啼き方も下手な、烏。
親鳥を待っている間、カァカァとは啼かず、ぎゃーぎゃーとだみ声。
その声にティちゃんが反応する。
すぐ向かいの電信柱が、烏の子の定位置。そこで待っていれば、親鳥が帰ってくると信じている。
信じてはいるが、一人では心細い。
上の方では、ピーーーヒョロロロと、トビが旋回している。
親鳥恋しさに啼く。啼けば自分がここにいるよと、トビにも知らせることになる。
ちょっと動こうすると他の烏が、そこにいろ、どこにも行くなと、また賑やかになる。
うるさいと、スズメも子烏にちょっかいを出す。
空中戦が始まる。
皆、真剣に戦うわけでもなく、色とりどりの羽を翻している。
五分刈りの頭の、幼子。。
カッコーもその姿見えずとも、存在有り。。
ここはどんな山の中かと想う。目を閉じて、想像してみよう。自然の中の自分を。