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赤坂アクトシアターに観に行って来ました。
会場ロビーに入った途端、むせるような花々の香り。
ところ狭しと花が飾られていました。
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花の階段が出来てました
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こっちも
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こっちも全部いいんちょへのお花。
ずらぁ~りと並んでます
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舞台”真田十勇士”の「ハナ」より。
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同じく舞台”真田十勇士”「淀」より。
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春からのドラマ共演者、杏さんより。ゴチ先輩
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ゴチ先輩って言えば、この舞台の共演者の田山涼成さんもゴチ先輩ですね。
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”ゴチファミリー”より。
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水沢課長、さえこちゃん、ナオ、それから・・・・んもぅ、女子ばっか
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おっと
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他の出演者の方々への花も沢山で、もうとにかく、お花まみれで何かのお祭りみたいでございます。
だがしかし。
会場へ入ると、舞台セットは「石」の冷たく重い空気。
アタシは2階席。
このお話は悲劇と聞いてました。
事前にテレビで特番があったので、そちらは観ましたが、それ以上の事は知らずにいようと思って今日を迎えました。
演者の皆さんに今日、どんな物語なのかを伝えて欲しかったからです。
勿論自分の中の、「歴史上の西洋人を日本人が演じる違和感」との闘いでもあると思っていました。
だってそれは青い目の西洋人が「I am IEYASU TOKUGAWA!」と何の躊躇もなく名乗るのと同じだから。
「いやいやいや、違う違う違う!!」と思ってしまうのは当然。
でも、その人物の「生き様」を伝えるべく、熱い想いを胸にその人物の魂と共に笑い、怒り、泣き、愛し、苦しみ、生きてくれたなら、アタシは青い目の徳川家康も受け入れられると思うんです。
そこまで近づいて触れようとしているのなら、きっとその表現者に”魂”は降りて来ると思うから。
十代で女王になったジェーン・グレイを、透き通る様な美しさを持つ掘北真希さんが演じました。
「(舞台は)堂々と立つだけでも大変。」と仰ってましたが、彼女が白い衣装を着て暗がりにふわりと姿を現すとなんとも引き付けられてしまいました。
こんな可愛らしい女の子が処刑されるなんて。
まだ子供じゃないか。
このお話の登場人物であるロジャー・アスカムじゃなくても、キャサリン・パーじゃなくても、彼女をギュっと抱きしめたくなってしまいます。
なんとかしてジェーンの命を助ける方法はないものか。
ジェーンと精神的な繋がりの深かった家庭教師の上川ロジャーは、奔走します。
でも、最終的には「さよなら、ロジャー。」「さよなら、ジェーン。」と言い合う結末が待っています。
ジェーンはロジャーの言う事を受け入れず処刑されました。
でもそれは彼女が自分の意思を通し言う事を聞かなかったのではなく、「国の長として責任を取る」と言う事だったのです。
それはあまりにも十代の女の子にしては、しっかりしすぎ純粋すぎた決断でした。
と、同時に圧倒的に生きた時間が足りていない十代特有の不器用さに満ちていました。
彼女の周囲の大人達のように、もっと人間はあつかましくずるく生きてるものです。
ロジャーはその事を伝えようとします。生きるか死ぬかしかない、今は”うまくやる”事が先決だと。
しかし、彼女は首を縦にはふりませんでした。
彼女を心の深い場所で想っていたロジャーは、そんな彼女の清らかさに、もはや何も言えなくなってしまったんだと思います。
それが彼の想うジェーン・グレイそのものだったから。
きっと彼こそが、彼女のそんなところを一番愛していた気がするんです。
アタシは嫌でした。
ジェーン・グレイと言う女の子が首を斬られるなんて、絶対嫌でした。
断頭台が舞台に出て来た時、嫌な感じのドキドキがしました。
でも彼女は侍女達が卒倒してしまう断頭台にあって、自ら目隠しをし、刑を受けました。
ロジャーの「ジェーンの死は無駄ではなかった」と言う言葉と共に、二人が初めて出会って話した場面が再現されます。
そのシーンがなんとも愛おしかったです。
本当に「回想場面」のように、もやがかって見えました。
ジェーンが舞台上で発する最後の台詞に心打たれました。
”ブラックバード”に語りかける、その最後の言葉。
ブラックバードとは、どんな存在なんでしょうか。
彼女の奏でる無国籍でありながら、どこかアイルランドの風景が見えて来る様な旋律は、まるで風のように舞台上を漂います。
ジェーンが最後の言葉を語りかける時の曲で、涙が出そうになってしまいました。
とても心に響きました。
「彼女の死は無駄じゃなかった」とアタシも思いたい。
彼女は精一杯、誇り高く生きたと。
「歴史上の西洋人を日本人が演じる違和感」とか、もうどうでもいいか、などと思いながら大拍手している自分がおりました。
演者の皆様は本日もふつつかなアタシの手を取って、物語の中に連れて行って下さいました。
どんなお話だったか伝えて下さり、ありがとうございました。
取りあえず、今日はここまでにします。