べビメタちゃん月間も終わり、衝撃的な感動にうちのめされた舞台「はじめの一歩」も終わり、お金も飛んで行き、押し寄せてる喪失感。
色んな物にロス。
おまけに花粉症、コロナウィルス、なのに週末主人の家族と旅行。
嫌なんですけどー。
BRING ME THE HORIZON聴くと泣きそうになるんですけどー。
なんなのこの気持ち。全部終わっちゃったの?
弱虫。
何故か最近、「白い巨塔」再放送しているよね?
なのでこのブログにもアクセスがあります。
飛んで自分でも読んでみたけど、やはり財前教授の最期、里見先生とのシーンは涙目。
そんな事がきっかけで、このブログの過去記事を色々読んでみました。
色々観て色々書いて来たけれど、読み返して「これ凄かったなぁ。」と思い出したのは、初演の「クロードと一緒に」でした。
相馬圭祐さん、稲葉友さんが彼=イーブを演じた舞台。初演は2014年だったんですね。
ダブルキャストでどちらも1度しか観ていないのに、鮮明に覚えてる。
泣いてた。
なんで泣くのか分からないまま泣いてた。
お客さんが終演しても立ち上がれないと言うのを初めて見た。
再演からイーブ役を松田凌さんが演じて、それから去年の”クロードと一緒に”(朗読劇を含む)としては4度目の再演までずっと松田さんはイーブを演じています。
アタシはこの”クロード”がきっかけで松田さんのお芝居を観に行くようになりました。
去年の横浜赤レンガを会場にした公演では、相馬さんと初演でギィを演じた井上さんが観に来ていたみたい。
相馬さんのイーブと初めて出会った時の震える様な感覚を今でも覚えてる。
美しいのにとても怖かった。
ガラス細工のように脆く危うい。でも、そこらじゅうがとんがって触れる事は出来ない。
何かを胸に沢山抱えているけど、それをこちらは見たいけれど、近寄れない。
舞台のお芝居を観に行き初めて間もない頃で、”クロード”の会場の青山の円形劇場は閉館が決まっていました。
とても小さな劇場で、最後の列は6列目。
そんな濃密な空間で”彼=イーブ”は美しいまま、のたうち回り、苦しみ、吐き出して、落ちて行った。
ダブルキャストの稲葉友さんも忘れがたい。
稲葉さんは当時21歳で、演じ終えた後、観客に頭を下げながら泣いていた。
アタシも、他の観客も泣いていた。
そんなお芝居は生まれて初めて観たし、そんな経験は生まれて初めてだった。
役者さん達の熱量は凄いなと思いました。
戦いだな、と。
むき出しで暴力的な言葉の数々を吐き出す度に、それはまた、言い放った本人を切り刻みに戻って来る。
「クロードと一緒に」の記事の中でもいつも言っているけど、本当に役者さんが「壊れてしまうんじゃないか」と思う瞬間が何度もある。
”イーブ”と言う役は恐ろしい。取り込んだ役者の中で暴れ回る。
「言葉にすると陳腐になる、でも、伝えろ!僕は伝えたいんだ!!」
と体中を駆けまわっては、観客にも向かって来る。
心の準備の出来ていない者たちは皆、硬直し、涙を流し、そして終演しても立ち上がれない。
殺人は正気の沙汰ではない。
でも最終的には、これは殺人の話ではないんだ、愛の話なんだと観客達は受け取るんです。
ああ、そんな感じだった。そうだったなぁと思い出しました。
あれは凄いお芝居でした。
今思い出しても、鳥肌が立つ。
色んなロスが来て、過ぎ去った物を思い出したりなんかして精神的にはあまり良くないかもしれない。
ロスって怖い。