たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

仮想通貨の課題 <狙われる仮想通貨交換所>と<マイニングの消費電力はどのくらいか>を読んで

2018-02-22 | 金融経済と合理性・倫理性

180222 仮想通貨の課題 <狙われる仮想通貨交換所>と<マイニングの消費電力はどのくらいか>を読んで

 

昨日は久しぶりに3つのブログを書いたので、少々疲れたようです。とはいえ、手の痺れがさほど強くなっていませんので、調子は上向き気味でしょうか。ただ今日は体が重く、本来の仕事の作業がいまいち進まないまま、夕方になってしまいました。残り30分あまりでブログを書き上げるのに適当なテーマが見つからず、つい見出しのタイトルの記事でお茶を濁すことにしました。

 

実のところ旧優生保護法の問題、新型出生前診断、性的虐待など、取りあげるべき問題が結構あったのですが、体と頭が重いので、今回はパスしました。

 

で、今朝の毎日記事<科学の森ブロックチェーンで相互監視 狙われる仮想通貨交換所 対策課題>は、580億円相当の仮想通貨盗難事件の後も人気が衰えない状況を踏まえて、その仕組みと課題をわかりやすく整理したものです。

 

これだけ問題が起こっている仮想通貨ですが、驚異的な勢いで取引が拡大し、すでに<仮想通貨は世界で約2000種類が確認され、流通総額は20兆円を超えるとされる。>

 

仮想通貨の仕組みと必須のツール「グラボ」

私も最近は仮想通貨のコインの種類がどんどん増えていることやその価格が大きく変動していることくらいはわかるようになりましたが、仕組みがなかなかぴんときていません。

 

この記事では仮想通貨が多くの人(若者が多いようですが)を惹きつける理由に2つあるというのです。一つは通常の金取引みたいに、仮想通貨を現金で買って値上がりを待つというのです。これはわかりやすいですが、なぜ高騰するかはこれだけではわかりませんね。もう一つはマイニングという方法です。

 

それは<仮想通貨を支える仕組みに参加する「マイナー」(採掘者)となり、新規発行される仮想通貨を報酬として受け取る「マイニング」(採掘)という方法もある。>それには上記のグラボが役立つというのです。

 

それは仮想通貨の仕組みが関係するわけです。<仮想通貨は企業や個人など複数のコンピューターが参加する「P2P(peer-to-peer)ネットワーク」で取引履歴の台帳が分散管理されている。peerは「立場が対等の人」という意味。参加者は全ての台帳を共有し、お互いに記録を監視し合っているため改ざんは困難とされる。各自のコンピューターで管理しているため管理用サーバーも不要で、低コストで運用できる利点もある。>

 

この相互監視システムが次のような説明でなされているようですが、これがよくわからないのです。

<こうしたネットワーク上の取引履歴を、チェーンのようにつなげて管理する仕組みが「ブロックチェーン」だ。仮想通貨の新しい取引が行われると、それを記録した台帳が「ブロック」の塊のように過去の台帳につなげられる。作業はコンピューターによる大量の暗号解読が必要で、処理が一番早いマイナーには手数料とともに、報酬として仮想通貨が新規発行される。>

 

以前のブログで紹介した外国人記者がこの問題を取りあげた番組では、一人だけ実際に経験してその仕組みを学んでようですが、やはり実体験しないとこの説明だけではぴんときません。

 

なぜ新しい取引が行われた場合、大量の暗号解読が必要となり、そのために処理が一番早いマイナーに手数料や報酬がはいるのか、メンバー全員に監視されていることの間に間隙があるように思えるのです。

 

ともかくこの早い処理のためにはグラボが必要のようです。それでこのグラボが人気沸騰しているようです。

<「金もうけの絶好のチャンス。自分も仮想通貨のブームに乗りたい」。東京・秋葉原のパソコン専門店で、客の日本人男性が取材にこう語った。男性が物色していたのは、グラフィックデザインの映像処理などで使われるパソコン部品「グラフィックボード」(グラボ)だ。データの高速処理が可能で、安いものなら1万円以下で購入できる。>

 

ま、鈴木理之記者も実際に購入して仮想通貨取引を体験していないのかもしれません。あるいはコンピューター処理の内容とかは文字で説明することが容易でないのかもしれませんが。

 

ともかく次は報酬がどのくらいかという肝心の話になります。

<どの程度の報酬があるのか。ビットコイン(BTC)の場合、現在の報酬は1回当たり12・5BTC。1BTC=約120万円(21日夕現在)とすると、約1500万円で、まさに現代の錬金術だ。グラボはこうした暗号解読処理に活用されており、仮想通貨を「金」に例えるなら、金脈を掘り当てるための「スコップ」に相当する。>

 

マイニングという表現自体がほんとうに実体を表しているのか気になるますが、現代のマイニング自体は科学的な知見や技術・機械などを駆使して、データに依拠しながらおこなうのでしょうが、この仮想通貨もPCに加えてグラボなる操作部品で高度処理をしながら新しい取引を見つけ出すのですから、まったく異質とはいえないかもしれませんが、共通性はないように思えます。

 

ともかくびっくりするほどの巨額の報酬を得られるのですから、これはゴールドラッシュに匹敵する話しで、アラスカや西海岸を目指した開拓者たちの熱情がこの仮想通貨の世界に出現するのもわからなくもないです。

 

ブロックチェーン方式では、つなぎ目が改ざんされにくくしているため、不正が起こりにくいとされていますが、この仕組みも、つなぎ目の意味もよくわからないですが、そのまま引用します。

<ブロックのつなぎ目は「ハッシュ値」と呼ばれる数値に変換され、ブロックが一部でも改ざんされれば過去の取引履歴と整合性がとれなくなるために改ざんが発覚する仕組みだ。日本仮想通貨事業者協会の担当者は「高度な暗号技術が使われ、不正は極めて困難」と説明する。改ざんで得る利益よりも、改ざんの手間やコストが大きく、不正が起こりにくいというわけだ。>

 

で、鈴木記者は、この取引の課題として、仮想通貨交換所の「秘密の鍵」というパスワードのセキュリティを問題にしています。

<一般の人が現金と仮想通貨をやりとりする際に利用する「交換所」はハッカーの攻撃対象になりやすく、コインチェックでも外部からの不正アクセスで仮想通貨が流出した。コインチェックがネット接続した状態で交換所の預金を管理していたことや、取引に必要な「秘密鍵」というパスワードの管理がずさんだったことが原因とされる。>

 

それにはよく言われるネットを遮断する障壁を設けることが指摘されています。

<情報セキュリティー大手「トレンドマイクロ」の高橋昌也シニアスペシャリストは「仮想通貨の価値が高騰した昨夏以降、金銭目的の不正アクセスが増加傾向にある。ネットを遮断して通貨を保管するなど、一般の利用者も独自の対策が必要」と話す。>

 

関係者は、それでも仮想通貨の将来性に期待しているようです。

<日本仮想通貨総合研究所の米澤遼・代表理事は「仮想通貨はIT革命の一環ととらえるべきで、まだ開発の途上。国家がどれだけ規制しても、便利と思う人がいる限り普及は続くのでは」と話す。>

 

ところで、ここからがもう一つの重要なポイントというか、課題です。

 

すでにマイニングには高速処理ができるPCが必要であることは指摘しましたが、当然、そうなると消費電力が問題にならないかとか、CO2排出量はどうかということが意識されますね。

 

マイニングの消費電力はどのくらいか ビットコイン普及の課題>では、その点をあるデータを基に、膨大な消費電力を費消する点などが指摘されています。

 

ここではもう少しマイニングの詳細な取引の仕組みが解説されています。

<ビットコインではマイニングで報酬を貰えるのは10分に1名とルールが決められています。その1名に選ばれるには他者よりも高性能な設備(多くの設備)・それを動かす為の電力が必要になります。多くの投資(設備・電力)をかけると報酬を受け取る確立が上昇するルールとなっています。>(さらに詳細がありますが省略)

 

つまり競争原理が働いているのですね。それも時間制限付きです。その意味では分ないし秒単位で、PC操作を、しかも膨大で高速な処理をするわけですから、そればかりに集中しないとできないのでしょうね。これは株式投機以上なのでしょうね。

 

ともかくこの仕組みだと次のように消費電力は累積的に増大します。

10分に1度、報酬受け取り人が決定していきますがこれはずっと継続していきますのでなるべく多くの報酬を受け取る為に常にマイニングの為のコスト、特に電力を消費しなければなりません。>

 

その消費電力については、<Digiconomisthttps://digiconomist.net/bitcoin-energy-consumption)というサイトの統計によればビットコインのマイニングに使用される年間の消費電力は201712月の報告時点では35.77TWh(テラワット 1TWh1000000000kWh)とされています。>

 

この<数値は国の消費電力と比べてみると58位のカタール、59位のブルガリアの間に位置すると言います。>大変な量ですね、まだ参加者も取引規模もこれからという段階でです。

 

次に<これらの消費電力による年間CO2排出量は17,526kt(キロトン 1kt1000トン)と算出されます。これは世界地球温暖化防止センターの2014年の統計(http://www.jccca.org/chart/chart03_01.html)を利用すれば世界の約0.05%の排出量に当たります。><第14位のイタリアでも約1%>ですので、それに比べれば、たいした比率ではないといえますが、わずかの期間にこれだけの排出量ですので、今後の増大は飛躍的になる危険性がますます大きくなるわけですから、見過ごしにできません。

 

その他ここではさらなる言及がなされていますが、私としては、金儲けの手段として参画している多くの若者に、もう少し環境や地球を考える視点をもって欲しいと思うのです。金儲けは、汗水垂らしてとはいいませんが、さほど人生にとって有意義なものではないと思えるといいのですけど。法定通貨代替機能として使われるようになれば、その範囲で一定の増減はあってよいと思うのですが、このマイニング手法は、将来的に持続性のあるものとは言いがたいと思っています。

 

今日はこれにておしまい。また明日。

 

 


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