たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

太陽光発電とリスク対応 <九電 太陽光出力制御 43万キロワット発電停止>などを読みながら

2018-10-13 | 原子力・エネルギー・地球環境

181013 太陽光発電とリスク対応 <九電 太陽光出力制御 43万キロワット発電停止>などを読みながら

 

わが家の小さな庭には赤、白、黄、桃、紫、橙などのいろいろな色の花が秋らしさを彩っています。そういえば昨夜から結構冷えてきました。まだ当地では紅葉前線とはいきませんが、庭の花は少し華やいでいます。実のある花木がほとんどないので、まだいろんな昆虫には魅力がないのかもしれません。時折名前の知らない蝶がやってきています。

 

さて猛烈な豪雨や大型台風も過ぎ去り、すこし気候も落ち着いてきたかなとおもいつつも、油断はできませんね。以前、事件関係者が来所して話し合いをしていたとき、会議室に農業土木の雑誌を重ねて置いてあるのを見て(あまり読んでいませんが)、近くの農林地に太陽光発電のパネルができましたね、景観上どうかなと思っていますなんてことを聞き、その現場を訪ねてみました。

 

すると分譲地内の空き地や隣接崖地が太陽光パネルで覆われていました。そのそばの崖状の雑木林も開発予定の様子でした。メガソーラーというわけでなく、小規模なタイプでしたが、それでも崖地での立地は大丈夫かなとか、隣接の住宅居住者にとってはあまりに近接しているのでやっかいな存在かなとも思ってしまいました。なんらかの話し合いが行われたのかと思いながらそこを離れました。

 

たしかに当地でも太陽光パネルが至るところで見かけるようになりましたが、私が目にするようなのはだいたい小規模ですね。このように小規模分散型というのは、農地が零細錯圃の長い歴史を引きずっているのと同列には扱えない、効率性の問題も景観上もどうかと思っています。

 

ところで、太陽光発電をはじめ再生エネルギー事業は固定価格買取制度(FIT)をようやく導入して、とくに太陽光発電などは飛躍的な増大を結果しています。といってもエネルギー政策がまだ化石燃料や原発に依拠していますので、ドイツなどに比べれば大きく遅れていますが。

 

そのような中、今朝の毎日記事は<九州電力 きょう太陽光出力制御 43万キロワット発電停止 6県9759件 事業者に不安も>と九電による今日からの発電一時停止という出力制御を取り上げています。その記事を紹介しながら、太陽光発電の置かれているリスクと対応を少し考えてみたいと思います。

 

記事は<九州電力は12日、太陽光発電の事業者に一時的な発電停止を求める「出力制御」を13日午前9時~午後4時に実施すると発表した。実施は離島を除き全国初で、北部九州を中心に6県43万キロワット分の太陽光(九電の送電網との接続契約数で9759件)が発電を停止する見込み。>としています。

 

この<43万キロワットは太陽光、風力の13日の発電予想最大量の約7%に当たる。>というのですが、今回風力が含まれていないのになぜこのような説明をするのか不思議です。

 

出力制御の理由として<原発4基の再稼働や太陽光の導入拡大で、九州は昼間の電力が供給過剰気味になっており、需給バランスが保てず大規模停電(ブラックアウト)に陥るのを防ぐ。【浅川大樹、袴田貴行】>つまり電力過剰によるブラックアウトを回避するために、原発の制御はせず、太陽光だけ出力制御するという選択です。太陽光発電は出力制御が容易なのに比べ、原発はそうでないということでしょうか。その当たりの説明がされていないように思います。

 

ドイツでは、以前見たNHKの番組では、気象予測をAIなどによってより精密かつ前倒しに行い、時間も量も細かく出力制御を行っていたかと思います。それが原発についてどうかは、はっきりしませんでしたが、風力・太陽光などすべてのエネルギー源を対象にしていたのではと思うのです。

 

今日13日は晴れていましたね。<九電によると、13日は晴天が見込まれ、太陽光の発電量は正午~午後1時に最大の594万キロワットに上る見通し。これに対し、同時間帯の需要は828万キロワットで、太陽光発電だけでこの72%に達する。原発などを加えると供給過剰が避けられない見込みだ。>とブラックアウトを回避するための措置だと言うことのようです。

 

原発の制御は、<原発以外の発電を先に抑制する国のルール>という出力抑制の優先順位に従って、<火力発電所の運転を苓北(れいほく)発電所(熊本県苓北町)などに限定し、出力を抑制。>それに他の電力活用方法を講じても上記が余るため、<太陽光の出力制御が必要と判断した。>というのです。今後も出力制御の可能性があるというのは、原発再稼働による現在の発電量からすれば当然でしょうね。

 

これに対して、事業者側から不安ないし不満の声が上がるのも当然かもしれません。

<17カ所のメガソーラーを運営するチョープロ(長崎県長与町)の定富勉新エネルギー事業部長は「どう運用されるのか分からない。制御の頻度を見極めないと、更なる太陽光発電を行うための資金調達も困難だ」と述べた。>とのこと。

 

早速というか、<経済産業省は「透明性・公平性の確保が重要」(世耕弘成経産相)として、実施後に国の審議会で制御の状況を検証する方針。今後、原発を優先する国のルールの妥当性も問われそうだ。>とされています。しかし、原発再稼働に時点で、この事態は予期されていたと思うのですが、いかがなものでしょう。ドイツのようなシステム構築にもっと時間と人材・費用を投じて、送電網も含めて再構築する必要があるのでないかと思うのです。

他方で、消費量のピーク時のコントロール手法として価格設定なども含めて再構築が必要ではないでしょうか。

 

そういった大きな問題以外に、太陽光発電については(風力発電やその他の再エネも検討課題がありますが今日は取り上げません)、以前からいくつかの問題が提起されてきたようですが、ついでに今年被害の大きかった自然災害がらみのリスクと対応策についてウェブ情報がありましたので、参考にここで紹介しておきます。むろん

 

一つは感電の問題です。経産省は、79日付けで<水没した太陽電池発電設備による感電防止についてのお願い(周知)>とそのリスク対応を告知しています。なお、その文面を読むのが望ましいですが、この<(参考)(図解)太陽電池発電設備による感電の防止>を見ておく簡便かもしれません。太陽光発電施設の概要も一瞥できます。

 

浸水していても太陽が当たれば発電するわけですから、感電のリスクが高いのですね。ある意味そういった危険物が身近にあることは、洪水の際、注意しておく必要はありますね。

 

暴風による破損、しかも太陽光パネルだけでなく架台から倒壊した事例も写真等でアップされていますね。

 

この点は、太陽光発電協会が<地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン 2017 年版>の中で、たとえば風圧、地震荷重などを前提に設置の安全性を確保する指針を提供していますので、最低限このガイドラインを守ってもらいたいものです。

 

今日はこの辺でおしまい、また明日。

 

 

 


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