歌なので、状況説明だったりして詞的でもなんともなく、「変なうた・・・。」って思ってしまう。

でも、飛頭蛮の曲は楽曲がとても良かったです。曲の展開も音色もとても良かった。

歌詞も「決めことば」みたいなのがあって、凄く歌詞っぽかった。

飛頭蛮として民を導く声としての歌声は、監獄島から助け出して連れて来た「ペナン」と言う女性の綺麗な歌声と相まって、なかなかすんなり聴けた気がします。




つづく

































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