社長の介護日記 シリーズ2 ~ 手術 ~
頭に白いキャップを被せられ、ニコニコ笑いながら片手を挙げてバイバイをする。手術の当日、心配したほどの事もなく、彼女は一寸診察を受けに行くといった感じで看護士さんにキャリーで押されて行く。「手術はあっと云う間。麻酔で全然痛くないよ。」と無責任にも云い続けたイメージトレーニング戦術が利いたのかしら・・・。手術室の前で見送る私たち夫婦の前に、「なかなかお話する機会が無くて。私が麻酔を担当する○○です」と挨拶をされる。そして、彼女の病歴や体質について尋ねられ、「何分高齢ですので私たちも万全を期しますが、糖尿病もあり、心臓もお悪い。手術の途中、何か不測の事態が起こっても、ここでは高度な治療が難しいのです。」
最近何かと医療事故に伴う訴訟がニュースでよく耳にする命を預ける医者との信頼関係が稀薄になってしまっているのか、いや医療だけでなくて、教育や私たちの身の回りでも、相手のミスを執拗に追求するきらいがある。全てが悪いという訳ではないけれど、日本人が持っていた寛容の精神、惻隠の情などといった鷹揚が失われて、どっかの先進国の様なドライな社会になりつつあるのだろうか。そんな世情を反映しての予防線なのか。
それにしてもうちのおばぁちゃんは手術室の中。入口のランプは赤く点燈している。今更そんな事云われても・・・。
然しまぁ、お医者さんも意図してミスをする訳ではないし、何かがあってもそれは天命。「お任せします。宜しくお願いします。」そう云って、ブルーの手術着の少し体格のいい後ろ姿が手術室に消えるのを見送った。
さぁ、いよいよ手術・・・。
頭に白いキャップを被せられ、ニコニコ笑いながら片手を挙げてバイバイをする。手術の当日、心配したほどの事もなく、彼女は一寸診察を受けに行くといった感じで看護士さんにキャリーで押されて行く。「手術はあっと云う間。麻酔で全然痛くないよ。」と無責任にも云い続けたイメージトレーニング戦術が利いたのかしら・・・。手術室の前で見送る私たち夫婦の前に、「なかなかお話する機会が無くて。私が麻酔を担当する○○です」と挨拶をされる。そして、彼女の病歴や体質について尋ねられ、「何分高齢ですので私たちも万全を期しますが、糖尿病もあり、心臓もお悪い。手術の途中、何か不測の事態が起こっても、ここでは高度な治療が難しいのです。」
最近何かと医療事故に伴う訴訟がニュースでよく耳にする命を預ける医者との信頼関係が稀薄になってしまっているのか、いや医療だけでなくて、教育や私たちの身の回りでも、相手のミスを執拗に追求するきらいがある。全てが悪いという訳ではないけれど、日本人が持っていた寛容の精神、惻隠の情などといった鷹揚が失われて、どっかの先進国の様なドライな社会になりつつあるのだろうか。そんな世情を反映しての予防線なのか。
それにしてもうちのおばぁちゃんは手術室の中。入口のランプは赤く点燈している。今更そんな事云われても・・・。
然しまぁ、お医者さんも意図してミスをする訳ではないし、何かがあってもそれは天命。「お任せします。宜しくお願いします。」そう云って、ブルーの手術着の少し体格のいい後ろ姿が手術室に消えるのを見送った。
さぁ、いよいよ手術・・・。