[2023年1月15日18時50分]
英ヘンリー王子の回顧録「スペア」(AP)
英国のヘンリー王子(38)が、10日に発売された回顧録「スペア」の中で宮殿のレイアウトなど機密情報を明かしたことでロイヤルファミリーの安全を危うくしていると非難されている。
英王室で警備トップを務めたダイ・デイヴィス氏は、著書の中でバルモラル城にあるエリザベス女王の寝室の場所やカミラ王妃の高価なワインコレクションのある部屋などを明かした王子に対し、「愚か者」だと英テレグラフ紙で非難した。
王子は、父チャールズ国王とカミラ王妃の邸宅「クラレンスハウス」の入り口から国王のプライベートなリビングルームまでの正確なルートや階段の数を明かしている他、グロスターシャー州にあるハイグローブ・ハウスにある絵画でいっぱいの倉庫を見つけるヒントや外国政府や要人から贈られたギフトの収納場所なども記している。また、自身の身の安全を守るために電子トラッカーとパニック警報を常に携帯していたことなども明かしている。
50年以上に渡って警察と王室の警備に携わってきたデイヴィス氏は、「これらの暴露は私に大きな懸念を与え、ヘンリー王子の現在の警護チームにとっても大きな懸念となる可能性が高い」と述べている。
1982年にバッキンガム宮殿をよじ登って侵入した男がエリザベス女王の寝室に忍び込む事件なども起きており、「王宮に侵入を試みようとする人は歴史的に常に存在している。
メンタルヘルスの問題を抱えた個人であろうと、テロリストであろうと、この情報は非常に役立つ可能性がある」と話し、王室の私邸の詳細情報を明かさないという暗黙のルールを破った王子を批判した。
王子は、軍隊時代に赴任先のアフガニスタンで敵の戦闘員25人を殺害したと述べたことで、軍事関係者らから「家族も自身の身も危険にさらした」と安全の懸念も指摘されている。
「チェスの駒」と表現した王子に対し、アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの幹部から「あなたが殺したのはチェスの駒ではなく、人間。戦争犯罪を行った」と批判も受けている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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2/26(日) 9:22配信
ヘンリー王子とメーガン妃(2019年6月撮影)
英国のヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻が、米国内で未成年への性的暴行疑惑で王室の公務から退いたアンドルー王子(63)よりも不人気であることが最新の世論調査で分かった。
ヘンリー王子が赤裸々にプライベートを暴露した回顧録「スペア」を1月に発売した後に米ニューズウィークリー誌が米国成人を対象に行った世論調査で、2人の純支持率はヘンリー王子がマイナス10ポイント、メーガン妃に至ってはマイナス17ポイントだったことが明らかになった。
これは昨年12月の調査からヘンリー王子は48ポイント、メーガン妃も40ポイントの大幅下落で、夫妻の不支持層が急増していることが浮き彫りとなった。
調査は「好ましい」と回答した割合から「好ましくない」とした人の割合を引いたもので、ヘンリー王子を好ましいとしたのは32%、逆に好ましくないとしたのは42%だった。
また、メーガン妃を好ましいとしたのは27%、好ましくないは44%に及んだ。
一方でアンドルー王子を好ましくないと答えたのはわずか28%で、26%は好ましいと答えており、純支持率はマイナス2ポイントで、ヘンリー王子夫妻によりもはるかに支持率が高い結果となった。
ヘンリー王子夫妻は昨年12月にはネットフリックスのドキュメンタリーでプライベートをさらし、続いて年明けに発売された「スペア」でも初体験を赤裸々に告白したり、兄ウィリアム皇太子から暴行を受けたと明かすなど王室の内幕を暴露して物議を醸していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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最終更新:2/26(日) 9:40日刊スポーツ
2/26(日) 7:30配信
<ヘンリー王子夫妻を「プライバシー保護を訴える偽善者」として痛烈に皮肉ったサウスパークで、最もメーガン妃の怒りを買いそうなシーンは>
ヘンリー王子とメーガン妃(2021年9月)
lev radin-Shutterstock
米人気コメディアニメ『サウスパーク』が、英ヘンリー王子夫妻を風刺ネタにし、特にメーガン妃に対して辛辣な批判を浴びせている。ケーブルテレビチャンネル・コメディセントラルが2月15日に放送した回には、このイギリスのロイヤルカップルによく似た容姿の「カナダの王子と王女」が登場。「ワールド・プライバシー・ツアー」なるものに出発する。
夫妻はプライバシーの保護を訴える偽善者として描かれ、ヘンリー王子の自伝『スペア(Spare)』は、『Waaagh』というタイトルになっている。また、「男性器が凍傷になった」というヘンリー王子の実際の体験談も、王子がサウスパークのキャラクター「カイル」に打ち明けるという形でネタにされている。
こうした内容が世界的に大きな話題となったサウスパークだが、なかでもメーガン妃を最高に怒らせるであろうシーンがある。彼女を、性差別な侮辱を用いて非難していることだ。
今回のエピソードは、カナダの朝のテレビ番組で夫妻がインタビューを受けるところから始まり、司会者はこう尋ねる。「問題のあるあなたの妻が、自分のテレビ番組を持ち、セレブと付き合ったりファッション誌に出たりしているという話は本当ですか」
さらに司会者は「あなたのインスタグラム好きのビッチな妻は、実際にはプライバシーを望んでいないと言う人もいるかもしれませんね」と言い放つ。
「Bワード」に対するメーガン妃の主張 女性を侮辱する言葉である「Bワード」をメーガン妃に対して使うことは、サウスパークでは普通のことかもしれない。しかし、この言葉はメーガン妃にとって特に関心が高く、自身のポッドキャスト番組「Archetypes(アーキタイプス)」でも取り上げている。
このポッドキャスト番組のコンセプトは、女性を束縛するネガティブなレッテルを取り除くというものだった。配信元であるSpotifyの要約によると、「To 'B' or not to 'B'」というタイトルがつけられたエピソードで、メーガン妃は「『Bワード』とその同類である『気難しい』という言葉の起源と流行、それらが特にビジネス界で、強い心を持つ女性に対して誤って使われていること」について語っている。
「私は昔も今も言葉オタクだ」とメーガン妃は番組で語り、「たとえば『B』で始まる単語をたくさん思い浮かべることができる」と述べた。
メーガン妃にとってのBワード
「beautiful(美しい)、blessed(祝福された)、brilliant(輝かしい)、beguiling(魅力的な)、blissful(喜びに満ちた)、bedazzling(魅了する)。でも、誰かがBワードを使うのを聞くと、今あげた言葉のどれもあてはまらないことは明らかだ」
メーガン妃はBワードを口にはせず、「別の人に先頭に立って非難してもらいたい」と話した。
また、こうも述べている。「女性にBワードや『気難しい』というレッテルを貼ることは、多くの場合は偏向で、女性の素晴らしい資質や粘り強さ、強さ、忍耐、強固な意見、そしておそらく回復力を隠す手段だ」
最後にメーガン妃はこう締めくくった。「一部の女性にとっては、Bワードを受け入れ、取り戻すことがすべてであり、Bワードから力を奪い、それを弱めるためにコメディを使うことさえあるかもしれない」
メーガン妃は、この言葉を取り戻すために女性が制作したコメディの役割を見出したのかもしれないが、今回のサウスパークのエピソードは、彼女が考えていたものではないだろう。
ジャック・ロイストン
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2/26(日) 10:00
(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
2021年3月、オプラ・ウィンフリーによるメーガン妃とハリー王子の独占インタビューが放映された時、メーガン妃の母国アメリカでは、彼らに対する同情が強く寄せられた。
イギリス王室の誰かが生まれてこようとしているメーガン妃とハリー王子の赤ちゃんの肌の色について憶測したとか、メーガン妃が精神を患っているのに治療を受けさせてもらえなかったなどという暴露話をアメリカ人は信じ、青ざめたものだ。
その直後にはマイケル・ムーア、セリーナ・ウィリアムズ、ジェイダ・ピンケット=スミスなど多くのセレブがメーガン妃とハリー王子を応援し、アメリカへの移住を歓迎するメッセージをソーシャルメディアに投稿している。
メーガン妃とハリー王子によるイギリス王室の実態についての告発はその後も止まらず、昨年末にはNetflixで6話構成のドキュメンタリーシリーズ「ハリー&メーガン」が配信され、先月はハリー王子の回顧録「Spare」が発売されてベストセラーとなった。だが、それらのおかげで彼らへの共感が強まるかと思いきや、現実は逆だったようだ。
「Newsweek」が今週発表した調査結果によれば、2月19日の段階で、メーガン妃を「好き」と答えたアメリカ人は27%、「嫌い」と答えたアメリカ人は44%。昨年12月、今年1月と時間を減るごとに「嫌い」が増えている。
「ハリー&メーガン」が配信開始になる前の12月に比べると、40ポイントもマイナスだ。ハリー王子を「好き」なアメリカ人は32%、「嫌い」なアメリカ人は42%。彼もまた前回の調査より10ポイントもマイナスとなった。
一方で、ウィリアム王子、キャサリン妃、チャールズ国王、カミラ王妃のアメリカにおける好感度はアップしている。
2月19日段階で、ウィリアム王子を「好き」と答えた人は、なんと42%。「嫌い」は19%だ。キャサリン妃は、「好き」が44%、「嫌い」が12%。チャールズ国王の場合は、「好き」が29%、「嫌い」が18%、カミラ王妃は「好き」と「嫌い」がいずれも23%だった。
これらの人々は、「Spare」の中で、ハリー王子が悪口を散々浴びせた相手。
彼らが自分にどんな酷いことをしたのか具体的に書き、それは世界の多くの人に読まれたのに、むしろ彼らの人気が上がったとあれば、ハリー王子はおそらく悔しくてたまらないに違いない。
逆に、被害者であるはずの自分たちへの支持は落ちるばかり。ほんの少し前までは自分たちを大歓迎してくれたアメリカで、そんなことが起きているのである。
これは明らかに、ハリー王子とメーガン妃に対するアメリカ人の信頼が崩れてきたことの表れだろう。
ウィンフリーによるインタビューが放映された直後、イギリス人ジャーナリストのピアース・モーガンはメーガン妃の発言を「何も信じない」と言ってレギュラー番組を降板させられ、人種差別者とまで呼ばれている。
しかし、時間が経つごとに、彼の指摘することがまっとうであることを、人は気づいていった。
たとえば、「実は結婚式の3日前にこっそりと結婚していた」ということはそのひとつ。よく考えれば考えるほど、そんなことが本当にありえるのかと疑問が濃くなっていったが、「ハリー&メーガン」では完全にスルーされている。
全部で6時間もあるシリーズで、彼らの言う“本物”の結婚式について述べる時間がなかったとは、とても思えない。
皮肉にも、彼らがメディアに露出して発言すればするほど、アメリカ人は彼らを見抜いていったということ。
最近放映された「South Park」最新回のパロディが大好評を得たのも、そんなアメリカ人の気持ちをばっちりととらえていたからだと言える。
このアニメの中で、ハリー王子とメーガン妃をモデルにしているのが明白なフィクションの“カナダの王子とその妻”は、「プライバシーをくれ」と言いつつ、わざと目立つことをして人の注目を集めようとする。
そんな夫妻にうんざりした登場人物らは、「もうその人たちの話は聞きたくない」と言うが、そう思ってはいても避けられないほど、彼らはうるさい。それを「どんぴしゃだ」と、今やアメリカ人は思っているのである。
好感度という重要なものが失われつつある今、ハリー王子とメーガン妃は自分たちのブランドを次にどう持っていくのか。
Netflixとは、「ハリー&メーガン」のほかにもコンテンツを提供していくということで、1億ドル(約135億円)の契約を結んでいる。
「Spare」を出版したペンギン・ランダムハウスとハリー王子の契約は、4冊。つまりこの後にも3冊の執筆が期待されているということだ。さらに、メーガン妃も回顧録を執筆中だという報道もある。
それらの新たなコンテンツの内容や、その宣伝のためにまたメディアに露出すれば、再度「South Park」のネタにされかねない。そんな不名誉はなんとしても避けたいところだろう。
生き残りのためには、「イギリス王室にいじめられた被害者」のアプローチとは違う新たな戦略が必要とされているようだ。
猿渡由紀
L.A.在住映画ジャーナリスト
神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「週刊SPA!」「Movie ぴあ」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイ、ニューズウィーク日本版などのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。
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