ここでは、社長 (寺川 勲雄) の介護日記を掲載しております。
はじまりは2007年ですが、当初のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けていたものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2011年、2月号に掲載の内容です。
「おばあちゃん、オメデトウ」 「・・・・オメデトウございます」 「今日はお正月よ。分かる?」 「・・・・ウン、分かるよ」
大晦日に集まっていた家族もそれぞれに引き上げ二人だけのお正月である。
「お雑煮食べる?」 「ウン、そうするかいねぇ」
昨夜、女房の作ってくれた雑煮のおつゆを温める。さて、雑煮をよく喉に詰まらせて・・・・などとニュースでよく聞く話にならぬ様、お餅は少し固めにすることにした。
1個はおつゆの鍋の中で固さを見ながら、もう一つはオーブンで焼いたものを出す。そして、おせち料理の中から柔らかそうなものを選んでお皿に盛り合わせて、これでいかにもお正月らしいベッドの上の食卓となった。
更にプレゼントされた手製のウサギ一対の人形があって、庭に咲いたサザンカの花もある。
1時間かけて今年最初の食事の終了。心配した雑煮も美味しそうに平らげて間食である・・・・。今年も元気そう・・・・。
10時に 「おばあちやん、お茶にする?お菓子があるよ」 お菓子と聞いた途端、ニコニコと 「ホォ~そぉ」 といい反応。長崎の弟が母親に食べさせてと送ってきた地元のお菓子である。クリスマスから少し甘いものが多めになっているので少々心配ではあるが、ココアとお菓子を半切・・・・私もお相伴した一切れ半いただく。
「これは美味しいもんじゃ」 とペロリと平らげる。甘いものを食べた時は大抵こういうのであるが・・・・。用事を済ませてベッドのテーブルを見ると、コップはテーブルの端にあり、テーブルが濡れている様子、毛布の上にもココアがこぼれている。それでも本人は一言も発することなく悠然とテレビの方を向いたままである。私が食べたお菓子が半切多かったせいではあるまいが・・・・。
「おばあちゃん、折角ココア入れてあげたのにまかしてしもうて・・・・」と少しなじる様に云うが、相変わらず無言。しばらくして 「熱いから冷ましよってこぼれたんョ」 とポツリ。いつも何かにつけて 「ありがとう」 「すまんねぇ」 を連発する彼女だが、自分の失態にどう威厳を保つか悩みの中でのジェスチャーなのかもしれない。
お昼は女房が食事の世話にやってきて、夜は妹家族がやってくる。今年の正月はおばあちゃんにとってどんなお正月になったことだろう。
はじまりは2007年ですが、当初のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けていたものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2011年、2月号に掲載の内容です。
「おばあちゃん、オメデトウ」 「・・・・オメデトウございます」 「今日はお正月よ。分かる?」 「・・・・ウン、分かるよ」
大晦日に集まっていた家族もそれぞれに引き上げ二人だけのお正月である。
「お雑煮食べる?」 「ウン、そうするかいねぇ」
昨夜、女房の作ってくれた雑煮のおつゆを温める。さて、雑煮をよく喉に詰まらせて・・・・などとニュースでよく聞く話にならぬ様、お餅は少し固めにすることにした。
1個はおつゆの鍋の中で固さを見ながら、もう一つはオーブンで焼いたものを出す。そして、おせち料理の中から柔らかそうなものを選んでお皿に盛り合わせて、これでいかにもお正月らしいベッドの上の食卓となった。
更にプレゼントされた手製のウサギ一対の人形があって、庭に咲いたサザンカの花もある。
1時間かけて今年最初の食事の終了。心配した雑煮も美味しそうに平らげて間食である・・・・。今年も元気そう・・・・。
10時に 「おばあちやん、お茶にする?お菓子があるよ」 お菓子と聞いた途端、ニコニコと 「ホォ~そぉ」 といい反応。長崎の弟が母親に食べさせてと送ってきた地元のお菓子である。クリスマスから少し甘いものが多めになっているので少々心配ではあるが、ココアとお菓子を半切・・・・私もお相伴した一切れ半いただく。
「これは美味しいもんじゃ」 とペロリと平らげる。甘いものを食べた時は大抵こういうのであるが・・・・。用事を済ませてベッドのテーブルを見ると、コップはテーブルの端にあり、テーブルが濡れている様子、毛布の上にもココアがこぼれている。それでも本人は一言も発することなく悠然とテレビの方を向いたままである。私が食べたお菓子が半切多かったせいではあるまいが・・・・。
「おばあちゃん、折角ココア入れてあげたのにまかしてしもうて・・・・」と少しなじる様に云うが、相変わらず無言。しばらくして 「熱いから冷ましよってこぼれたんョ」 とポツリ。いつも何かにつけて 「ありがとう」 「すまんねぇ」 を連発する彼女だが、自分の失態にどう威厳を保つか悩みの中でのジェスチャーなのかもしれない。
お昼は女房が食事の世話にやってきて、夜は妹家族がやってくる。今年の正月はおばあちゃんにとってどんなお正月になったことだろう。