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シリア騒乱と修羅の世界情勢
英ヘンリー王子、回顧録内で宮殿のレイアウトなど機密情報記す 元警備トップが「愚か者」と非難
[2023年1月15日18時50分]
英ヘンリー王子の回顧録「スペア」(AP)
英国のヘンリー王子(38)が、10日に発売された回顧録「スペア」の中で宮殿のレイアウトなど機密情報を明かしたことでロイヤルファミリーの安全を危うくしていると非難されている。
英王室で警備トップを務めたダイ・デイヴィス氏は、著書の中でバルモラル城にあるエリザベス女王の寝室の場所やカミラ王妃の高価なワインコレクションのある部屋などを明かした王子に対し、「愚か者」だと英テレグラフ紙で非難した。
王子は、父チャールズ国王とカミラ王妃の邸宅「クラレンスハウス」の入り口から国王のプライベートなリビングルームまでの正確なルートや階段の数を明かしている他、グロスターシャー州にあるハイグローブ・ハウスにある絵画でいっぱいの倉庫を見つけるヒントや外国政府や要人から贈られたギフトの収納場所なども記している。また、自身の身の安全を守るために電子トラッカーとパニック警報を常に携帯していたことなども明かしている。
50年以上に渡って警察と王室の警備に携わってきたデイヴィス氏は、「これらの暴露は私に大きな懸念を与え、ヘンリー王子の現在の警護チームにとっても大きな懸念となる可能性が高い」と述べている。
1982年にバッキンガム宮殿をよじ登って侵入した男がエリザベス女王の寝室に忍び込む事件なども起きており、「王宮に侵入を試みようとする人は歴史的に常に存在している。
メンタルヘルスの問題を抱えた個人であろうと、テロリストであろうと、この情報は非常に役立つ可能性がある」と話し、王室の私邸の詳細情報を明かさないという暗黙のルールを破った王子を批判した。
王子は、軍隊時代に赴任先のアフガニスタンで敵の戦闘員25人を殺害したと述べたことで、軍事関係者らから「家族も自身の身も危険にさらした」と安全の懸念も指摘されている。
「チェスの駒」と表現した王子に対し、アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの幹部から「あなたが殺したのはチェスの駒ではなく、人間。戦争犯罪を行った」と批判も受けている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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2/26(日) 9:22配信
ヘンリー王子とメーガン妃(2019年6月撮影)
英国のヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻が、米国内で未成年への性的暴行疑惑で王室の公務から退いたアンドルー王子(63)よりも不人気であることが最新の世論調査で分かった。
ヘンリー王子が赤裸々にプライベートを暴露した回顧録「スペア」を1月に発売した後に米ニューズウィークリー誌が米国成人を対象に行った世論調査で、2人の純支持率はヘンリー王子がマイナス10ポイント、メーガン妃に至ってはマイナス17ポイントだったことが明らかになった。
これは昨年12月の調査からヘンリー王子は48ポイント、メーガン妃も40ポイントの大幅下落で、夫妻の不支持層が急増していることが浮き彫りとなった。
調査は「好ましい」と回答した割合から「好ましくない」とした人の割合を引いたもので、ヘンリー王子を好ましいとしたのは32%、逆に好ましくないとしたのは42%だった。
また、メーガン妃を好ましいとしたのは27%、好ましくないは44%に及んだ。
一方でアンドルー王子を好ましくないと答えたのはわずか28%で、26%は好ましいと答えており、純支持率はマイナス2ポイントで、ヘンリー王子夫妻によりもはるかに支持率が高い結果となった。
ヘンリー王子夫妻は昨年12月にはネットフリックスのドキュメンタリーでプライベートをさらし、続いて年明けに発売された「スペア」でも初体験を赤裸々に告白したり、兄ウィリアム皇太子から暴行を受けたと明かすなど王室の内幕を暴露して物議を醸していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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最終更新:2/26(日) 9:40日刊スポーツ
2/26(日) 7:30配信
<ヘンリー王子夫妻を「プライバシー保護を訴える偽善者」として痛烈に皮肉ったサウスパークで、最もメーガン妃の怒りを買いそうなシーンは>
ヘンリー王子とメーガン妃(2021年9月)
lev radin-Shutterstock
米人気コメディアニメ『サウスパーク』が、英ヘンリー王子夫妻を風刺ネタにし、特にメーガン妃に対して辛辣な批判を浴びせている。ケーブルテレビチャンネル・コメディセントラルが2月15日に放送した回には、このイギリスのロイヤルカップルによく似た容姿の「カナダの王子と王女」が登場。「ワールド・プライバシー・ツアー」なるものに出発する。
夫妻はプライバシーの保護を訴える偽善者として描かれ、ヘンリー王子の自伝『スペア(Spare)』は、『Waaagh』というタイトルになっている。また、「男性器が凍傷になった」というヘンリー王子の実際の体験談も、王子がサウスパークのキャラクター「カイル」に打ち明けるという形でネタにされている。
こうした内容が世界的に大きな話題となったサウスパークだが、なかでもメーガン妃を最高に怒らせるであろうシーンがある。彼女を、性差別な侮辱を用いて非難していることだ。
今回のエピソードは、カナダの朝のテレビ番組で夫妻がインタビューを受けるところから始まり、司会者はこう尋ねる。「問題のあるあなたの妻が、自分のテレビ番組を持ち、セレブと付き合ったりファッション誌に出たりしているという話は本当ですか」
さらに司会者は「あなたのインスタグラム好きのビッチな妻は、実際にはプライバシーを望んでいないと言う人もいるかもしれませんね」と言い放つ。
「Bワード」に対するメーガン妃の主張 女性を侮辱する言葉である「Bワード」をメーガン妃に対して使うことは、サウスパークでは普通のことかもしれない。しかし、この言葉はメーガン妃にとって特に関心が高く、自身のポッドキャスト番組「Archetypes(アーキタイプス)」でも取り上げている。
このポッドキャスト番組のコンセプトは、女性を束縛するネガティブなレッテルを取り除くというものだった。配信元であるSpotifyの要約によると、「To 'B' or not to 'B'」というタイトルがつけられたエピソードで、メーガン妃は「『Bワード』とその同類である『気難しい』という言葉の起源と流行、それらが特にビジネス界で、強い心を持つ女性に対して誤って使われていること」について語っている。
「私は昔も今も言葉オタクだ」とメーガン妃は番組で語り、「たとえば『B』で始まる単語をたくさん思い浮かべることができる」と述べた。
メーガン妃にとってのBワード
「beautiful(美しい)、blessed(祝福された)、brilliant(輝かしい)、beguiling(魅力的な)、blissful(喜びに満ちた)、bedazzling(魅了する)。でも、誰かがBワードを使うのを聞くと、今あげた言葉のどれもあてはまらないことは明らかだ」
メーガン妃はBワードを口にはせず、「別の人に先頭に立って非難してもらいたい」と話した。
また、こうも述べている。「女性にBワードや『気難しい』というレッテルを貼ることは、多くの場合は偏向で、女性の素晴らしい資質や粘り強さ、強さ、忍耐、強固な意見、そしておそらく回復力を隠す手段だ」
最後にメーガン妃はこう締めくくった。「一部の女性にとっては、Bワードを受け入れ、取り戻すことがすべてであり、Bワードから力を奪い、それを弱めるためにコメディを使うことさえあるかもしれない」
メーガン妃は、この言葉を取り戻すために女性が制作したコメディの役割を見出したのかもしれないが、今回のサウスパークのエピソードは、彼女が考えていたものではないだろう。
ジャック・ロイストン
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2/26(日) 10:00
(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
2021年3月、オプラ・ウィンフリーによるメーガン妃とハリー王子の独占インタビューが放映された時、メーガン妃の母国アメリカでは、彼らに対する同情が強く寄せられた。
イギリス王室の誰かが生まれてこようとしているメーガン妃とハリー王子の赤ちゃんの肌の色について憶測したとか、メーガン妃が精神を患っているのに治療を受けさせてもらえなかったなどという暴露話をアメリカ人は信じ、青ざめたものだ。
その直後にはマイケル・ムーア、セリーナ・ウィリアムズ、ジェイダ・ピンケット=スミスなど多くのセレブがメーガン妃とハリー王子を応援し、アメリカへの移住を歓迎するメッセージをソーシャルメディアに投稿している。
メーガン妃とハリー王子によるイギリス王室の実態についての告発はその後も止まらず、昨年末にはNetflixで6話構成のドキュメンタリーシリーズ「ハリー&メーガン」が配信され、先月はハリー王子の回顧録「Spare」が発売されてベストセラーとなった。だが、それらのおかげで彼らへの共感が強まるかと思いきや、現実は逆だったようだ。
「Newsweek」が今週発表した調査結果によれば、2月19日の段階で、メーガン妃を「好き」と答えたアメリカ人は27%、「嫌い」と答えたアメリカ人は44%。昨年12月、今年1月と時間を減るごとに「嫌い」が増えている。
「ハリー&メーガン」が配信開始になる前の12月に比べると、40ポイントもマイナスだ。ハリー王子を「好き」なアメリカ人は32%、「嫌い」なアメリカ人は42%。彼もまた前回の調査より10ポイントもマイナスとなった。
一方で、ウィリアム王子、キャサリン妃、チャールズ国王、カミラ王妃のアメリカにおける好感度はアップしている。
2月19日段階で、ウィリアム王子を「好き」と答えた人は、なんと42%。「嫌い」は19%だ。キャサリン妃は、「好き」が44%、「嫌い」が12%。チャールズ国王の場合は、「好き」が29%、「嫌い」が18%、カミラ王妃は「好き」と「嫌い」がいずれも23%だった。
これらの人々は、「Spare」の中で、ハリー王子が悪口を散々浴びせた相手。
彼らが自分にどんな酷いことをしたのか具体的に書き、それは世界の多くの人に読まれたのに、むしろ彼らの人気が上がったとあれば、ハリー王子はおそらく悔しくてたまらないに違いない。
逆に、被害者であるはずの自分たちへの支持は落ちるばかり。ほんの少し前までは自分たちを大歓迎してくれたアメリカで、そんなことが起きているのである。
これは明らかに、ハリー王子とメーガン妃に対するアメリカ人の信頼が崩れてきたことの表れだろう。
ウィンフリーによるインタビューが放映された直後、イギリス人ジャーナリストのピアース・モーガンはメーガン妃の発言を「何も信じない」と言ってレギュラー番組を降板させられ、人種差別者とまで呼ばれている。
しかし、時間が経つごとに、彼の指摘することがまっとうであることを、人は気づいていった。
たとえば、「実は結婚式の3日前にこっそりと結婚していた」ということはそのひとつ。よく考えれば考えるほど、そんなことが本当にありえるのかと疑問が濃くなっていったが、「ハリー&メーガン」では完全にスルーされている。
全部で6時間もあるシリーズで、彼らの言う“本物”の結婚式について述べる時間がなかったとは、とても思えない。
皮肉にも、彼らがメディアに露出して発言すればするほど、アメリカ人は彼らを見抜いていったということ。
最近放映された「South Park」最新回のパロディが大好評を得たのも、そんなアメリカ人の気持ちをばっちりととらえていたからだと言える。
このアニメの中で、ハリー王子とメーガン妃をモデルにしているのが明白なフィクションの“カナダの王子とその妻”は、「プライバシーをくれ」と言いつつ、わざと目立つことをして人の注目を集めようとする。
そんな夫妻にうんざりした登場人物らは、「もうその人たちの話は聞きたくない」と言うが、そう思ってはいても避けられないほど、彼らはうるさい。それを「どんぴしゃだ」と、今やアメリカ人は思っているのである。
好感度という重要なものが失われつつある今、ハリー王子とメーガン妃は自分たちのブランドを次にどう持っていくのか。
Netflixとは、「ハリー&メーガン」のほかにもコンテンツを提供していくということで、1億ドル(約135億円)の契約を結んでいる。
「Spare」を出版したペンギン・ランダムハウスとハリー王子の契約は、4冊。つまりこの後にも3冊の執筆が期待されているということだ。さらに、メーガン妃も回顧録を執筆中だという報道もある。
それらの新たなコンテンツの内容や、その宣伝のためにまたメディアに露出すれば、再度「South Park」のネタにされかねない。そんな不名誉はなんとしても避けたいところだろう。
生き残りのためには、「イギリス王室にいじめられた被害者」のアプローチとは違う新たな戦略が必要とされているようだ。
猿渡由紀
L.A.在住映画ジャーナリスト
神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「週刊SPA!」「Movie ぴあ」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイ、ニューズウィーク日本版などのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。
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王室批判で200億円超を荒稼ぎ! ヘンリー王子の“暴露本”で戴冠式への出席はどうなる?
2/26(日) 5:56配信
売り上げはギネスレコードに
英国のヘンリー王子の回顧録が世に出て1カ月余り。王室のみならず世界中を騒がせた“暴露”の余波は、いまだ後を引いている。5月に執り行われるチャールズ国王の戴冠式には、天皇皇后両陛下のご出席も検討されているが、その一大式典をも左右しかねないというのだ。
***
1月10日に米出版社「ペンギンランダムハウス」から刊行された回顧録『スペア』は、16カ国語に翻訳され、世界中で読まれてきた。
「英国では初日に40万部が売れました。この日だけで米、カナダと合わせて143万部に達したため、『最も早く売れたノンフィクション本』としてギネス世界記録に認定されています」(英国在住ジャーナリスト)
ちなみに従来の1日の売り上げ記録は、2020年に刊行されたバラク・オバマ元米大統領の回顧録『約束の地』の88万7千部だというから関心のほどがうかがえよう。
さらに、 「今回の『スペア』は、書籍とデジタル版のほか、王子自身の肉声で録音したオーディオブックも発売されています。こちらは15時間もの大作ですが、なんと来年の米グラミー賞の『朗読アルバム部門』にノミネートされる可能性も報じられています。かつてオバマ元大統領も、自伝でこの最優秀賞を受賞しており、王子の受賞もあながちないとは言い切れません」(同)
薬物を使用したと告白
ウィリアム皇太子
ギネスにグラミー賞とはあっぱれと言うほかないが、失ったものも無論ある。発売前日、1月9日に発表された英国での世論調査では、王子の好感度は26%と過去最低を記録。否定的な人は64%にのぼっている。
「回顧録で明かされたエピソードは、いまだに物議を醸しています。中でも12~13年、攻撃ヘリの操縦士として派兵されたアフガニスタンで自身が殺害したタリバン兵を“取り除かれたチェスの駒”に例えた記述は、英国を危険にさらしかねない。
また17歳の時にコカインを使用したとの告白もあり、王室が被ったダメージは計り知れません」
書籍の中で王子は、 「兄のウィリアム皇太子から“暴力を振るわれた”と打ち明け、また出産直後のキャサリン妃の体調をメーガン妃が揶揄したことで口論に発展した件なども明かしている。このため王室内で、とりわけ怒りをあらわにしているのは皇太子だと伝えられています」(同)
初体験の相手がインタビューに
キャサリン妃
“被害者”は、王室メンバーにとどまらない。本書には「初体験」についての記述も登場。
王子が17歳の時、とあるパブの裏庭で、年上の女性と行為に及んだというのだが、 「これを受けて英国内では“お相手”探しが過熱。これまでインテリアデザイナーから獣医、はては女優のエリザベス・ハーレーまでうわさに上ってきたのですが、今月7日に当人が名乗り出て、大衆紙『サン』と『メールオンサンデー』の共同インタビューに応じました。
それによると彼女は、サーシャ・ウォルポールという40歳の女性。現在は2児の母で採掘機の運転手です。王子と関係した01年当時は19歳で、チャールズ国王の別荘であるハイグローヴハウスの厩舎で働いていたというのです」(同)
この女性は、回顧録に自分が登場したことを友人から知らされたのだという。 「当日は彼女の誕生日で、パブでパーティーが催されており、互いに酔っていた二人は、タバコを吸うため外に出てキスをし、そのまま行為に及んだ。
彼女は取材に『店の外に出ていたのは15分ほどで、セックスは5分だった』とも明かしていますが、一方で断りなく“21年前の秘事”について詳細をつづった王子に対し、『私の立場になれば、世界が狭くなったように感じるはず』と、その手法を非難しているのです」(同)
王子が尋問を求められる?
チャールズ国王とカミラ王妃
とはいえ、王子が手にした出版契約金は2千万ドル。“無断暴露”で怒りを買うのも織り込み済みであろう。
実際に、 「1月末、メーガン妃と親交のある米国女優のパーティーに夫婦で出席した際、王子は『自分の話を世界に広められて安堵している』『どんな暴露も後悔していない』などと口にしていたと報じられています。出版は成功だったと満足しているわけです」(同)
一方で、これまで『スペア』のPRを夫任せにしてきたメーガン妃は、 「現在、米国フロリダ州に住む異母姉のサマンサ・マークルさんから、7万5千ドルの損害賠償を求める訴えを起こされています。
21年3月に放映されたテレビ司会者オプラ・ウィンフリーのインタビューでメーガン妃が『一人っ子として育った』などと話したことが名誉毀損にあたるとの主張で、提訴は昨年3月。
メーガン妃は訴えの却下を申し立てていたのですが認められず、さらに裁判での本人尋問をやめるよう求めた申し立ても、2月7日に却下されている。これで、法廷に立つ可能性が高くなりました。あるいはヘンリー王子も、尋問を求められることになるかもしれません」
「ダブルスタンダード」
英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子氏が言う。
「タブロイド紙やパパラッチのプライバシー侵害を手厳しく批判してきたヘンリー王子が、掌を返すようにメディアを利用し、王室メンバーの私生活を切り売りするとは、あまりに節操がありません。
それでも、自身の初体験や薬物使用、タリバン兵の殺害など、スキャンダラスな話を次々と開陳する“捨て身の作戦”が奏功したわけです。
プライバシーを守ろうと王室から離脱しておいて、自らそれをお金に換えるというダブルスタンダードは露骨ですが、お二人はまるで意に介していない様子です」 というのも、 「環境問題を訴えながら、その一方でプライベートジェットを乗り回し、また英王室御用達のレンジローバーの中でも、特に温室効果ガスの排出量の多い車種を選んで乗っています。
偽善者などと指摘されてもお構いなしで、まさしく“売れたもの勝ち”。もはや王室もお手上げといったところでしょう」(同)
戴冠式への出席を否定せず
そんな中、5月6日にはチャールズ国王の戴冠式が控えている。英王室はひとまず王子夫妻に招待状を出すものの、その本心は“招かれざる客”だという。
もっとも、さる英王室ウオッチャーによれば、 「怒り心頭のウィリアム皇太子はともかく、父である国王は何とかヘンリー王子にも出席してほしいと願っている。会場となるウェストミンスター寺院は、王子夫妻が結婚式を挙げた場所でもあります。
チャールズ国王は目下、寺院のカンタベリー大主教に、次男との間を取り持つよう打診しているというのです」
当のヘンリー王子もまんざらではないようで、 「『スペア』の発売前には、英テレビのインタビューで『招かれれば出席するか』と尋ねられ、『ドアは常に開かれていて、ボールは彼ら(注・王室)のコートにある。議論することは多く、彼らがそうできるのを望んでいます』などと、明言を避けながらも否定はしませんでした」(同)
お金の使い道
この戴冠式には、ウィリアム皇太子夫妻と親交のあるトム・クルーズも出席の意向をみせているのだが、セレブ志向のメーガン妃はといえば、 「当日はちょうど長男アーチー君の誕生日。メーガン妃はカリフォルニアの自宅でお祝いするために欠席するのではとの見方もあります。
ヘンリー王子についても、ロンドンに短時間滞在して米国へとんぼ返りするプランが取り沙汰されている。ただし、王子は出席の条件として『座席』『称号』を挙げているとされています。
注目される位置に座ることができ、かつ称号を剥奪されることがない──こうした約束を取り付けた上で参列するとささやかれているのです」(同)
再び多賀氏が言う。 「チャールズ国王個人は招待するとしていますが、王室全般からすれば“二人とも来ないでほしい”というのが本心です。国王の晴れの舞台で、お二人に注目が集まってしまうのは避けたいところでしょう。
昨年9月のエリザベス女王の葬儀では、メーガン妃が録音機をしのばせて参列し、ひそかにテレビクルーまで引き連れてきたこともあり、王室内では非常に反感を買ってしまいました」
現に「メールオンサンデー」は、ウィリアム皇太子の胸中として、この式典を利用してヘンリー王子が、たとえば夫妻でロンドンの貧しい地区を訪ねるなど、戴冠式のインパクトを台無しにするような「スタント」(離れ業)をやってのけるのではないかと危惧していると報じている。
「“王室批判ビジネス”に夢中な夫妻が、欠席というのは考えにくい。となるとまたひと波乱ありそうですが、気になるのはそうして手にしたお金の使い道です」(同)
報酬は約220億円
王室離脱後、夫妻はネットフリックスや音声配信サービス「スポティファイ」と契約。報酬はあわせて現在のレートで約220億円とされ、 「お二人は『警備費用に充てる』などと言っていますが、到底使い切れる額ではありません」(同)
そこで現実味を帯びてくるのが、メーガン妃の政界デビューだという。
「彼女は、子供の頃から歯ブラシを手に大統領の指名受諾演説を練習していたという友人の証言があります。かねてヒラリー・クリントン氏やミシェル・オバマ夫人にも接近しており、また昨年暮れにはバイデン大統領の妹からも『いい候補者になる』と太鼓判を押されている。
俳優から大統領になったレーガン大統領の例もあり、米国初の女性大統領とならないとも限りません。大統領選活動には多額の資金が必要なので、そのための蓄財ととらえる向きもあります」(同)
末恐ろしいシミュレーションではあるが、そこは常識にとらわれない振る舞いを重ねてきた王子夫妻。もう何が起きてもおかしくないのだ。
「週刊新潮」2023年2月23日号 掲載
新潮社
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最終更新:2/26(日) 5:56デイリー新潮
国際
2020年01月28日
ヘンリー王子&メーガン・マークルの挙式(英王室の公式Instagramより )
「王室にプライバシーなし」
メーガン妃(38)は野心家にして浪費家。そんなイメージが徐々にではあるが、日本人にも認識されてきたようだ。もちろん以前からイギリスの大衆紙は容赦なく批判し、彼女の“素顔”に迫る報道を続けてきた。
***
昨年8月、ヘンリー王子(35)とメーガン妃、長男のアーチーくん(0)はお忍びで家族旅行に出かけた。メーガン妃の誕生日である4日に出発し、地中海西部のイビサ島で5日間の夏休みを過ごしたのだ。
そして往復に使われたのはプライベートジェット。これを大衆紙が報じると、イギリスの世論は日本でいう“炎上”状態となった。
メーガン妃とヘンリー王子は環境保護論者としての顔も持つ。公共交通機関である旅客機なら仕方ないにしても、“家族専用”の飛行機が余計な二酸化炭素を排出したわけだ。こうなると言行不一致が問われても仕方ない。
加えて非常に高額な旅行だった。元産経新聞のロンドン支局長で在英国際ジャーナリストの木村正人氏は自身の記事で、プライベートジェットのチャーター代を《片道2万ポンド(約285万円)》、島の滞在費は《12万ポンド(約1700万円)》だったと紹介している。(ヤフー!ニュース個人 20年1月9日「メーガン妃とヘンリー王子が英王室を離脱する 年の半分カナダに移住」)。
結局、ヘンリー王子は謝罪に追い込まれた。9月に「環境に配慮した旅行を推進するチャリティプロジェクト」の発足を発表したのだが、記者の質問にプライベートジェット問題について弁解したのだ。
《「私はここに民間のフライトで来ました。これまでの旅行の99%は民間機を使ってきました。時折、普通とは違う状況のせいで家族の安全を確保しなくてはならないことがあります。本当のところはそのように単純なことなのです」》(ELLE JAPAN公式サイト「ヘンリー王子、プライベートジェットは『家族のため』」19年9月3日)
だが、これで話は終わらない。ハーパスバザーオンラインは8月23日(電子版)、「ウィリアム王子一家、LCCに乗ってスコットランドへ」の記事を掲載した。
《『The Daily Mail』紙の写真とビデオによると、キャサリン妃とウィリアム王子、3人の子供たちがイングランドのノリッジからスコットランドのアバディーンまで民間機を利用したようだ》
《一家5人がイギリスの格安航空会社(LCC)であるFlyBe機から降りて駐機場を歩き、車までエスコートされる姿がキャッチされた》
もちろん「デイリー・メール」もイギリスの有名な大衆紙であることは言うまでもない。
英王室と大衆紙の密接な関係
弟のヘンリー王子とメーガン妃がプライベートジェット、兄のウィリアム王子(37)とキャサリン妃(38)がLCC――とは見事な対比だが、前出の木村氏は「日本人が考える以上に、王室と大衆紙は密接な関係です」と指摘する。
「イギリスの王室は大衆紙の報道に神経を尖らせます。エリザベス女王(93)が起床して真っ先に目を通すのは大衆紙と言われているほどです。
ダイアナ妃(1961~1997)の死後、王室は彼女に冷淡すぎると大衆紙が非難すると、エリザベス女王が異例の追悼の言葉を国民に向けて述べたこともありました。
弟がプライベートジェットで大衆紙に叩かれたなら、兄はLCCに乗るところを大衆紙に撮影させる。王室のイメージが傷つかないよう、様々な配慮を行っていることが透けて見えます」
ご存知の通り、イギリス王室は1月18日に声明を発表、ヘンリー王子夫妻が今春から王室の公務を行わず、王族の称号「ロイヤルハイネス(殿下・妃殿下)」を使用しないことになったと発表した。
これを受けて時事通信は20日、「『女王の鉄拳』、英社会に衝撃 ヘンリー王子夫妻離脱」との記事を配信した。
《ヘンリー英王子夫妻が王室から事実上「離脱」することについて、英メディアは19日、「(エリザベス)女王が鉄拳を振り下ろした」(民放スカイニューズ)などと一斉に伝えた》
ヘンリー夫妻は「半分は民間人、半分は王子と妃」という立場で今後も活動を続ける意向を示していた。だが女王は、メーガン妃もヘンリー王子も王族の称号は使用を控えるよう求め、女王の代理を2人は務められないと決めた。
つまり「半官半民は無理です。完全な民間人になりなさい」と女王が夫婦に鉄拳を振り下ろしたと受け止められたわけだ。同じく、時事通信の記事から引用する。
《英メディアはこれについて、欧州連合(EU)強硬離脱とメーガン妃を掛けた「ハード・メグジット(強硬な王室離脱)」という造語で伝えた。
大衆紙サンは「女王は王室や王子の地位を与えないと極めて明確にした。彼らはただのヘンリーとメーガンになる」とする専門家の話を紹介。ガーディアン紙は、米動画配信大手ネットフリックスが夫妻の起用に関心を示していると報じた》
イギリスの大衆紙がメーガン妃に厳しい報道を続けてきたのはご存知の通りだ。しかしながら、日本人で記事の内容まで熟知している人は少ないだろう。そのため王室の離脱が取り沙汰されてから、大衆紙はメーガン妃とヘンリー王子をどう報道してきたかは興味のあるテーマだ。
そこで木村氏に「大衆紙が報じた王室離脱に関する記事の見出しで、特に印象に残ったベスト5の作成」を依頼した。するとベスト5だけではなく、次点2本と番外1本も加わって完成となった。さっそくご紹介しよう。
まず番外から第3位まで
◆番外
「THE FROWN」(しかめっ面の女王)[ザ・サン紙:1月11日]
「THE FROWN」(しかめっ面の女王)[ザ・サン紙:1月11日]
「今、ネットフリックスでは『THE CROWN』というエリザベス女王を主人公にしたテレビドラマシリーズが大変な人気です。先日はシーズン4の制作が発表されました。この人気ドラマのタイトルである『ザ・クラウン』をもじって、サン紙は女王の顔写真の下に『ザ・フローウン』という見出しを付けたわけです。ヘンリー王子とメーガン妃の要求に女王が困ってしかめっ面。そんなニュアンスを紙面に滲ませました」(木村氏)
◆次点1
「HARRY UP AND GO」(急いでヘンリー王子は去っていく)[メトロ紙:1月10日]
「HARRY UP AND GO」(急いでヘンリー王子は去っていく)[メトロ紙:1月10日]
「メトロは名前の通り、地下鉄の駅などで無料配布されているフリーペーパーです。ヘンリー王子の名前は英語で『Henry』と書かれますが、愛称が『Prince Harry』なのです。英語で『急げ』は『Hurry-Up』ですから、『ハリー王子がハリーアップ』というダジャレが成立しているわけです。メトロは王子が王室離脱を急いているようなイメージを見出しに込めたのでしょう」(同)
◆次点2
「GAME OVER」(ゲームオーバー)[メトロ紙:1月17日]
「GAME OVER」(ゲームオーバー)[メトロ紙:1月17日]
「1月8日にメーガン妃とヘンリー王子が王室離脱の可能性を示唆し、マスコミも世論も大騒ぎになりました。そんな中、ヘンリー王子は1月16日、バッキンガム宮殿でラグビーリーグの抽選会に出席します。既に自宅のスタッフは解雇されており、『離脱は現実のものになりつつある』との観測が強まっていました。こうした状況を踏まえ、メトロ紙は抽選会で撮影したヘンリー王子の写真を1面に掲載し、『ゲームオーバー』の見出しを付けたのです。『これが最後の公務になるかもしれない。もう終わりだ=ゲームオーバー』というわけです」(同)
◆第5位
「KEEP CALM & CURRY ON(註:原文ママ)」(普段通りに続けよう)[メトロ紙:1月16日]
「KEEP CALM & CURRY ON(註:原文ママ)」(普段通りに続けよう)[メトロ紙:1月16日]
「この日のメトロ紙は1面に兄のウィリアム王子とキャサリン妃が公務でカレーハウスを訪れた時の写真を掲載しました。ヘンリー王子とメーガン妃とは180度異なり、淡々と公務をこなしていると報じたわけです。見出しの『KEEP CALM』は『落ち着いて』という意味ですが、問題は『CURRY ON』です。本来なら『CARRY ON』で『続ける』という熟語になるのですが、夫妻がカレー屋を訪問したため、『CURRY』とダジャレで使ったわけです。ちなみにイギリスでカレーショップはありふれた飲食店で、大衆的で安価なことでも知られています。浪費家とされるメーガン妃を当てこする文脈も読み取ることができるでしょう」(同)
◆第4位
「Smiling in the face of a storm」(嵐に直面しながらも笑顔)/「MARKLE VS MARKLE」(マークル対マークル裁判)[デイリー・メール紙:1月15日]
「Smiling in the face of a storm」(嵐に直面しながらも笑顔)/「MARKLE VS MARKLE」(マークル対マークル裁判)[デイリー・メール紙:1月15日]
「大衆紙デイリー・メールは15日の1面に、カナダに滞在中のメーガン妃が微笑を浮かべている写真を掲載しました。これに『嵐に直面しながらも笑顔』との見出しをつけたわけですが、意味に重点を置いて翻訳すると『英王室が嵐の中に巻き込まれているのにかかわらず笑顔を浮かべている』と彼女を皮肉る内容になっています。更にその下に『マークル対マークル裁判』の見出しが掲載されていますが、デイリー・メール紙はメーガン・マークル妃が父親のトーマス・マークル氏に書いた手紙を暴露し、妃から名誉毀損で訴訟を起こされています。この1面で『裁判で父親が重要証人になる』と報じ、離婚裁判を描いた名作映画『クレイマー、クレイマー(原題:Kramer vs. Kramer)』(1979年)のタイトルをもじって見出しにしました」
◆第3位
「MEGXIT」(メーガン妃による王室離脱)[ザ・サン紙:1月9日]
「MEGXIT」(メーガン妃による王室離脱)[ザ・サン紙:1月9日]
「『Megxit(メグジット)』は日本でも報じられているようですが、この造語を生んだのが大衆紙のサンでした。英国は『British』で、出口は『exit』ですから、『イギリスのEU離脱』を『Brexit』という造語で表現しました。『MEGXIT』も同じ理屈で、メーガン妃の『Meghan』と『exit』を合体させて『Megxit』という言葉を作ったわけです」(同)
いよいよ第2位と第1位の発表
◆第2位
「‘I’ve put my arm around my brother all our lives. I can’t do it any more’」(僕らの人生で、僕は弟の肩を抱き続けてきた。だが、それはもう不可能だ)[ザ・サンデー・タイムズ(タイムス日曜版)1月12日]
「‘I’ve put my arm around my brother all our lives. I can’t do it any more’」(僕らの人生で、僕は弟の肩を抱き続けてきた。だが、それはもう不可能だ)[ザ・サンデー・タイムズ(タイムス日曜版)1月12日]
「タイムスは日本なら朝日新聞というイメージの高級紙です。しかし、日曜版は別の編集部が作成し、芸能やスポーツ、書評やインタビューといった柔らかな記事が中心になります。日曜版は大衆紙に近いのでランキングに入れました。兄が弟との決別を宣言した見出しになります。思い返すと1997年、15歳と13歳の兄弟が母親であるダイアナ妃の葬儀に参列した写真は全世界に報じられました。イギリスでは『常に2人は一緒で、食事も同じ冷蔵庫から引っぱり出す』ほど仲の良い兄弟として知られていましたから、この記事を涙無しに読めない人も多かったのではないでしょうか。兄弟は共に記事内容を否定しましたが、ウィリアム王子の筋がリークしたと言われています」(同)
◆第1位
「WE’RE ORF AGAIN」(私たち、また休暇なんでございますわよ)[ザ・サン紙:1月8日]
「WE’RE ORF AGAIN」(私たち、また休暇なんでございますわよ)[ザ・サン紙:1月8日]
「ザ・サンは1月7日、電子版で『カナダでの6週間の長期休暇が明けたばかりの2人が今年のかなりの部分をカナダで過ごす』という大スクープを報じます。王室記者クラブに所属しない記者が情報をつかみ、王室サイドの『書かないでくれ』という圧力をはねのけての記事でした。
慣例ならクリスマスは女王と共に過ごすべきなのに、メーガン妃とヘンリー王子は年末年始、カナダに滞在しました。これだけでもイギリス世論は『ふざけるな』と怒り心頭だったわけですが、メーガン妃はカナダから動かないとサンが報じ、世論はメーガン妃から離反していきました。
電子版で報じられた翌日、同じ記事が1面に掲載されたのですが、この見出しも凝った内容です。『ORF』は本来なら『OFF』と書かれるべき単語です。つまり『私たちは再びオフ=休暇です』という意味なのですが、イギリスは階級社会で、上流階級は『オフ』を『オーフ』と発音します。それを『ORF』と表記したのです。そして1面に使われた写真は夫妻の2ショットでした。
確かにヘンリー王子は『ORF』と発音する階級に属しています。しかしメーガン妃は、アメリカ人だとはいえ、イギリス人から見ると労働者階級の出身です。『メーガン妃、あなたはORFと発音しない階級の出身であるはずですが、さも自分が上流階級の出身でもあるかのように振る舞っておられるんですね』という嫌味たっぷりの見出しになっているんです」(同)
以上、8本の見出しを見ていただいたが、最後に改めて木村氏に「イギリスの言論における大衆紙の役割」を聞いてみた。
「イギリスの大衆紙が自負する使命は『偽善者の仮面を剥ぐ』ことです。そのために過激な報道も行います。メーガン妃の記事もアメリカのメディアなどは、『人種差別が根底にある』と今も非難しています。しかし、大衆紙も取材をしっかり行い、顧問弁護士がチェックして記事が掲載されます。メーガン妃との結婚が発表された当初、同じ階層に属する労働者階級が喜び、彼らを主要な読者とする大衆紙も歓迎した時期があったのです。それが大衆紙の粘り強い取材で、メーガン妃の浪費癖など真の姿が浮き彫りになりました。大衆紙はイギリスのジャーナリズムにとっても必要不可欠な存在だということを、メーガン妃の報道で改めて示したと言えるのではないでしょうか」
週刊新潮WEB取材班
2020年1月28日掲載
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